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緊急対応 外科手技マニュアル
筆頭著者 嵩下 英次郎 (著)
友愛医療センター副院長
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2023年5月12日
ページ数 165
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-05110-2
印刷版発行年月 2023年5月
書籍・雑誌概要
瀕死の患者さんを救命するために知っておくべき基本手技とTips!
目の前に呼吸困難で気管切開が必要な瀕死状態の患者がいたとき,医師として救命に必要な外科的な処置ができるだろうか.本書はそのような場面においても自信をもって処置が行えるようになるための手技とTipsを豊富な経験と知識をもつ著者が,わかりやすい図解と写真で丁寧に解説する実践的な書.研修医はもちろん,当直や救急に携わる医師が知っておくべき内容が凝縮された外科手技マニュアル.
目次
Section 0
医療安全について
針刺し事故を防止するために
Section 1
挿管困難で呼ばれた時に何ができますか?
Airway(A の異常時)の緊急手技
挿管困難時の緊急気管切開手技(輪状甲状靭帯切開術)
トラブルシューティング,合併症回避法
Section 2
胸腔チューブ挿入が必要な時に安全な手技ができますか?
Breathing(B の異常時)の緊急手技
胸腔チューブ挿入手技による死亡事故が発生している
胸腔チューブ挿入手技
アスピレーションキットの安全な挿入手技
再膨張性肺水腫
抜去時の工夫
Section 3
心タンポナーデの緊急時に呼ばれたら何ができますか?
Circulation(C の異常時)の緊急手技
剣状突起下心囊開窓術
トラブルシューティング
Section 4
緊急開胸の適応を知っていますか?
緊急開胸の適応と手技,大動脈クランプ手技
開胸の基本手技
大動脈クランプ法
緊急開胸の適応—手術までの救命処置
Section 5
消化管出血時に外科医にできること・できないことを知っていますか?
消化管出血の外科手技
吐血で内視鏡的止血が不可能な場合
大量出血時,救命のためには外傷治療の応用を行う
大動脈十二指腸瘻,腹部大動脈瘤気管支瘻
下血で内視鏡的止血が不可能な場合
小腸出血ショック症例の提示
下血の原因が視診でわかる?
Section 6
緊急開腹の適応を知っていますか?
緊急開腹手術の適応とヘルニアの緊急
汎発性腹膜炎
抗がん剤治療中の腹痛─大腸多発穿孔
腹腔内遊離ガス(free air)を認めた場合
門脈ガスを認めた場合
気腫性腸管を認めた場合
気腫性胆囊炎を認めた場合
鼠経・大腿嵌頓ヘルニアの場合
閉鎖孔ヘルニアの場合
傍十二指腸ヘルニアの場合
Section 7
イレウスに苦手意識はないですか?
開腹手術の適応を的確に判断しよう
腸閉塞は誤診されやすい
誤診をなくす方法
腸管壊死の原因は2 つある
CTで造影されていても腸管壊死は起きている
腸閉塞で腹水が出るのはなぜか
腸閉塞の開腹手術に迷った場合
クローズドループ
腸管麻痺で手術?
一元的に考える:症例提示
Section 8
見逃されやすい急性腹症(外科疾患)を知っていますか?
常に頭に入れておく疾患と見逃さないコツ
見逃されやすい急性腹症とは
上腸間膜動脈(SMA)血栓塞栓症
腹痛を含むkiller disease の非典型例を見逃さないコツ
腹部平坦軟で,腸蠕動もよく聞こえるのに超緊急?
SMA 血栓塞栓症の診断
絞扼性腸閉塞
造影CT で診断可能な見逃されやすい急性腹症
SMV 閉塞
横隔膜ヘルニア嵌頓
手術は開腹か開胸か
Section 9
外傷治療に苦手意識はないですか?
外傷ショックはシンプルに考えて行動しよう
外傷治療の基本的な考え方
緊急性気胸,心タンポナーデ,開胸の適応は?
鈍的腹部外傷患者の手術適応は?
鋭的胸部外傷患者の手術適応は?
鈍的腹部外傷患者の手術適応は?
通常の手術との違い:ダメージコントロール
見逃されやすい外傷性損傷
Section 10
1回の手術で救命できない状況をどう乗り切りますか?
Open abdominal managementと2nd look operation
腹部コンパートメント症候群の治療とopen abdominal management
Open abdominal management について
NOMI の診断・治療と2nd look operation
Section 11
患者の予後を左右する簡単な手技ができますか?
外科系医師でなくても行ってほしい手技
壊死性筋膜炎と蜂窩織炎を鑑別する
患者を失明から救う簡単な手技
Section 12
Q&A 役立つかもしれない豆知識
救急室や当直で役立つかもしれない知識
Q1 「クラッシュ開腹」とは何か?
Q2 救命手術に時間制限はあるか?
Q3 ダメージコントロール手術を腹腔内汚染手術へどう応用する?
Q4 手のひらの外傷で「no man’s land」とはどこを指すか?
Q5 顔を痛がり泣きわめく子どもで見逃せない緊急事態は?
Q6 顔面の緊急疾患・他科コンサルト疾患・見逃しやすい疾患は?
Q7 胸部(肺・食道・縦郭)再手術の適応は?
Q8 肺全摘出後に「咳と同時に濁った水を吐いた」と来院したら?
Q9 腹腔内出血時に腹部所見はどうなる? 腹膜刺激症状は?
Q10 S 状結腸捻転と上行結腸捻転をレントゲンで見分けるには?
Q11 腹部再手術の適応は?
開腹手術回避や入院回数につながる情報
Q12 膀胱破裂を疑ったら全例手術する?
Q13 虫垂膿瘍形成時の手術で再手術を予防するには?
Q14 虫垂炎と憩室炎を問診で見分けられるか?
Q15 肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis 症候群)を疑ったら?
Q16 腸閉塞と便秘の問診での見分け方は?
Q17 患者が「下痢」といったら腸炎と診断してよいか?
Q18 Free air,門脈ガスを認めたらどうする?
Q19 腸閉塞で開腹するかどうか迷った時の最終手段は?
Q20 腸管脱出を免れる閉腹方法は?
重症患者救命のための手技いろいろ
Q21 腸は切りっぱなしでよいか?
Q22 穿孔腸管は炎症のない部分で吻合すれば大丈夫か?
Q23 腸間膜も自動吻合器で切ったら速いか?
Q24 人工肛門を開けずに手術を終了することはあるか?
Q25 腸管を切開して管腔内から止血してもよいか?
Q26 専用機材がない状況で大動脈圧迫を行うには?
Q27 開腹前に開胸することがあるか?
Q28 開腹前にIABO/REBOA を挿入することがあるか?
Q29 肝動脈出血時にはどう対応するか?
Q30 右半結腸授動時に出血したらどうする?
Q31 静脈出血はどのように止血するか?
Q32 動脈出血はどのように止血するか?
Q33 限られた道具で肺出血を一時止血するには?
Q34 硬い肺を縫合するにはどうするか?
Q35 横隔膜はどんな方法で縫合すればよいか?
Q36 心臓ヘルニアを予防する心膜縫合の注意点は?
あとがき