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よくわかる睡眠時無呼吸の診かた,考えかた
筆頭著者 富田 康弘 (著)
虎の門病院睡眠呼吸器科 医長
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2023年6月14日
ページ数 347
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-13062-3
印刷版発行年月 2023年6月
書籍・雑誌概要
睡眠時無呼吸の知識を系統立ててやさしく解説.正しく理解し実践力に繋がる入門書.
睡眠時無呼吸の知識を,最新のガイドライン・エビデンスを踏まえて解説した.Part1から順番に通読すれば,基礎となる確固たる土台ができあがり,その上により深い知識を身に付けられるように工夫した.既に診療やケアに携わっている医療者については,気になるPartから読み進めても構わない.曖昧であった知識がクリアに整理され,実践に使えるものに進化するだろう.睡眠時無呼吸の対応に自信がつく,頼れる1冊だ.
目次
Part 1 睡眠診療の土台づくり─SASとは何か─
CHAPTER 1 SASの歴史
1.SAS診断の歴史
2.SAS治療の歴史
3.SAS治療が日本に広まった経緯
本書における用語の整理
1.病名の呼び方
2.病名の読み方と用法
3.検査の分類
4.イベント指数
CHAPTER 2 OSAの病態
1.上気道の狭小化
2.上気道開大筋の反応性
〔コラム〕生理的な呼吸と陽圧呼吸
3.呼吸の不安定性
CHAPTER 3 OSAの診断基準
1.ガイドライン
2.OSAの診断基準
3.呼吸イベントの判定
CHAPTER 4 OSAの疫学
1.OSAの有病率
2.OSAの加齢変化
3.国内外の違い
4.男女の違い
5.OSAが引き起こす病気
Part 2 OSA診療のエッセンス─基本ストラテジーを築く─
CHAPTER 1 疑うきっかけ
1.症状から疑う
〔コラム〕眠気と疲れの違い
2.客観的所見から疑う
3.基礎疾患・事故リスクから疑う
CHAPTER 2 問診と診察のポイント
1.眠気の評価をしてみよう
〔コラム〕「眠いですか?」という質問に「はい」と答えることが難しい世の中です
2.睡眠の質を評価してみよう
3.日常生活の機能を評価してみよう
4.総合的な評価をしてみよう
CHAPTER 3 OSAの検査
1.睡眠を見る
2.呼吸を見る
3.睡眠を判定する
4.呼吸イベントを判定する
5.検査の分類
6.PSG検査
7.簡易モニター
8.実践的な検査の流れ
〔検査レポートの数値を解釈するときの注意点〕
CHAPTER 4 OSAの治療
1.CPAP療法
2.OA治療
3.減量指導
〔コラム〕食事と運動のバランスを考えるときの誤解
4.そのほかの治療
CHAPTER 5 そもそもなぜ治療するのか?
1.症状のために治療する
2.合併症管理のために治療する
3.予防・予後を考えて治療する
〔コラム〕CPAPは予後を変えることができるのか?(SAVE試験,RICCADSA試験,CERCAS試験)
4.事故リスクを考えて治療する
CHAPTER 6 治療後の経過観察
1.CPAPのアドヒアランス向上を考える
〔コラム〕CPAP療法の遠隔モニタリング
2.再検査を考える
3.治療の中止を考える
〔コラム〕やる気で習慣は生まれない
Part 3 OSA診療の実践─非専門医のためのサポーターのすすめ─
CHAPTER 1 検査を外部委託しよう
1.簡易モニターを外部委託しよう
2.PSG検査を外部委託しよう
CHAPTER 2 医療連携を活用しよう
1.PSG検査における医療連携
〔コラム〕PSG検査実施施設の探し方
2.CPAP療法における医療連携
〔コラム〕スリープケアステーション
3.OA治療における医療連携
〔コラム〕OSA治療のためのOA作製が可能な歯科医・歯科医院の探し方
4.その他の診療科との連携
Part 4 非典型例の診療─いつもと違う患者さんに出会ったら─
Question 1 中枢性無呼吸に遭遇したら?
1.中枢性睡眠時無呼吸の分類
2.診断名・呼吸イベントとしての閉塞性・中枢性の分類
〔コラム〕私の無呼吸は閉塞性ですか? 中枢性ですか?
