書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
医師×看護師×臨床心理士 緩和医療コミュニケーション相談室
筆頭著者 西 智弘 武見 綾子 福島 沙紀 (著)
川崎市立井田病院腫瘍内科部長・一般社団法人プラスケア代表理事/川崎市立井田病院看護部がん看護専門看護師/一般社団法人プラスケア 臨床心理士・公認心理士
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2024年2月29日
ページ数 200
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-05738-8
印刷版発行年月 2024年2月
書籍・雑誌概要
正解なき問題を「構造化」.医療コミュニケーションの新しいバイブル.
厳しい状況の患者や患者家族と関わる医療者は,日々「正解なき難題」にぶつかる.本書では実際に寄せられた難題に,緩和ケア専門医,がん看護専門看護師,臨床心理士が会話を重ね,迷いながら答えにたどり着こうとする様子が書かれている.彼らの思考の流れや問題をとらえる視点が,一つとして同じものはない難題を解決するヒントとなるだろう.特に,対人関係を「構造化」した図は必見.コミュニケーションの新バイブルだ.
目次
医師×看護師×臨床心理士
緩和医療コミュニケーション相談室
目 次
1 患者の在宅死の希望を叶えられず後悔する訪問看護師
2種類の後悔
当初の希望と違っても、決断は患者さんの意志
自分自身の後悔に答える:責める気持ちが自身を苦しめる
看護師は「家族のように」なりやすい
訪問看護師から病院看護師に情報提供を求める手段は?
2 「医師を許せない」娘を看取った母の怒り
医療者にとっては「良い発言」が患者・家族を傷つける
決めつけや先入観の前に「話を聞く」
多様性への想像力は教育可能か?
そもそも「想像力が足りない」とはどういうことか
「溝はある」と知ってからの看護の力
3 モルヒネ使用をめぐるチームスタッ
見解の違いに悩む医師
医療者の倫理観の違い
倫理的問題として、関わってもらう人を増やす
多方面から光を当てる
医師は決して「オールマイティな存在」ではない
「ありがとう」と言えると、相談が増える
4 家庭内での治療方針の違いに揺れる家族
「治療するかどうか」より、まず味方になってほしい
家族の歴史と力動に目を向ける
専門家と気軽につながれる場があるといい
5 緩和ケアチームの関わり方に違和感を
他科医師
意味あるコンサル、意味ないコンサル
チームと主治医・病棟看護師はそもそも対立構造を作りやすい
まず、共感してほしい
カンファレンスをするという「システム」に落とし込む
コラム 原因は患者さんの中にある?
6 患者さん・家族の怒りに自信をなくした若手看護師
直線的因果律と円環的認識論
「何かをしたい」患者さんへの回答はひとつとは限らない
先輩や師長の力を借りてもよい
新人とベテランのコミュニケーションの違い:怒りはチャンス
7 患者さんと家族の現状改善の理想に悩む訪問看護師
困っているのは本当に患者なのか
医療者の考える「理想」
良い意味でこの家族システムに「巻き込まれて」ほしい
看護師はコンサルテーションを受けられるのか?
救世主妄想にとらわれる
看護師には自分のケアを評価・言語化する習慣がない?
ぼくらのナイチンゲール論
コラム 自分を消す、看護師の専門性
8 患者さんと家族の意見対立に悩む病棟看護師
なぜ帰りたい? なぜ帰ってきてほしくない?
コラム 自分の感情に気づく
本人と家族が自分たちで選べるように、働きかける
患者と家族の間に立つのがアドボカシーではない
コラム ショートストーリー あな
「僕の人生は君に任せた」と言われたら?
9 終末期患者への鎮静対応に悩む病棟看護師
どうして鎮静できないのか? その理由を探る
10 一般病棟で行える緩和ケアに葛藤
病棟看護師
どうして特別扱いできないのか? その理由を探る
その環境でできることをする
アフタートーク