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シチュエーションで学ぶ
輸液レッスン 改訂第2版
筆頭著者 小松 康宏 (著者) 西﨑 祐史 (著者) 津川 友介 (著者)
メジカルビュー社
電子版ISBN 978-4-7583-7305-0
電子版発売日 2016年12月12日
ページ数 256
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-7583-1770-2
印刷版発行年月 2015年4月
書籍・雑誌概要
最新の情報を盛り込み,読者が苦手とする部分をより強化してわかりやすく解説した改訂第2版。研修医と指導医の会話から,具体的な輸液の考え方,実際の投与量を解説。臨床現場をイメージしやすいシチュエーションで典型例を示し,輸液が必要なケースや注意点がわかりやすい構成になっている。「コラム」には新しい考え方も記載。ちょっとしたコツ・アドバイスも随時盛り込み,実践で使いやすい,研修医が一から輸液を学ぶのに最良の書籍。「輸液」が苦手な方でも一人で実践できるようになる!
目次
プレテスト あなたの輸液の実力は?
第1章 輸液の基本
総体液量は体重の60%, 血液量は体重の約7.5%
輸液の目的はNa と水の補充
輸液製剤の代表選手は生理食塩水と自由水(5%ブドウ糖液)
1L の生理食塩水を投与すると250mL が血管内に残る!
1L の自由水を投与してもわずか83mL しか血管内に残らない!
応用編:低張液(ソリタT3®)1L を投与したときの体内分布を考えよう!
1日に必要な水分は体重(kg)× 30mL
1価のイオン1mmol は1mEq(メック),2価のイオン1mmol は2mEq になることを覚えておこう
高ナトリウム血症があれば脱水,なければ細胞外液量欠乏とよぶ
「脱水」(細胞外液量欠乏)状態かをみたければ患者さんの脇,舌,爪など身体をくまなく診察する!!
ショックの初期輸液には等張液を投与する
輸液の投与量と投与速度を決めるには? −1日当たりの投与量をイメージしよう
輸液量を増やしても尿量がまったく増えてこない患者さんの場合,輸液負荷がかえって状態を悪くする場合がある
第2章 電解質,酸塩基平衡
・Na・水バランス
腎臓でのNa と水調節メカニズムを理解する
浮腫の原因は,①静水圧上昇,②膠質浸透圧低下,③血管透過性亢進,④リンパ灌流不全
全身性浮腫の治療では,まず食塩を制限する
利尿薬は尿細管でのNa 再吸収を阻害し,Na と水の排泄を促進する
ループ利尿薬はヘンレループ太い上行脚で作用する最強の利尿薬
サイアザイド系は遠位尿細管で作用するマイルドな降圧利尿薬
アルドステロン遮断薬(K 保持性利尿薬)はループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬との併用で効果が増強する
急性重症低ナトリウム血症は致死的な病態! 慢性低ナトリウム血症はQOL 低下を生じる!
低ナトリウム血症をみたら,まずは本物か偽物かを見極める!
低浸透圧性低ナトリウム血症であれば,まずは水中毒を除外!
水中毒を除外したら,細胞外液量に注目する!
術後患者にみられる低ナトリウム血症は医原性ともいえる−漫然と維持輸液を処方し続けてはならない
下痢にみられる低ナトリウム血症 −原因はNa 喪失といってよいのだろうか
SIADH の診断をマスターしよう
低ナトリウム血症の治療にあたっての考え方
重篤な神経症状がある高度低ナトリウム血症に対する緊急補正
症状が軽微な慢性低ナトリウム血症に対する治療の進め方−細胞外液量欠乏を伴う低ナトリウム血症
SIADH の低ナトリウム血症をどのように治療するか
高ナトリウム血症の原因は口渇中枢の異常,尿濃縮力障害,水分摂取量低下である
高ナトリウム血症の診断
高ナトリウム血症の治療法をマスターしよう
・K バランス
血漿K 濃度は①食事や輸液からのK 摂取(intake),②細胞内外のK 移動,③腎臓からのK 排泄(output)のバランスによって調整されている
腎臓のK 排泄量は,Na の摂取量に影響される
利尿薬を服用中の患者さんでは低カリウム血症に注意
低カリウム血症の鑑別診断の進め方
点滴でK 補充するときには20mEq / 時以内の投与速度にする
高カリウム血症は,① K 摂取過剰,② K 排泄障害,③ 細胞外へのK 移動のどれかで起こっている
高カリウム血症をみたら,① K 再検査,② 心電図モニター,③ 治療の緊急性を判断
高カリウム血症の緊急治療
・酸塩基平衡
酸塩基平衡を理解する
Henderson-Hasselbalch の式を理解しよう
動脈血ガスはステップワイズ法で読む! 練習あるのみ!
