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超音波胎児形態異常スクリーニング
産婦人科医・助産師・臨床検査技師のために
筆頭著者 馬場 一憲 (編)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2021年9月13日
ページ数 146
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-8306-3744-5
印刷版発行年月 2015年4月
書籍・雑誌概要
超音波検査による,胎児形態異常の出生前診断の重要性は,広く認識されているものの,その前段階である一般産婦人科医や助産師,臨床検査技師が行うスクリーニング検査のやり方に関しては,まとまったテキストがなかった.本書は,胎児スクリーニングという観点から,実際にスクリーニング検査を始めようとする読者のために,胎児形態異常スクリーニングの検査方法を具体的に解説する,わかりやすくて実用的なテキストブック.
目次
1 胎児形態異常スクリーニング総論
■出生前診断の重要性 ■胎児超音波検査実施上の問題
■胎児形態異常スクリーニング検査の基本的考え方
■胎児形態異常と胎児染色体異常
▶胎児も患者さん
2 胎児形態異常スクリーニング実施上の留意点
■スクリーニングという概念をしっかり意識して検査を行うこと
■通常超音波検査と胎児形態異常スクリーニング超音波検査および胎児染色体異常
リスク評価超音波検査と分けて考え行うこと
■スクリーニング至適時期を考慮に入れて行うこと
■もれがないようにチェックシートなどを活用して系統立てて行うこと
■適した超音波設定で行うこと
■適切な超音波画像を保存しておくこと
■妊婦の様子を考慮しながらスクリーニングを進めること
▶各チェック項目により発見に至る可能性のある主な疾患
3 [レベル1]基礎的スクリーニング法
レベル1 スクリーニング 総論
■スクリーニングの時期
■スクリーニングの前に
■レベル1スクリーニングのチェック項目
■スクリーニングの判定
▶超音波検査を行うための資格
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
1)全身
■浮腫はないか
2)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
3)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室の4つの腔が確認できるか
■胸腔内に異常な像を認めないか
4)腹部
■胃胞が左側にあるか
■胃胞,膀胱,胆嚢以外に嚢胞像を認めないか
■腹壁(臍部)からの臓器脱出は認めないか
5)背部・殿部
■異常な隆起を認めないか
6)四肢
■十分な長さの四肢が確認できるか
7)羊水
■羊水過多や過少は認めないか
b.発見に至る可能性のある疾患
1)全身
■浮腫はないか
2)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
3)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室の4つの腔が確認できるか
■胸腔内に異常な像を認めないか
4)腹部
■胃胞が左側にあるか
■胃胞,膀胱,胆嚢以外に嚢胞像を認めないか
■腹壁(臍部)からの臓器脱出は認めないか
5)背部・殿部
■異常な隆起を認めないか
6)四肢
■十分な長さの四肢が確認できるか
7)羊水
■羊水過多や過少は認めないか
c.レベル1では発見に至る可能性が少ない疾患
1)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
2)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室の4つの腔が確認できるか
■胸腔内に異常な像を認めないか
3)腹部
■胃胞が左側にあるか
■胃胞,膀胱,胆嚢以外に嚢胞像を認めないか
4)背部・殿部
■異常な隆起を認めないか
4 [レベル2]産婦人科専門医向けスクリーニング法
レベル2 スクリーニング 総論
■妊娠10〜11週
■妊娠12〜15週
■妊娠18〜20週
▶3次元超音波とスクリーニング
A.10〜11週
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
■胎児頭部が半球状で不整はないか
■四肢は4本確認できるか
■胎児全体が羊膜腔の中にあるか
b.発見に至る可能性のある疾患
■胎児頭部が半球状で不整はないか
■四肢は4本確認できるか
■胎児全体が羊膜腔の中にあるか
B.12〜15週
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
■頭部横断面で左右対称に脳や脈絡叢を認めるか
■胸部横断面で拍動する心臓がやや左寄りに位置しているか
■腹壁外に突出した臓器を認めないか
b.発見に至る可能性のある疾患
■頭部横断面で左右対称に脳や脈絡叢を認めるか
■胸部横断面で拍動する心臓がやや左寄りに位置しているか
■腹壁外に突出した臓器を認めないか
C.18〜20週
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
1)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
