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カールソン神経科学テキスト 原書13版
脳と行動
筆頭著者 中村 克樹(監訳) (監訳)
原著者 Neil R. Carlson,Melissa A. Birkett
丸善出版
電子版ISBN
電子版発売日 2023年1月9日
ページ数 808
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-621-30765-6
印刷版発行年月 2022年12月
書籍・雑誌概要
ヒトのさまざまな行動に脳がどのように関与し、いかに脳機能と情動が人間の振る舞いに影響を与えるのか。本書はカールソンという知の探究者によって執筆され改訂を重ねてきた。解剖学・生理学・心理学・行動科学・生物学・遺伝学・生化学などの知見を駆使し、その豊富な臨床例と最新の研究結果の蓄積量、ビジュアル解説においても他を寄せ付けない。
目次
1章 序 論
行動神経科学の基礎
研究の目指すところ
行動神経科学の起源
自然淘汰と進化
機能主義と形質の遺伝
ヒトの脳の進化
ヒトや動物を対象とした研究における倫理的問題
動物を対象とした研究
ヒトを対象とした研究
神経科学の未来:職業と学習方略
神経科学を活かした職業
学習方略
2章 神経系の細胞の構造と機能
神経系の細胞
神経系:概説
ニューロン
支持細胞
血液脳関門
ニューロン内の情報伝達
神経情報伝達:概説
軸索の電位
膜電位
活動電位
活動電位の伝導
ニューロン間の情報伝達
シナプスの構造
神経伝達物質の放出
受容体の活性化
シナプス後電位
シナプス後電位の影響:神経統合
シナプス後電位の終了
自己受容体
ほかのタイプのシナス
非シナプス性の化学的情報伝達
3章 神経系の構造
神経系の基本的特徴
解剖学的方向
髄膜と脳室系
中枢神経系の構造と機能
前脳:終脳
前脳:間脳
中脳:中脳
菱脳:後脳と髄脳
脊 髄
末梢神経系の構造と機能
脳神経
脊髄神経
自律神経系
4章 精神薬理学と神経伝達物質
精神薬理学の原理
精神薬理学の概要
薬物動態
薬物の有効性
繰り返し投与の影響
プラシーボ効果
薬物の作用部位
神経伝達物質の生成に対する作用
神経伝達物質の貯蔵と放出に対する作用
受容体に対する作用
神経伝達物質の再取込みや不活化に対する作用
神経伝達物質および神経調節物質
アミノ酸
アセチルコリン(ACh)
モノアミン
ペプチド
脂 質
5章 研究方法・研究戦略
実験的切除
脳損傷が行動に及ぼす影響の評価
脳損傷の作製
脳定位手術
組織学的方法
神経結合のトレーシング
生きているヒトの脳の構造の研究
神経活動の記録と刺激
神経活動の記録
脳の代謝やシナプスの活動の記録
ニューロン活動の操作
神経化学的研究法
特定の神経化学物質を生成するニューロンの同定
特定の受容体の局在の同定
脳内で分泌される化学物質の計測
遺伝学的方法
双生児研究
養子研究
ゲノム研究
標的突然変異
アンチセンスオリゴヌクレオチド
ゲノム編集
6章 視 覚
眼 球
感覚と知覚についての序説
刺激: 光
眼球の解剖
視細胞
情報変換
中心視と周辺視
視覚経路の概要
網膜から始まるその他の経路
視覚情報処理に関与する脳領域
外側膝状体
一次視覚野
高次視覚野
色の知覚
網膜神経節細胞の役割
網膜の役割
一次視覚野と高次視覚野の役割
形の知覚
一次視覚野の役割
高次視覚野の役割
空間位置の知覚
網膜の役割
一次視覚野と高次視覚野の役割
方位と動きの知覚
一次視覚野の役割
高次視覚野の役割
7章 聴覚,身体感覚,化学感覚
聴 覚
刺激: 音
耳の解剖
有毛細胞による聴覚情報の変換
聴覚経路
音の高さの知覚
音の大きさの知覚
音色の知覚
空間位置の知覚
複雑な音の知覚
音楽の知覚
前庭系
前庭器官の解剖
前庭経路
体性感覚
刺 激
皮膚の解剖と受容器官
皮膚刺激の知覚
体性感覚経路
痛みの知覚
味 覚
刺 激
味蕾と味細胞の解剖
味覚情報の知覚
味覚経路
嗅 覚
刺激および嗅覚器の解剖
嗅覚情報の変換
さまざまなにおいの知覚
8章 運動の制御
骨格筋
解 剖
筋収縮の物理的基盤
筋からの感覚フィードバック
脊髄による運動の制御
単シナプス性伸張反射
γ 運動系
多シナプス性反射
脳による運動の制御
運動関連皮質の構造
運動の計画と開始:運動連合野の役割
皮質下の構造
大脳皮質による運動の制御:下行路
複雑な運動行動
運動の模倣と理解:
ミラーニューロンシステムの役割
到達運動と把握運動の制御:頭頂葉の役割
巧緻運動の障害:失行と統合運動障害
四肢の失行
構成失行
統合運動障害
9章 睡眠と生体リズム
睡眠とは
睡眠ステージ
睡眠中の脳活動
なぜ眠るのか
