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ゼロから始めるパーキンソン病診療
筆頭著者 川上 忠孝 (著)
文光堂
電子版ISBN
電子版発売日 2022年2月7日
ページ数 232
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-8306-1545-0
印刷版発行年月 2016年10月
書籍・雑誌概要
パーキンソン病診療の専門家である著者が,かかりつけ医が行うパーキンソン病患者のフォローアップのコツと注意点,専門医の処方の組み方の解釈,パーキンソン病に合併する様々な疾患(がん,糖尿病など)の管理や,専門医との連携の仕方などを解説.疑うべき症候から診断,治療,ケアまで,かかりつけ医に必要なパーキンソン病診療の実際をまとめる.「コラム」,「雑談」が随所に盛り込まれて,読み物としての楽しみもある1冊.
目次
1章 パーキンソン病とは
1 はじめに:パーキンソン病の疫学など
2 パーキンソン病の4大徴候
1 安静時振戦
2 筋固縮
3 無動・寡動
4 姿勢反射障害
3 Hoehn‐Yahr重症度,PD患者への説明など
4 パーキンソン病の原因
5 Braak仮説について
2章 パーキンソン病の歴史
1 James Parkinsonの著書『An Essay on the Shaking Palsy』
1 James Parkinson(1755‐1824)
2 Charcotによる再評価とGowersのreview
1 Jean Martin Charcot(1825‐1893)
2 William Gowers(1845‐1915)
3 病理学的裏付け
1 Friedrich Heinrich Lewy(1885‐1950)
2 その後の研究
4 この30年間でのパラダイムシフト
1 『診断できるが治療法がない』時代
2 疾患概念の変化
3 PD治療薬の歴史
3章 発症前から早期にかけてのパーキンソン病
1 PDは慢性に経過する疾患である
2 病前性格
3 発症前に認められる症候
1 レム睡眠期行動異常(RBD)
2 便 秘
4 初発症状と4大徴候
5 4大徴候以外のPDの徴候
1 仮面様顔貌,脂漏性顔貌
2 歩行障害
3 小字症
4 Myerson徴候,Westphal徴候
5 その他の徴候(構音障害,協調運動障害など)
4章 初期~中期にかけてのパーキンソン病
1 典型的経過
1 患者の受診理由
2 パーキンソニズムの定義とPDの診断基準
3 診断を補完するための画像検査(核医学検査)
4 発症初期~中期の症状
2 PDのhoneymoon period(蜜月期)
3 かかりつけ医で診るか,専門医が診るか?〜かかりつけ医と専門医の連携
1 病診連携のあり方
2 PDにおける病診連携
5章 パーキンソン病治療のポイント
1 薬物治療
1 古典的薬剤
2 ドパミン系薬剤
3 非ドパミン系薬剤
2 忘れてはいけない合併症:悪性症候群
3 専門医の処方の組み方
《症例1》発症時から治療を継続している症例
《症例2》発症後20年経過し,wearing‐off・on‐offやジスキネジアが目立つ症例
《症例3》当初から抑うつ・不安症状が強く,病的賭博を呈した症例
4 PDに対する外科療法:特に脳深部刺激療法(DBS)の適応について
1 DBSの概要
2 外科療法の適応/非適応
3 DBSによる症状の変化
5 PDに対するリハビリの適応や方法など
1 病初期からのリハビリと動機づけ
2 中期以降のPDに対するリハビリの意義
3 運動療法の実際
4 姿勢異常に対する傍脊柱筋トレーニングの実際
6 今後の治療薬の見通し:disease‐modifying therapyなど
6章 精神症状と非運動症状
1 認知症を認めるとき,どう考えるか
2 認知症を伴うパーキンソン病(PDD)とLewy小体型認知症(DLB)
1 PDD,DLBの概念
2 DLBの臨床的特徴
3 PDDでの精神症状
4 DLBの「薬剤に対する過敏性(効きすぎ)」
3 抗パ剤の副作用による非運動症状
1 ドパミンアゴニストの副作用による衝動制御障害(ICD)
2 ドパミンアゴニストの副作用による反復常同行動punding
3 ドパミンアゴニストの副作用によるドパミン調節異常症候群(DDS)
4 パーキンソン病の手術療法と認知症
1 視床腹中間核(Vim)破壊術
2 脳深部刺激療法(DBS)
《症例1》術前の精神症状に気付かずSTN‐DBSを施行した女性例
《症例2》術前に軽度脳萎縮を呈しており,術後に認知症・脳萎縮が進行した女性例
7章 パーキンソン病の鑑別診断
1 非変性疾患によるパーキンソニズム
1 血管性パーキンソニズム(VaP)
2 薬剤性パーキンソニズム(DIP)
3 中毒性パーキンソニズム
4 脳炎後パーキンソニズム
5 脳外科的疾患などによるパーキンソニズム
2 神経変性疾患によるパーキンソニズム
1 多系統萎縮症(MSA)
2 大脳皮質基底核変性症(CBD)
3 進行性核上性麻痺(PSP)
8章 中期~後期以降のパーキンソン病
1 どのような合併症が出現してくるのか?
1 感覚障害/疼痛・しびれ感
2 睡眠障害
3 疲 労
2 運動系合併症
1 症状の日内変動
2 不随意運動
3 ジストニア
4 歩行障害
5 姿勢異常
6 嚥下障害・流涎など
3 進行期症状
1 排尿障害
2 便秘・消化管機能異常
3 発汗異常
4 起立性低血圧
9章 パーキンソン病に併発しうる疾患・終末像
1 PDに併発しうる疾患:生活習慣病の視点から
1 PDと糖尿病
2 PDと体重変化(特に減少)
3 PDと高血圧
2 PDの終末像は?
1 PD終末像までの自然経過
2 PD終末像の精神症状
3 どこまで治療を行うべきか?〜治療の中止・治療内容の変更〜
1 認知症(PDD)の悪化のため,内服アドヒアランスが低下してきた
2 嚥下障害のため,内服が困難になってきた
3 運動症状が進行し,内服治療などにもかかわらず寝たきり(H‐Y5度)になった
4 金銭的問題で,高価な薬剤の投与を続けられなくなった
5 自宅での介護力の低下により,施設入所せざるをえなくなった
4 パーキンソン病の死因
《症例》体重減少が膵癌発見のきっかけとなったPD症例
附録 パーキンソン病と公的扶助
1 公的支援としての難病医療費助成制度
1 難病医療費助成制度とは?
2 支給認定の申請のしかた
3 臨床調査個人票の記載のしかた
2 介護保険制度
3 身体障害者福祉法
4 書類作成の事務的な事項について
附録資料①「臨床調査個人票(新規)」の記載のしかた
附録資料②「臨床調査個人票(更新)」の記載のしかた
索 引
COLUMN
“ lead ”とLed Zeppelin
PD患者はノックしてから入室する?
貧乏ゆすりについて
『レナードの朝』にまつわる話……
初期のパーキンソン病を疑うときとは?
パーキンソン病とプラセボ効果
パーキンソン病の予防につながる?
狐に化かされた……?
PDと類縁疾患の鑑別のポイント