2)上唇
■口唇裂はないか
3)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室のバランスは良いか
■胸腔内に異常な像を認めないか
■大動脈と肺動脈が螺旋状に走行しているか
■大動脈と肺動脈の太さはほぼ同じか
4)腹部
■胃胞が左側にあるか
■胃胞,膀胱,胆嚢以外に嚢胞像を認めないか
■腹壁(臍部)からの臓器脱出は認めないか
5)脊柱・殿部
■椎体と棘突起が欠損なく並んでいるか
■異常な隆起を認めないか
6)四肢
■十分な長さの四肢が確認できるか
7)羊水
■羊水過多や過少は認めないか
b.発見に至る可能性のある疾患
1)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
2)上唇
■口唇裂はないか
3)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室のバランスは良いか
■胸腔内に異常な像を認めないか
■大動脈と肺動脈が螺旋状に走行しているか
■大動脈と肺動脈の太さはほぼ同じか
4)腹部
■胃胞が左側にあるか
■胃胞,膀胱,胆囊以外に囊胞像を認めないか
■腹壁(臍部)からの臓器脱出は認めないか
5)脊柱・殿部
■椎体と棘突起が欠損なく並んでいるか
■異常な隆起を認めないか
6)四肢
■十分な長さの四肢が確認できるか
7)羊水
■羊水過多や過少は認めないか
c.レベル2では発見に至る可能性が少ない疾患
1)頭部
■BPD(児頭大横径)は妊娠週数相当か
■頭蓋内は左右対称で異常像を認めないか
■頭蓋外に突出する異常像を認めないか
2)上唇
■口唇裂はないか
3)胸部
■心臓の位置はほぼ正中で軸は左に寄っているか
■左右心房心室のバランスは良いか
■胸腔内に異常な像を認めないか
■大動脈と肺動脈が螺旋状に走行しているか
■大動脈と肺動脈の太さはほぼ同じか
4)腹部
■胃胞,膀胱,胆嚢以外に嚢胞像を認めないか
5)脊柱・殿部
■椎体と棘突起が欠損なく並んでいるか
5 レベル2+α
1)胸部
■肺静脈が少なくとも1本は左心房に流入しているか
■大動脈を左心室から下行大動脈まで追えるか
6 [レベル3]少し高度なスクリーニング法
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
1)頭部
■透明中隔腔は存在するか
■大脳鎌は存在するか
■側脳室は正常か
■小脳は半球,虫部とも正常か
■大槽は存在し,拡大所見はないか
■脳溝は正常か
2)胸部
■心室中隔は正常か
■肺静脈は左心房に流入しているか
■three─vessel view, three─vessel trachea viewは正常か
■大動脈弓は正常か
■SVC─RA─IVCは正常か
■静脈管は存在するか
3)四肢
■overlapping finger(重積指)はないか
■手足関節に異常はないか
■手足指は5本あるか
b.発見に至る可能性のある疾患
1)頭部
■透明中隔腔は存在するか
■大脳鎌は存在するか
■側脳室は正常か
■小脳は半球,虫部とも正常か
■大槽は存在し,拡大所見はないか
■脳溝は正常か
2)胸部
■心室中隔は正常か
■肺静脈は左心房に流入しているか
■three─vessel view, three─vessel trachea viewは正常か
■大動脈弓は正常か
■SVC─RA─IVCは正常か
■静脈管は存在するか
3)四肢
■overlapping finger(重積指)はないか
■手足関節に異常はないか
■手足指は5本あるか
7 胎児計測による胎児発育異常のスクリーニング法
■児頭大横径(BPD)計測法
■腹囲(AC)計測法
■大腿骨長(FL)計測法
■胎児頭殿長(CRL)計測法
■胎児発育不全(fetal growth restriction;FGR)の診断
8 胎児付属物異常のスクリーニング法
a.チェック項目の正常像とチェックのポイント
1)胎盤
■胎盤付着部位は正常か
■胎盤実質に異常はないか
■胎盤後血腫・絨毛膜下血腫はないか
2)臍帯
■臍帯付着部位は正常か
■臍帯血管数は正常か
■臍帯捻転は正常か
■臍帯の位置は正常か
b.発見に至る可能性のある疾患
1)胎盤
■胎盤付着部位は正常か
■胎盤実質に異常はないか
■胎盤後血腫はないか
2)臍帯
■臍帯付着部位は正常か
■臍帯血管数は正常か
■臍帯捻転は正常か
■臍帯の位置は正常か
9 切迫早産のスクリーニング法
■子宮頸部の妊娠経過に伴う変化
■正しい子宮頸部の計測法
■早産予知
10 妊娠初期・中期の胎児染色体異常のソフトマーカー
■マーカーによる染色体異常のリスク推定(スクリーニング)
■初期の超音波マーカー
■nuchal translucency(NT)
■nasal bone(鼻骨)
■facial angle
■tricuspid flow(三尖弁血流)
■ductus venosus(静脈管)
■fetal heart rate
■中期の超音波マーカー
11 通常超音波検査で形態異常と誤解されやすい超音波像
■発生学に関する知識不足
■不適切な断面
12 よりよい画像を描出するためのコツ
■ブライトネスとコントラスト
■深度
■ズーム(拡大)
■深さごとのゲイン
■全体のゲイン
■フォーカス
■走査角
■周波数
■ハーモニックイメージング
▶ポケットサイズの超音波診断装置
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