3.過換気が中枢性無呼吸の原因となる
4.さまざまなタイプの中枢性睡眠時無呼吸の病態
5.中枢性睡眠時無呼吸の自覚症状
6.心不全に合併する中枢性睡眠時無呼吸に対する治療アプローチ
〔症例(1)〕心不全に合併するCSA-CSB
〔コラム〕心不全患者のCSAは治療すべきなのか?(CANPAP試験,SERVE-HF試験,ADVENT-HF試験)
Question 2 CPAP療法中に中枢性無呼吸が出現したら?
1.治療時に出現するCSA
2.CSAが出現する原因
3.治療時に出現するCSAの対処法
〔症例(2)〕治療開始後にCSAが出現した肥満OSA
〔症例(3)〕CPAP療法継続中に出現した原因不明のCSA
Question 3 酸素飽和度が低いまま回復しないときにもOSAを疑う?
1.酸素飽和度の考え方
2.そもそも低換気とは
3.低換気を生じるメカニズム
4.肥満肺胞低換気症候群(OHS)
〔症例(4)〕肥満に合併する低換気
5.身体疾患による睡眠関連低換気
〔症例(5)〕肺疾患に合併する低換気
Question 4 呼吸イベントを生じていないように見えるのにOSAを疑う?
1.酸素飽和度低下が目立たないOSA
〔症例(6)〕簡易モニターで過小評価された痩せ型OSA
2.気流減弱が目立たないOSA
〔コラム〕「良いいびき」と「悪いいびき」
Question 5 中年の肥満男性だけがなる病気ではないのでしょうか?
1.小児もOSAになるのでしょうか?
2.高齢者もOSAになるのでしょうか?
3.女性もOSAになるのでしょうか?
Part 5 睡眠診療に役立つ知識─もっと知りたい人へ─
CHAPTER 1 睡眠衛生
1.必要な睡眠時間
2.眠気・睡眠不足の解消方法
〔コラム〕寝溜めは有効か?
3.体内時計
4.生活習慣を見直す
5.睡眠環境を見直す
CHAPTER 2 CPAPについて詳しくなる
1.機器選択
2.マスク選択
3.圧設定
〔症例(7)〕治療により呑気症が出現した痩せ型OSA
〔症例(8)〕治療中に残存AHI(閉塞性)が増加した肥満OSA
〔症例(9)〕治療中に残存AHI(中枢性)が増加した心不全を合併するOSA
4.加温・加湿オプション
CHAPTER 3 睡眠検査における波形の読み方
1.典型OSA症例のPSG検査結果
2.ヒプノグラムを読み解く
3.PSGで見るOSAの多様性
4.酸素飽和度から深読みする
5.体位に注目する
6.睡眠ステージに注目する
CHAPTER 4 睡眠時無呼吸以外の睡眠の病気を疑う
1.不眠症
2.過眠症
3.リズムの病気
4.睡眠時の随伴症と運動障害
Part 6 OSAの合併疾患─他領域からOSAを疑い治療する─
1.高血圧症
2.心房細動
3.虚血性心疾患
4.うっ血性心不全
〔コラム〕フルイドシフト
5.脳血管障害
6.慢性閉塞性肺疾患(COPD)
7.気管支喘息
8.慢性咳嗽
9.慢性腎臓病(CKD)
10.2型糖尿病
11.脂質異常症
12.認知機能障害
13.気分障害
14.胃食道逆流症(GERD)
15.鼻炎
Part 7 患者さんとのやりとりから学ぶ─診察室を覗いてみよう─
Q1 呼吸が長く止まっていたら死んでしまうのでしょうか?
Q2 日帰り手術で無呼吸が治療できると聞きました
Q3 検査の日はぜんぜん眠れませんでした
Q4 家で検査できると聞きました
Q5 私はなぜ無呼吸なのでしょうか?
Q6 CPAPを着けると眠れなくなります
Q7 CPAPを着けていると無呼吸がよくなりますか?
Q8 CPAPはいつまで続けるのでしょうか?
Q9 CPAPは何時間着ければよいですか?
Q10 CPAPは出張にも持って行った方がよいのでしょうか?