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リハビリテーション職種のキャリア・デザイン

リハビリテーション職種のキャリア・デザイン
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筆頭著者 大町 かおり 高木 綾一 (編著)

シービーアール

電子版ISBN

電子版発売日 2020年5月4日

ページ数 146

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-908083-20-4

印刷版発行年月 2017年9月

DOI https://doi.org/10.32208/9784908083204

書籍・雑誌概要

資格があっても仕事が無い?!
これからの将来、リハビリテーション職種=PT・OT・STの雇用は不安定になり、労働市場において極めて熾烈な競争を強いられることになります。近い将来に生じるPT・OTの過剰供給、地域包括ケアシステムの推進、高齢者数の増加の頭打ち、ロボットテクノロジーなどの技術革新、国家財政のひっ迫等が、リハビリテーション職種に熾烈な競争を強いる原因となります。

不確かな時代の中で、不安を感じているリハビリテーション職種の方は少なくありません。
「長い将来、この仕事をやっていけるのか?」
「将来に漫然とした不安がある」
「自分がやりたいことがみつからない・・・」

将来の自分を思い描けていますか?
現代は、全てのリハビリテーション職種にとってキャリア開発の視点が不可欠な時代といえます。
リハビリテーション職種を目指す学生・若手が自分に向き合い、自分の人生を切り開くためのキャリア・デザインの方法論をわかりやすく解説します。

目次

序文 なぜキャリア・デザインが必要なのか
本書の使い方

第1章 リハビリテーション職種として働くということ

キャリアとキャリア・デザイン
1.今リハビリテーション職種のキャリア・デザインを提示することの意味
2.本書でのキャリア・デザインに対する姿勢

理学療法士・作業療法士の“定義”と療法士の資質について
1.“定義”と“法規”を再認識することの必要性
2.療法士の資質とリハビリテーションマインド

理学療法士・作業療法士として働くということ

第2章 リハビリテーション職種を取り巻く環境変化と課題

戦後から2000 年までの医療・介護情勢の変化
1.医療情勢の変化
2.介護情勢の変化

躍進する理学療法士と作業療法士(2000 年)
1.介護保険制度
2.回復期リハビリテーション病棟

医療保険の算定日数に制限、足りない分は介護保険で(2006 年度診療/介護報酬改定)
1.医療保険リハビリテーションの算定日数が制限される
2.介護保険にリハビリテーションの加算が新設されるP4P の衝撃!成果がなければ報酬も低下?!(2008 年度診療報酬改定)

医療保険から介護保険への移行が進む(2008 年度診療報酬改定と2009年度介護報酬改定)
1.医療保険リハビリテーションの拡充で“リハビリテーション難民”を解決
2.介護保険リハビリテーションへの移行が進む

新サービス「リハビリテーション特化型デイサービス」の誕生
1.リハビリテーション特化型デイサービスの誕生
2.リハビリテーション特化型デイサービスの普及

地域包括ケアシステムの考え方が反映される(2012 年度診療/介護報酬改定)
1.医療保険リハビリテーションの要件強化と減額が進む
2.介護保険リハビリテーションは「自立支援」「重症者対応」「在宅復帰」を重視

入院医療の役割強化と医療の在宅シフトが進む(2014 年度診療報酬改定)
1.入院医療における在宅復帰要件の新設
2.地域包括ケアシステムを支える地域包括ケア病棟の新設
3.予防リハビリテーションが認められたADL 維持向上等体制加算の新設
4.200 床未満の病院と診療所に求められた“かかりつけ機能”
5.重度者対応が強化された訪問看護ステーションの新設

活動・参加・自立支援が進む(2015 年度介護報酬改定)
1.「活動」と「参加」に焦点を当てたリハビリテーション
2.介護保険リハビリテーションの新たな役割

医療の在宅シフトが進む(2016 年度診療報酬改定)
1.急性期病棟と療養病棟の在宅復帰を評価する「退院支援加算」
2.リハビリテーションの効果の低い回復期リハビリテーション病棟への逆風
3.入院医療における認知症対応の推進

