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性感染症のみかた,考えかた
性の健康を守るアプローチ
筆頭著者 水島 大輔 (著)
国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2024年6月25日
ページ数 120
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-02152-5
印刷版発行年月 2024年6月
書籍・雑誌概要
性感染症の診断と適切な対応がよくわかる
「性病」だけでなく「性の健康」を重視し,性に関するネガティブなイメージを払拭することが,性感染症の対策を進めるために重要!
急増する梅毒をはじめ,クラミジアや淋菌,HIVなど各種疾患について必要な情報をわかりやすくまとめた,プライマリケアや公衆衛生の現場でも役立つ性の健康を守るためのポジティブハンドブック.性感染症は,何か悪いことをしたからなるものではありません.当事者が自責の念に駆られる必要はなく,医療者が怖がったり,陰性感情を持つ必要もありません.正しく知れば,性感染症は防げる・治せる!
目次
はじめに
1 性の健康(sexual health)について
1 性の健康について
▶性の健康とは
▶「性の健康」の考え方:理念的観点から
・基本的人権,well-beingとしての性
・性に関する情報へのアクセスの重要性
・性感染症の検査・治療のアクセスの重要性
・性の健康の考え方と医師・医療者の心構え
▶「性の健康」の考え方:米国での議論から見る具体的な方向性
・性の健康のパラダイムの採択:米国全米アカデミーズによる提言
・国内の現状を踏まえた「性の健康」サービスの担い手
2 性感染症について(総論)
2 性感染症について(総論)
▶頻度の多い性感染症の特徴,検査法による簡単な分類
▶誰にどうアプローチするか
▶症状から見る性感染症の考え方
・尿道炎
・子宮頚管炎,おりものの量・性状の変化
・咽頭炎
・直腸炎
・皮疹
・全身症状
3 性感染症について(各論)
1 淋菌
▶症状
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
COLUMN 1.うがいで性感染症が予防・治療できるか?
2 クラミジア感染症
▶症状
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
3 マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症
▶症状
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
COLUMN 2 マイコプラズマ・ホミニス,ウレアプラズマは治療が必要?
4 (膣)トリコモナス症
▶症状
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
5 梅毒
▶症状
・早期梅毒
・後期(三期)梅毒
・無症候性梅毒(早期および後期)
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
COLUMN 3 治療後いつから性行為を再開してよいか?
6 HIV
▶症状
▶診断
▶治療・薬剤耐性
▶予防・公衆衛生
7 その他の(性)感染症
▶単純ヘルペスウイルス:HSV
▶B型肝炎ウイルスおよびA型・C型肝炎ウイルス
▶ヒトパピローマウイルス:HPV
▶赤痢アメーバ症
▶細菌性膣症・カンジダ膣炎
▶亀頭包皮炎
8 新興性感染症としてのエムポックス(旧サル痘)
▶症状
▶診断
▶治療
▶薬剤耐性
▶予防・疫学
4 性の健康の増進に向けて具体的に何ができるか
1 性の健康増進に向けた基本的な考え方
▶当事者の主体性の重要性
▶性の健康とエビデンス
▶地域・集団の疫学エビデンスの重要性
▶トップダウン的アプローチの役割とパターナリズムの問題点
▶拡大するボトムアップ的アプローチの担い手とトップダウン的アプローチとの連携
2 性の健康の情報提供・教育
▶エビデンスに基づいた科学としての性教育
▶医療現場におけるセルフケアと性の健康の普及
3 検査
▶検査の現状の枠組み
▶無料検査:HIV・梅毒の検査対象の疫学情報に基づいた明確化・最適化
▶無料検査の匿名性と疫学データとしての活用化
▶低額検査における郵送検査・self-testのソーシャルビジネス的な取り組みの可能性
4 治療・予防
▶partner notificationとexpedited partner therapy(EPT)
▶PrEP導入の性の健康の推進へのインパクト
▶細菌性性感染症の積極的な予防戦略(Doxy PEP,MenBワクチンなど)
5 性感染症の未解決課題
1 淋菌・クラミジアの見逃しをなくす混合検体検査
2 ドキシサイクリンによる曝露後予防内服
3 淋菌の予防ワクチン
おわりに
索 引