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喘息治療薬の考え方,使い方 ver.2
筆頭著者 滝澤 始 (著)
杏林大学呼吸器内科教授
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2020年4月13日
ページ数 400
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-13005-0
印刷版発行年月 2020年4月
書籍・雑誌概要
一筋縄ではいかない喘息治療の極意をこの上なくわかりやすく,しかも実践的に解説した好評書の改訂増補版.Ver.2では『喘息予防・管理ガイドライン2018』(JGL2018)に完全対応.新規配合薬,抗コリン薬,分子標的薬,特異的免疫療法薬などの薬剤情報を追加し,全体にわたってブラッシュアップした.喘息治療薬を使いこなすために必要な知識を凝縮した珠玉の一冊.
目次
目次
第1部 喘息を深く知ろう
第1章 喘息に関するミニ歴史
1.喘息治療のやりがい
2.なかなか進まなかった吸入ステロイドの普及
3.長らく主流だった気管支拡張薬による治療と喘息死の関連
4.喘息は増えているか?
5.喘息はなぜ増えている?
6.発症因子としてアレルゲンや細菌・ウイルス感染症が推定される
7.喘息死について
第2章 喘息の病態とは
1.喘息病態の理解の移り変わり:機能的疾患から炎症性疾患へ
2.アレルギー性気道炎症の意義
3.気道炎症を起こす病態? Th2サイトカインの役割
4.気道リモデリングとは? その重要性は?
5.気道リモデリングのメカニズムは?
6.喘息における気道上皮と間葉系細胞の相互関係
7.気道平滑筋細胞と肥満細胞のクロストークが重要
8.喘息の末梢気道病変とその意義
9.自然免疫と自然リンパ球の役割
第3章 診断について
1.喘息の正しい治療は,まず正しい診断から
2.今回のケースでなぜ前医により喘息と診断されたのか?
3.「おかしいな」と思ったら躊躇せずに「初心」に戻る
第2部 喘息の薬に強くなる
第1章 吸入ステロイド薬
1.喘息治療に革命をもたらした吸入ステロイドの有効性
2.吸入ステロイドの有効なしくみ
3.吸入ステロイドの具体的な使用法:いつから使うべきか?
4.吸入ステロイドの具体的な使用法:どう使い分けるべきか?
5.吸入ステロイドの副作用は?
6.吸入ステロイドは気道リモデリングに有効か?
第2章 長時間作用性β2刺激薬(LABA)
1.LABAの治療における位置づけ
2.LABAの実際的な使用法:配合薬アドエアの登場
3.配合剤シムビコートの登場
4.現状の4つの配合剤と今後の選び方
第3章 ロイコトリエン受容体拮抗薬
1.最新ガイドラインで明確になった喘息治療での位置づけ
2.LTRAはどういうとき使うべきか?
3.喘息治療でのLTRAへのこだわり
4.LTRAの玄人的な使い方
5.LTRAのもつさまざまな可能性
6.LTRAは先を見越した治療!?
第4章 抗コリン薬(スピリーバを中心に)
1.抗コリン薬の種類と特徴を知ろう
2.ACOにおける抗コリン薬
3.抗コリン薬スピリーバの喘息での使い方
第5章 テオフィリン薬をいかに使うか?
1.テオフィリンの喘息治療薬としての歩み
2.テオフィリンの不思議:なぜ効くのか?
3.テオフィリン凋落の歴史
4.気管支拡張薬から抗炎症薬へ
5.現在におけるテオフィリンの位置づけ
第6章 その他の喘息の薬
1.個性あふれるその他の喘息の薬たち
2.いわゆる抗アレルギー薬はどう使い分ければいいか
3.いろいろな局面で思い出したいクロモグリク酸ナトリウム
4.地味だが深いもち味のトシル酸スプラタスト(アイピーディ)
5.文字通りのその他の抗アレルギー薬
6.漢方薬はどんなとき使う?
第7章 抗体製剤
1.わが国初の生物製剤オマリズマブ(ゾレア)
2.ゾレアの臨床的な有効性
3.副作用は?
4.ゾレアの使用の実際は?
5.ゾレア使用法のさまざまな疑問
6.抗IL-5抗体メポリズマブ「ヌーカラ」の登場
7.ヌーカラを考慮すべき症例とは?
8.抗IL-5受容体α抗体ベンラリズマブ「ファセンラ」の登場
9.ファセンラの特徴
10.抗IL-4/13受容体抗体デュピルマブ「デュピクセント」
11.デュピルマブの有効性
12.デュピルマブの特徴
13.4つのバイオ製剤の使い分けは?
第8章 特異的免疫療法
1.免疫療法は国際的に認知されている特異的な根治療法
2.免疫療法にはどんなものがあるか
3.特異的免疫療法の実際
4.免疫療法はなぜ効くのか?
5.注目される舌下免疫療法
6.他の療法との併用効果は??
7.免疫療法の近未来像
第3部 喘息治療のプロになる
第1章 発作への対処:まずはエッセンスを理解しよう
1.発作に対する治療エッセンス
2.急性発作の考え方:重症発作の場合
第2章 慢性期治療を開始!
1.まずは基本を押さえよう
2.吸入ステロイドの導入は果断に
3.大事なのはアフターケア
4.ステップアップのしかた
5.喘息のコントロールをどう評価するのか?
6.コントロール不良と判定された場合は?
7.ステップダウンは必要か?
第3章 実際的な問題
1.難治性喘息
2.高齢者喘息への対応
3.ACO(asthma-COPD overlap)
4.妊娠と喘息
5.咳喘息の問題
第4章 喘息のプロになるための章
1.慢性期管理の実際的な問題で悩んだ時は
2.病態の理解に関するモヤモヤ
3.未来の治療のためのモヤモヤ:抗喘息薬の開発をどう進めるべきか?
第5章 最後に喘息治療のコツを
索引
ちょっとウンチク
➀ 知ってますか? 疫学研究の言葉:ケースコントロール研究とコホート研究
② 気管支喘息は増えている
③ 衛生仮説の最近事情
④ 大気汚染は喘息の増悪・発症因子になりうるか?
⑤ 英国学説とオランダ学説の今日的な意味
⑥ 気道過敏性試験
⑦ one airway, one disease:total allergistをめざして
⑧ 喘息にβ刺激薬はオールマイティーか?
⑨ total agonist? partial agonist?
⑩ ロイコトリエンの代謝経路酵素の遺伝子変異と有効性:tailor-made therapyの可能性
⑪ 免疫療法:知っている? アレルゲン診断法のさまざま
⑫ さらにウンチク:アレルギー反応の4つの分類を知っていますか?
⑬ 吸入したらかえって「苦しい!」:paradoxical bronchoconstrictionのなぞ
⑭ エー,喘息で代謝性アシドーシス?
⑮ 気道炎症の評価法
⑯ 慢性期の治療:各種ガイドラインを比べてみよう
⑰ 気管支温熱療法(bronchial thermoplasty: BT,気管支サーモプラスティ)について
⑱ 運動誘発性喘息:スポーツと喘息医療
⑲ LABAのtailor-made治療は可能なのか?
⑳ 難治性喘息の研究展開:何がどうわかってきたか?
㉑ COIって知ってますか?