Japanese
English
症例報告
慢性骨髄性白血病寛解後に発症した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の1例
A case of blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm developed after complete remission of chronic myeloid leukemia
水谷 三記子
1
,
荻堂 優子
1
,
天野 与稔
2
,
平井 理泉
3
,
工藤 大輔
3
,
谷村 聡
3
,
竹下 昌孝
3
,
三輪 哲義
3
Mikiko MIZUTANI
1
,
Yuko OGIDO
1
,
Tomonari AMANO
2
,
Risen HIRAI
3
,
Daisuke KUDO
3
,
Akira TANIMURA
3
,
Masataka TAKESHITA
3
,
Akiyoshi MIWA
3
1東京北医療センター皮膚科
2東京北医療センター病理診断科
3東京北医療センター血液内科
1Division of Dermatology, Tokyo Kita Medical Center, Tokyo, Japan
2Division of Diagnostic Pathology, Tokyo Kita Medical Center, Tokyo, Japan
3Division of Hematology, Tokyo Kita Medical Center, Tokyo, Japan
キーワード:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
慢性骨髄性白血病
,
免疫染色
Keyword:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
慢性骨髄性白血病
,
免疫染色
pp.629-633
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207060
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要約 70歳,男性.慢性骨髄性白血病の寛解6年目で当院血液内科にて経過観察中であった.当科初診の2か月前に前額部に紫紅色腫瘤が出現し,徐々に増大した.初診時に左前額部に4 cm大のドーム状腫瘤と右側頭部,左季肋部にも結節を認めた.皮膚生検と骨髄生検を施行し,芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm : BPDCN)と診断した.多発皮膚腫瘤と骨髄浸潤を認めたことから,効果の高い集中導入療法であるHyper-CVAD・MA療法を施行し,皮疹は速やかに消退した.化学療法の治療効果は一過性で再発例も多いため,今後は骨髄移植を予定している.自験例では,慢性骨髄性白血病の再発は考えにくい状況であった.しかし,瘙痒感を伴わない皮疹の出現であり,他の腫瘍性病変の可能性も考え,積極的な皮膚生検を行った.BPDCNは進行に伴い治療抵抗性が高くなるため,早期診断と血液内科との速やかな連携による治療開始が重要である.血液疾患に伴う皮下腫瘤を認めた際に,BPDCNも念頭に置く必要がある.
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