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認知症の医学と法学

認知症の医学と法学
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筆頭著者 村松 太郎 (著)

慶應義塾大学医学部精神・神経科准教授

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2018年12月31日

ページ数 402

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-498-22904-4

印刷版発行年月 2018年5月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498229044

書籍・雑誌概要

民事訴訟や刑事事件には「判例」というテキストが存在し,ある人間のある時点における行動及びその経緯が克明
かつ客観的に記録されている.本書では,来るべき高齢化社会においてより重視されるであろう疾患「認知症」に焦
点を当て,「法」の立場からまとめられた判例を症例報告として使用し,「法」「医」それぞれの見地を横断しな
がら認知症についての論考を重ねた.新たな視点を切り開く「医学と法学」シリーズ第三弾.

目次

民事篇
 第1章 財産被害
  Case 1 意思能力 妻・長男 vs 長男の嫁
   解説 意思能力の相対性
  Case 2 公序良俗 保佐人 vs 不動産会社
   解説 これはさすがに許せない
  Case 3 錯誤 養子 vs 不動産会社
   解説 認知機能低下の波紋
 第2章 養子縁組
  Case 4 一審。縁組は有効。
  Case 5 二審、逆転。縁組は無効。
   解説 人間関係の機微
 第3章 遺言能力
  Case 6 長男 vs 次男。遺言有効。
   解説 死者の認知機能
  Case 7 甥vs他人。遺言無効。
   解説 人間関係の総合判断
  Case 8 母vs次女。遺言有効。
   解説 揺れる意思、揺れる認知機能
 第4章 徘徊事故
  Case 9 屋外での凍死
   解説 損害賠償論と医療・介護
  Case 10 他害としての鉄道事故
   解説 しかし責任は蒸発した
 第5章 自動車運転
  Case 11 症状としての自動車運転事故
   解説 二重の葛藤を越えて
 第6章 脳損傷
  Case 12 交通事故後のアルツハイマー病発症
   解説 原因も誘因も
  Case 13 交通事故後せん妄、そして認知症
   解説 因果の射程
  Case 14 高次脳機能障害
   解説 診断不能の判断根拠
  Case 15 画像所見なき脳損傷
   解説 司法的判断か医学的判断か
  Case 16 アメリカンフットボール選手集団訴訟
   解説 頭部外傷の遅発性後遺症―慢性外傷性脳症

刑事篇
 第7章 刑事責任能力
  Case 17 老老介護殺人 心神耗弱
   解説 刑事責任能力と精神鑑定
  Case 18 前頭葉障害と窃盗 心神耗弱
   解説 距離感の錯覚
 第8章 前頭側頭型認知症
  Case 19 夫殺し 完全責任能力
   解説 なぜ水はあふれたのか
  Case 20 漬物泥棒 心神喪失
   解説 脳科学にときめく刑事法廷
  Case 21 リンゴ泥棒 完全責任能力
   解説 一定の中の真実
  Case 22 大型ディスカウントショップ連続放火事件 完全責任能力
   解説 脳と倫理と責任能力
 第9章 訴訟能力
  Case 23 アルツハイマー病。公判停止。
   解説 訴訟能力とは
  Case 24 コルサコフ症候群。公判停止。
   解説 法廷を駆ける認知機能
  Case 25 公判停止19年、裁判打ち切り
   解説 永続する一時停止
 終 章 法と医を結ぶ認知機能