Japanese
English
症例報告
愛知県瀬戸市で初めて報告された日本紅斑熱の1例
The first case of Japanese spotted fever reported in Seto City, Aichi Prefecture
井土(小西) なつの
1
,
小野木 裕梨
1
,
宿院 梨衣
1
,
武藤 義和
2
,
渡邉 直樹
1
Natsuno KONISHI-IZUCHI
1
,
Yuri ONOGI
1
,
Rie SYUKUIN
1
,
Yoshikazu MUTOH
2
,
Naoki WATANABE
1
1公立陶生病院皮膚科
2公立陶生病院感染症内科
1Division of Dermatology, Tosei General Hospital, Seto, Japan
2Division of Infectious Diseases, Tosei General Hospital, Seto, Japan
キーワード:
日本紅斑熱
,
リケッチア症
Keyword:
日本紅斑熱
,
リケッチア症
pp.695-700
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207383
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要約 74歳,男性.1週間前から持続する発熱と全身紅斑のため受診した.初診時に40 ℃の発熱と掌蹠を含む全身に米粒大から小豆大の紅斑がみられた.瀬戸市外への移動歴はなく,毎日市内で農作業を行っていた.中毒疹のほかリケッチア症を含む細胞内寄生菌感染を鑑別にドキシサイクリンとセフトリアキソンの投与を開始し速やかに症状の改善を得た.第8病日に血液でのPCR検査でRichettsia japonicaが陽性となり日本紅斑熱の確定診断に至った.日本紅斑熱は以前は関東以西での感染報告が多かったが,近年は東北や日本海側の地域にも拡大している.愛知県では2016年に県内初の感染が報告されて以降,三河地方を中心に患者数が増加しているが,自験例は尾張地方における初の報告例であった.日本紅斑熱は特徴的な刺し口が見つからない場合など診断に苦慮し致命的な転帰を辿ることもある.紅斑を伴う不明熱を診た際は,感染地域の拡大も考慮し日本紅斑熱も鑑別に挙げ診療を行う必要があると考えた.
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