Japanese
English
症例報告
血管肉腫との鑑別を要した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の1例
A case of blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm mimicking angiosarcoma
亀田 瑛佑
1
,
塚本 利朗
1
,
宮地 秀明
1
,
松澤 高光
1
,
猪爪 隆史
1
,
松江 弘之
1
Eisuke KAMEDA
1
,
Toshiro TSUKAMOTO
1
,
Hideaki MIYACHI
1
,
Takamitsu MATSUZAWA
1
,
Takashi INOZUME
1
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学医学部附属病院皮膚科
1Department of Dermatology, Chiba University Hospital, Chiba, Japan
キーワード:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm
,
頭部血管肉腫
,
皮膚リンパ腫
,
免疫組織化学染色
Keyword:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm
,
頭部血管肉腫
,
皮膚リンパ腫
,
免疫組織化学染色
pp.149-154
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206897
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要約 93歳,女性.初診1週間前に左側頭部に暗紫色の局面を施設職員に発見され,拡大傾向があるため当科を紹介され受診した.初診時,左側頭部から頸部に大型の結節の多発を伴う暗紫色の局面がみられた.頭部血管肉腫を疑い生検を施行したところ,真皮内にN/C比の高い大型の核を有する腫瘍細胞が浸潤増殖していた.免疫組織化学染色でCD4,CD56およびCD123がいずれも陽性であり,芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍と診断した.初診後,頭頸部病変は急速に増悪した.初診6日後に軀幹に紫紅色の皮下結節が多発しており,初診15日後に永眠された.本疾患は急速に進行し予後不良の血液系悪性腫瘍であるが,新規薬物療法による予後改善が期待されている.自験例では頭頸部の皮疹から血管肉腫を想起したが,軀幹の皮疹の存在が重要な臨床的鑑別点であった.一見すると単一の疾患しか想起しえない症例であっても,常に全身を丁寧に診察することが重要であったと考えられた.
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