書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
初学者のための神経心理学入門
筆頭著者 松田 実 (編著)
清山会医療福祉グループ顧問 いずみの杜診療所
新興医学出版社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年7月11日
ページ数 316
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-88002-916-0
印刷版発行年月 2022年7月
書籍・雑誌概要
患者の主訴だけでは症状を見落としやすい、用語が難しい、など、わかりにくく複雑と思われがちな神経心理学。
本書では、多様な症状を理解するための基本的な考え方から、言語や行為などの各神経心理症状、さらに画像の読影法や臨床でよくみる認知症患者の診かたについて各領域専門家が丁寧に解説。
症状への気づきを促し、患者や家族への説明や対応の指導、リハビリテーションにつながるプロセスを伝授します。
目次
推薦の言葉 (山鳥 重)
緒言 (松田 実)
第1章 神経心理学の基礎 (松田 実)
Ⅰ 脳構造と認知機能との関係─大まかな原則 12
Ⅱ 神経心理症状分析のための基本的な考え方 16
Ⅲ 高次脳機能の局在をめぐって 21
まとめと本書の構成 23
第2章 失語 (佐藤睦子)
Ⅰ 脳機能分化の観点から:言語野について 28
Ⅱ 失語症の定義:原因疾患があっての失語症 31
Ⅲ 歴史的観点から:温故知新 31
Ⅳ 失語症を構成する様々な症状:失語症は言語症状の寄せ集まり 34
Ⅴ 多言語話者の失語症 51
Ⅵ てんかん性失語 52
Ⅶ 神経変性疾患による失語症 53
Ⅷ 失語症タイプ:共通言語としての失語症タイプ 59
Ⅸ 言語聴覚療法から考える失語症:言語症状への対応 64
初学者への勧め 69
第3章 失行 (二村明徳)
Ⅰ 動作・行為を支える神経系 78
Ⅱ 運動系と感覚系 79
Ⅲ 大脳連合系 81
Ⅳ 頭頂連合野と動作障害 83
Ⅴ 習熟動作と模倣 88
Ⅵ 手指の巧緻運動 90
Ⅶ 習熟動作の解放現象 93
Ⅷ 大脳連合系の障害による高次運動障害 96
第4章 失認 (佐藤正之)
Ⅰ 失認の歴史 108
Ⅱ 失認のないことを確認するには… 108
Ⅲ 視覚・聴覚の認知過程の大原則:背側経路と腹側経路 109
Ⅳ 側頭極のはたらき 110
Ⅴ 失認の定義 111
Ⅵ 失認の脳内メカニズム 112
Ⅶ 失認の評価の基本 115
Ⅷ なぜ「失認は難しい」のか 116
Ⅸ 失認の分類 116
Ⅹ 視覚失認(visual agnosia) 118
Ⅺ 聴覚失認(auditory agnosia) 124
Ⅻ 触覚失認(tactile agnosia) 136
その他の認知障害 137
第5章 記憶障害 (今村 徹)
Ⅰ 記憶の分類と図式:脳損傷患者の記憶障害を理解するために 143
Ⅱ 記憶障害の患者と家族の診察,面接:行動観察と情報収集 149
Ⅲ 神経心理学的検査による近時記憶障害の評価 158
第6章 右半球症状 (太田久晶)
Ⅰ 空間性注意障害とその関連症状 172
Ⅱ 病巣対側上下肢に対する注意と認識の障害 181
Ⅲ 視覚性失認とその関連症状 191
Ⅳ 動作の制御の障害 195
Ⅴ 感情障害 197
第7章 数の障害 (松田 実)
Ⅰ 数処理や計算のモジュール性について 204
Ⅱ 数の概念について 205
Ⅲ 数処理の障害 207
Ⅳ 計算障害の分類 207
Ⅴ 失算をきたす病巣─特に右半球の関与について 209
Ⅵ 失算をきたす疾患 209
Ⅶ 数に関する定型的検査 209
Ⅷ 数に関わるその他の重要な臨床的事項 210
第8章 認知症 (長濱康弘)
Ⅰ 鑑別診断について 214
Ⅱ 皮質型認知症と皮質下型認知症 216
Ⅲ 主要な原発性認知症疾患 216
Ⅳ 認知症患者を診察する際のポイント 227
Ⅴ 診察の組み立て 228
Ⅵ 家族などの情報提供者への問診 234
Ⅶ 認知機能検査(神経心理学的検査) 241
Ⅷ 症例呈示─診察・検査結果の解釈のポイント─ 245
第9章 脳解剖の読影法 (藤井正純・二村美也子)
Ⅰ 大脳皮質の読影に適した画像 263
Ⅱ 脳表解剖と読影法 267
Ⅲ 白質解剖 283
Ⅳ 症例呈示 293
第10章 補遺 (松田 実)
はじめに:用語の問題─特に「作業記憶」について 300
Ⅰ 短期記憶と長期記憶の二重解離 301
Ⅱ 作業記憶の概念について 302
Ⅲ 神経心理学における二重解離や選択的障害の重要性 303
おわりに 305
INDEX 308