睡眠の機能
徐波睡眠の機能
レム睡眠の機能
睡眠と学習
睡眠と覚醒の生理的機構
睡眠の神経制御
覚醒の神経制御
睡眠・覚醒の状態移行の神経制御
レム睡眠移行の神経制御
睡眠障害
不眠症
ナルコレプシー
レム睡眠行動障害
徐波睡眠に関連する問題
生物時計
サーカディアンリズムとツァイトゲーバー
視交叉上核
季節性リズムの制御:松果体とメラトニン
サーカディアンリズムの変化:交代勤務と時差ぼけ
10章 生殖行動と親行動
性発達
配偶子形成と受精
生殖器の発達
性成熟
ホルモンとフェロモンによる性行動の制御
女性生殖周期のホルモン制御
動物の性行動のホルモン制御
アンドロゲンの行動に対する形成作用:
男性化と脱女性化
ヒトの性行動
フェロモンの作用
性行動の神経制御
オスの性行動
メスの性行動
パートナーとの絆形成
性的志向性
ホルモンの活性化作用および形成作用
ステロイドホルモンの役割
性的志向性と脳
性的志向性における出生前環境の役割
遺伝と性的志向性
親行動
げっ歯類の母性行動
母性行動のホルモン制御
母性行動の神経制御
父性行動の神経制御
11章 情 動
恐 怖
情動反応の要素
動物を対象とした研究
ヒトを対象とした研究
攻 撃
動物を対象とした研究
ヒトを対象とした研究
攻撃行動のホルモン制御
衝動制御
腹内側前頭前野の役割
脳の発達と衝動制御
セロトニンと衝動制御
道徳的意思決定
情動コミュニケーション
表情による情動表出:生得的反応
情動コミュニケーションの神経基盤:認識
情動コミュニケーションの神経基盤:表出
感 情
James-Lange 説
情動表出からのフィードバック
12章 摂食行動
飲水行動
生理的調節機構
渇きの2 つのタイプ
渇きの神経機構
代謝とは何か
短期的貯蔵所
長期的貯蔵所
空腹期
吸収期
何が食事を開始させるのか
環境要因
胃要因
代謝信号
何が食事をやめさせるのか
短期的な満腹
環境要因
感覚要因
胃要因
腸要因
肝臓要因
インシュリン
脂肪組織要因
脳内機構
脳 幹
視床下部
肥 満
考えられる原因
治 療
摂食障害
考えられる原因
治 療
13章 学習と記憶
学習と記憶の概要
学習の種類
記憶の種類
刺激‒反応学習
古典的条件づけ
オペラント条件づけ
運動学習
大脳皮質の役割
大脳基底核の役割
知覚学習
大脳皮質の役割
知覚情報の短期記憶への保持
関係学習
海馬の役割
大脳質の役割
健 忘
海馬の役割
刺激‒反応学習
運動学習
知覚学習
関係学習
長期増強
長期増強の誘発
NMDA 受容体の役割
AMPA 受容体の役割
シナプス変化の役割
14章 コミュニケーション
言語の生成と理解:脳内機構
一側優位化
脳における言語の生成と理解
バイリンガル能力
プロソディ(韻律)
音声認識
言語の生成と理解の障害
言語の生成の障害:Broca 失語
言語の理解の障害:Wernicke 失語
伝導失語
聾者の失語
吃 音
読字と書字の障害
純粋失読
読字の理解に向けて
書字の理解に向けて
15章 発達段階の神経系
神経系の発達
脳の発達の概要
出生前の脳の発達
出生後の脳の発達
発達障害
有毒化学物質
先天性代謝異常症
Down 症
自閉スペクトラム症
症 状
遺伝要因と環境要因
脳の変化
注意欠如・多動症
症 状
遺伝要因と環境要因
脳の変化
16章 神経疾患
腫瘍と発作
腫 瘍
発 作
脳血管障害
原 因
治
外傷性脳損傷
原 因
治 療
変性疾患
感染性海綿状脳症
Parkinson 病
Huntington 病
筋萎縮性側索硬化症
多発性硬化症
認知症
Korsakoff 症候群
感染症による疾患
脳 炎
髄膜炎
17章 統合失調症と感情障害
統合失調症
解 説
遺伝要因
環境要因
統合失調症における異常
中脳辺縁系ドーパミン経路:陽性症状
中脳皮質系ドーパミン経路:陰性症状と認知症状
感情障害
解 説
遺伝要因
生物学的治療
前頭葉の役割
モノアミン仮説
セロトニントランスポーターの役割
ニューロン新生の役割
サーカディアンリズムの役割
18章 ストレスと不安障害
ストレス
ストレス反応の生理
長期間のストレスが健康に及ぼす影響
ストレスが脳に及ぼす影響
精神神経免疫学
心的外傷後ストレス障害
症 状
遺伝要因と環境要因
脳の変化
治 療
不安障害
症 状
遺伝要因と環境要因
脳の変化
治 療
強迫性障害
症 状
遺伝要因と環境要因
脳の変化
治 療
19章 薬物濫用
薬物濫用に共通の特徴
正の強化
負の強化
遺伝要因
アルコール
ニコチン
覚醒剤
濫用薬物に関連する脳内機構
オピエート
覚醒剤
ニコチン
アルコール
大 麻
薬物濫用の治療
オピエート
覚醒剤
ニコチン
アルコール
脳刺激法
用語解説
参考文献
索 引