地域包括ケアシステムと理学療法士・作業療法士の在り方
1.地域包括ケアシステムにおける住まいの役割
2.地域包括ケアシステムの「住まい」から考える理学療法士・作業療法士の在り方
3.地域包括ケアシステムにおける医療の役割
4.地域包括ケアシステムの「医療」から考える理学療法士・作業療法士の在り方
5.地域包括ケアシステムにおける介護の役割
6.地域包括ケアシステムの「介護」から考える理学療法士・作業療法士の在り方
7.地域包括ケアシステムにおける生活支援・介護予防の役割
8.地域包括ケアシステムの「生活支援・介護予防」から考える

理学療法士・作業療法士の在り方

理学療法士・作業療法士のロールモデルの変遷とこれからの働き方
1.1960~1990 年 技術に熟練したセラピスト(Skilled Therapist)
2.1991~2010 年 科学的根拠に基づく理学療法・作業療法を実践できるセラピスト(Academic Therapist)
3.2011 年~ 組織・社会の課題解決に役立てる統合型のセラピスト(Integrated Therapist)
4.理学療法士・作業療法士の過剰供給問題
5.過剰供給でセラピストが勝ち残れる働き方

第3章 理学療法士・作業療法士のキャリア・デザインの実際キャリアとは何か

外的キャリアと内的キャリアとをバランスよく
1.相互依存から相互選択の時代へ
2.内的キャリアはストレスを軽減させる

キャリア理論を活用するデザイン
1.自分を理解する
2.働き方や生き方の課題を明確にする
3.望ましいキャリアを実現する

キャリア・デザインの進め方
1.「自己概念」とは
2.「職業的自己概念」について考えてみる
3.パーソナリティータイプを明確にする
4.パーソナリティータイプとキャリア・クラスターのマッチング
5.内的キャリア(キャリア・アンカー)を明確にする
6.「キャリア・アンカー」を診断する

キャリア・アンカーはキャリア・デザインの指針
1.パーソナリティータイプとキャリア・アンカーのどちらを使うか
2.自己決定と相互依存のバランスに配慮したデザイン
3.キャリアを自分の環境や利害関係者に適応させる(キャリア・サバイバル)
4.転機を乗り越えてキャリア形成する
5.人生の転機を乗り越える
6.偶然の出来事をキャリアに積極的に活かす

医療現場におけるキャリア・マネジメントの重要性――人材育成の視点から
1.「エンプロイメンタビリティー」と「エンプロイアビリティー」
2.キャリア・マネジメント
3.求職者の自己概念と自社の理念や事業内容を擦り合わせる
4.新人が専門性を学べるシステムを構築する
5.定期的に自己概念を確認して人事の参考にする
6.キャリア・デザイン教育を行う

3 つのワーク・シフトで主体的に未来を築く
1.「ゼネラリスト」から「継続的スペシャリスト」へ
2.「セルフ・マーケティング」で生き残り
3.「孤独な競争」から「協力・イノベーション」へ
4.「大量消費」から「情熱を傾けられる経験」

コラム
コラム1 経験年数3 年、25 歳、男性の理学療法士Aさん
コラム2 経験年数4 年、28 歳、男性の作業療法士Bさん
コラム3 経験年数6 年、30 歳、女性の作業療法士Cさん
コラム4 経験年数9 年、32 歳、男性の理学療法士Dさん
コラム5 経験年数15 年、39 歳、男性の理学療法士Eさん
コラム6 経験年数6 年、28 歳、女性の作業療法士Fさん

自分のキャリアをデザインしよう
事例①、②
事例③
事例④、⑤

第4章 多様な場で活躍するリハビリテーション職の先達たち

インタビュー① 西川正一郎 先生
 リハビリテーションの効果を多くの人に伝えたい―臨床で活躍する理学療法士
インタビュー② 松本浩実 先生
 臨床の疑問を解決すべく、研究者の道へ―研究で活躍する理学療法士
インタビュー③ 津﨑武志 先生
 最も心を砕いたのは「人の問題」―起業で活躍する作業療法士
インタビュー④ 木村圭佑 先生
 地域の介護予防事業に取り組む―教育で活躍する理学療法士
インタビュー⑤ 建木 健 先生
 挑戦を恐れず思いを実現する―NPO 法人で活躍する作業療法士
インタビュー⑥ 松山太士 先生
 “思った通りにはならないが、やった通りにはなる”―マネジメントに力を注ぐ理学療法士
インタビュー⑦ 吉澤隆治 先生
 自分の強みを生かす―企業内で活躍する理学療法士