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パーキンソン病のDBS―術前評価,手術,術後のフォロー,その先へ
順天堂大学医学部脳神経内科教授/医学部附属練馬病院脳神経内科教授/順天堂大学医学部附属順天堂医院運動障害疾患病体研究・治療講座,脳神経外科特任教授
その他の著者等 服部信孝,下 泰司,梅村 淳,大山彦光,伊藤賢伸,波田野 琢,西川典子,小尻智子,加茂 晃,佐藤和命,伊澤奈々,岩室宏一,城 崇之,中村亮太,関本智子,佐々木芙悠子,小川 崇,山下由莉,中島明日香
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2021年6月15日
ページ数 157
判型 B5判
印刷版ISBN 978-4-498-32868-6
印刷版発行年月 2021年6月
書籍・雑誌概要
運動合併症をはじめとした,パーキンソン病の諸症状に劇的な効果をもたらす脳深部刺激術(DBS).パーキンソン病患者のQOLを向上させるための治療のひとつとして,DBSという選択ができるよう,基礎から実践まで系統的に解説した.パーキンソン病のDBS治療のすべてを網羅した決定版.
目次
イントロダクション〈下 泰司〉
Ⅰ章 DBSの実際
1.パーキンソン病に対するDBSの歴史〈梅村 淳〉
1.運動障害疾患に対する機能的脳外科治療の萌芽
2.定位脳手術法の発展
3.破壊術からDBSへ
4.手術法やデバイスの進歩
[Column]楢林博太郎先生について
2.パーキンソン病のDBS:これまでのエビデンス〈下 泰司〉
1.薬物治療との比較におけるエビデンス
2.ターゲットの違いによるエビデンス
3.長期成績
4.適切な導入時期について
3.DBSの適応(視床下核,淡蒼球内節,視床,PSAそれぞれについて)〈大山彦光〉
1.DBSの適応
2.視床下核(subthalamic nucleus:STN)?DBSの適応
3.淡蒼球内節(globus pallidus internus:GPi)?DBSの適応
4.視床内側腹側核(Vim)・posterior subthalamic area(PSA)の適応
5.適応評価の実際
4.術前の認知機能,精神症状の評価〈伊藤賢伸〉
1.問診
2.認知機能評価
3.精神症状の評価をどのように手術に生かすか
5.他のdevice aided therapyとの使い分け〈波田野琢,大山彦光,西川典子,下 泰司,服部信孝〉
1.進行期パーキンソン病の問題点
2.経腸的L?ドパ持続治療法について
3.経腸的L?ドパ持続治療法の問題点と脳深部刺激療法との比較
4.脳深部刺激療法と経腸的L?ドパ持続治療法との併用
6.DBSデバイスの選択〈梅村 淳〉
7.DBS手術手技〈梅村 淳〉
1.DBS手術の実際
[Column]マルチトラック法について
2.手術合併症とその対応
3.IPG交換手術について
8.看護ケアのポイント〈小尻智子〉
1.術前における看護
2.DBS療法の周手術期における看護
3.退院後の看護
4.DBS療法における多職種連携
9.様々な刺激方法〈梅村 淳〉
1.単極刺激と双極刺激
2.刺激パラメーターについて
3.複数コンタクトを用いた刺激方法
[Column]複数コンタクトを使用した刺激の実際
4.Directional stimulation
[Column]VTAの可視化について
5.Adaptive DBS
10.刺激開始方法,刺激調整方法〈加茂 晃,下 泰司〉
1.刺激導入のタイミング
2.刺激導入時のスクリーニング
3.刺激開始
4.中長期の刺激調整
11.術後の精神症状についての注意点〈伊藤賢伸〉
1.DBSに伴う精神症状
2.対処・治療
12.術後の薬物調整について〈下 泰司〉
1.なぜSTN?DBSのみが抗パーキンソン薬の減量が可能であるのか
2.STN?DBS後における薬物調整
3.薬剤減量のスピードについて
4.中長期的な薬剤調整
5.どのぐらい薬剤を減量できるか
13.術後のリハビリテーション〈佐藤和命,伊澤奈々〉
1.PDに対する理学療法
2.PDのDBS後のリハビリテーション
3.当院におけるDBS周術期リハビリテーション
4.DBS周術期のリハビリテーションにおける注意点
14.術後トラブルシューティング〈大山彦光〉
1.DBS患者に起こりうるトラブル
2.トラブルシューティングの手順
3.トラブルシューティング時の刺激最適化のポイント
15.その他の運動障害疾患に対するDBS:振戦,ジストニア〈岩室宏一〉
1.振戦
2.ジストニア
16.Case Study
[Case 1.]運動合併症にSTN?DBSが有効であった症例〈城 崇之〉
1.症例
2.考察
[Case 2.]典型的GPi?DBSの症例〈中村亮太〉
1.症例
[Case 3.]STN?DBS導入後の難治性diphasic dyskinesiaと刺激誘発性dyskinesiaに対してGPi?DBSの追加が奏効した症例〈関本智子,大山彦光〉
1.症例
2.考察
3.結論
[Case 4.]Device?aided therapy導入の適応選択:DBSかLCIGか?〈佐々木芙悠子〉
1.症例1
2.症例2
3.考察
[Case 5.]Directional stimulationを用いたGPi-DBSにより良好な不随意運動コントロールが得られたGNAO1関連運動障害の17歳女性例〈小川 崇,山下由莉,下 泰司〉
1.背景
2.症例
3.考察
Ⅱ章 DBSの基礎と発展性
1.パーキンソン病の病態生理学〈岩室宏一〉
1.大脳基底核の生理
2.パーキンソン病の病態生理
3.各症状の発現機序
2.脳深部刺激療法の効果発現機序〈中島明日香,下 泰司〉
1.基底核運動回路の基本的な構造と機能
2.パーキンソン症状の病態生理
3.DBSの作用機序
4.DBS効果の動態
5.Adaptive DBS
3.精神疾患に対する応用と現状〈中島明日香,下 泰司〉
1.強迫性障害に対するDBS
2.うつ病に対するDBS
3.トゥレット症候群に対するDBS
4.精神疾患に対するDBSの効果作用機序
4.その他の疾患に対するDBSの可能性〈岩室宏一〉
1.てんかん
2.アルツハイマー病
3.疼痛
4.耳鳴
5.その他
索引