Japanese
English
症例報告
Donor buffy coat輸注療法施行後に急性GVHDを発症した急性リンパ性白血病
A case of acute lymphocytic leukemia associated with acute GVHD after donor buffy coat transfusions
吉川 康之
1
,
鈴木 正夫
1
,
金子 史男
1
,
菊田 敦
2
,
鈴木 仁
2
Yasuyuki KIKKAWA
1
,
Masao SUZUKI
1
,
Fumio KANEKO
1
,
Atsushi KIKUTA
2
,
Hitoshi SUZUKI
2
1福島県立医科大学皮膚科学教室
2福島県立医科大学小児科
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
2Department of Pediatrics, Fukushima Medical College
キーワード:
GVL効果
,
GVHD
,
急性リンパ性白血病
,
donor buffy coat輸注療法
,
骨髄移植後再発
Keyword:
GVL効果
,
GVHD
,
急性リンパ性白血病
,
donor buffy coat輸注療法
,
骨髄移植後再発
pp.395-398
発行日 1994年4月1日
Published Date 1994/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901174
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骨髄移植後再発に対してdonor buffy coat輸注療法を施行した急性リンパ性白血病(ALL)患者にみられた急性移植片対宿主病(急性GVHD)について報告した.症例は24歳男性.当院小児科にて,HLAの適合した実弟より同種骨髄移植を受けたが再発し,化学療法では寛解導入を得られず,さらに真菌による肺炎とMRSAによる敗血症を合併したため,移植片対白血病効果および造血能の再構築を期待してdonor buffy coat輸注療法を施行された.施行後24日目より39℃の発熱と下痢および全身に瘙痒を伴う一部融合する粟粒大の紅斑がびまん性に出現した.生検組織では表皮内にsatellite cell necrosisおよび免疫組織学的にCD8陽性Tリンパ球の浸潤がみられ,急性GVHD(grade II)と診断した.プレドニゾロンとシクロスポリンにより約1カ月で皮疹は消退し,全身状態も改善してALLも完全寛解を得るに至った.
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