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緊急度を見抜く!
バイタルサインからの臨床推論
筆頭著者 山内 豊明 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-65032-8
電子版発売日 2023年6月5日
ページ数 160
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-05032-6
印刷版発行年月 2023年5月
書籍・雑誌概要
急変! その予兆はバイタルサインに現れる。
急変のサインは、呼吸数や呼吸のリズム、脈拍や血圧の変化に現れます。その変化を捉え、緊急度を見極める力は看護師に不可欠です。器械に頼らず、見て、触れて、聴いて、患者さんの状態を知る。数値の意味を考える。次にすべきことを判断する。しなくていいことを捨てる。──この一連の思考過程こそが臨床推論。臨床推論とフィジカルアセスメントの目的が、この1冊でつながります。
目次
はじめに──臨床推論とは何か
Chapter1 基本は生命を維持すること──何はなくともまずはバイタル!
1 急変対応のカギは,酸素供給を守ること
2 「酸素の供給ができているか」をどうみるか
3 どこからが「急変」? 判断のポイントはやはり呼吸・循環
4 急激な乏尿が「急変」のサインである理由
5 酸素化の総合的指標,チアノーゼの有無とSpO2の値が示すもの
6 SpO2の値だけみても二酸化炭素の様子はわからない
7 酸素流量を上げたら,患者さんをしばらくは1人にしない!
8 バイタルサインはそもそも五感で把握できる
Chapter2 呼吸から緊急度を見抜く──回数とリズムから素早く緊急度を判断する
1 呼吸数の異常はどこからが「急変」のサインか
2 呼吸数が増えるとなぜ危ない?
3 呼吸パターンの変化は緊急性が高い
4 呼吸パターンの変化によって障害部位が推定できる
5 呼吸音は換気の状態をダイレクトに反映する
6 呼吸音の変化で急変のサインを見抜く
Chapter3 脈拍から緊急度を見抜く──心電図がなくても危険な不整脈は見抜ける
1 気にしなくていい不整脈もある
2 徐脈性不整脈は脈をとるだけで整理ができる①
3 徐脈性不整脈は脈をとるだけで整理ができる②
4 徐脈性不整脈は脈をとるだけで整理ができる③
5 徐脈性不整脈は脈をとるだけで整理ができる④
6 心室性の頻脈性不整脈は要注意
7 どこから心電図と付き合うか
8 「脈がしっかりしている」は安心?
Chapter4 血圧から緊急度を見抜く──緊急時は大ざっぱに数値を把握する
1 緊急時に血圧計はいらない
2 見た目だけでショックは判断できない
3 脈圧が増大していれば,意識や脈拍も注意深く確認を!
4 血圧の左右差,上下肢の差が重要なサインのことがある
Chapter5 体温から緊急度を見抜く──「普段」との違いと経時的な変化が判断のカギ
1 体温は「普段」との違いと変化をみる
2 体温の上昇とともに呼吸数も増えたら,敗血症を考える
Chapter6 意識レベルから緊急度を見抜く──急変に関わる第5のバイタルサイン
1 意識レベルを測るスケールはあれこれ使わなくていい
2 GCSは意識障害の程度をクリアに点数化する
3 JCSは意識障害の状態像を感覚的に伝える
4 意識障害は何より「緊急度」を優先する
5 病巣が脳幹に及んでいないかをみる
6 対光反射をみることで脳幹の機能を素早く確認できる
7 瞳孔不同は脳ヘルニアのサイン
Chapter7 バイタルサインを組み合わせて判断する──「バイタルサイン・ツインズ」という考え方
1 2つのバイタルサインを組み合わせて評価・判断する
Chapter8 急変時にバイタルサインを活用する──情報を整理・活用し,“段取りよく”動く
1 急変時のアセスメントの段取りを考える
2 迅速判断──パッと見て,触れて判断する
3 1次評価──欠けたら困るもの,待てないものを押さえる
4 2次評価──原因に関係するような情報を集める
5 バイタルサインの変化から急変を予測する
6 情報を正しく伝達する
Chapter9 臨床推論の進め方──臨床推論の道筋と目的を整理する
1 直感的か,網羅的か?「迷路」で考える臨床推論の道筋
2 緊急時は直感的判断で駆け抜ける
3 網羅的判断は「理詰め」で考える
4 網羅的判断に欠かせない理論的根拠
5 効率的に原因を絞り込む
6 経験に基づく「証拠」から判断する
7 臨床推論の目的に立ち返る
Appendix 「急な症状」からの臨床推論
1 生命の危機に結び付く頭痛を見分ける
2 生命の危機に結び付く胸痛を見分ける
3 生命の危機に結び付く腹痛を見分ける
4 生命の危機に結び付く呼吸困難を見分ける
索引