動脈血ガスの代償性変化は,マジックナンバー(1.2,0.8,0.4)だけ覚えればすべて読めるようになる!
高アニオンギャップ性代謝性アシドーシスの原因は,KUSSMAL-P で覚える!
補正HCO3- を計算して隠れた代謝性アルカローシスを見つける
正AG 性代謝性アシドーシスをみたら尿AG を計算する
代謝性アシドーシスの原因を理解しよう
代謝性アシドーシスの治療法 −安易にメイロン® を使用してはいけない
・その他(Ca,P,Mg)のバランス
Ca は生体にかかすことのできない重要なミネラルである
低リン血症は,心不全,呼吸不全の原因になる!
意外に見落とすMg 欠乏 − Mg はルーチンに測定するべき必須元素! 微量元素ではない!
第3章 特殊な病態のマネジメント
・心不全の輸液
体液過剰のある心不全患者に輸液をしてもよいのでしょうか?
左室駆出率が保たれている心不全(HFpEF)に気をつける
・腎不全の輸液
腎不全患者では尿量に応じて輸液処方を調整する
腎不全患者では過剰投与にならないよう注意する
コラム
体水分量は年齢,性別によっても異なります
血漿の分布 − 動脈血はわずか600mL !
体液恒常性(ホメオスタシス)とは?
人が1日に必要とする最低Na 量は600mg
初期輸液という言葉を考えてみよう
乳酸リンゲルと酢酸リンゲルの違い
なぜ生理食塩水のNa 濃度は154mEq/L なのか?
張度と浸透圧の違いは?
輸液量を増やしたら腎不全を予防できるか?
静水圧(せいすいあつ;hydrostatic pressure)
スピロノラクトンの用量
マラソンランナーの水中毒
MRHE とは?
利尿薬(diuretics)と利水薬(aquaretic)
SIADH 患者の過剰水分量を求める式
時間あたり0.33mEq/L(24 時間あたり8mEq/L)の速度で低ナトリウム血症を治療するには,時間あたり体重×1.5mL の自由水を排泄させればよい
欧州腎臓学会・臨床内分泌学会の新たな低ナトリウム治療ガイドライン− 低ナトリウム血症治療のパラダイムシフト
低張性低ナトリウム血症の治療例(欧州ガイドラインに準ずる)
グリセオール® で高ナトリウム血症になるのはNa 負荷のせい?
高ナトリウム血症にならない塩分の摂取許容量は?
浸透圧利尿があるかどうかの基準が750mOsm なのはなぜでしょう?
なぜ補正に5%ブドウ糖液を用いるのか?
尿崩症などで引き続く大量の自由水喪失がある場合にどうするか−自由水クリアランスの計算方法
K 摂取と血圧の関係は?
ROMK,Maxi-K って何?
輸血と血漿K 濃度の異常
透析患者では腸管からのK 排泄が増加する
低アルブミン血症とアニオンギャップ
ΔAG/ΔHCO3-(デルタ・デルタ)
尿アニオンギャップ
代謝性アルカローシスを維持する原因 − 多くは有効循環血漿量の低下!
ベースエクセス(base excess:BE)とは?
Stewart 法:酸塩基平衡を解釈する物理化学的アプローチ
透析患者のTPN−Ca,P,Mg は微量元素ではなく必須元素