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シチュエーションで学ぶ

輸液レッスン 第3版

輸液レッスン 第3版
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筆頭著者 小松 康宏(著者) 西﨑 祐史(著者) 津川 友介 (著者)

メジカルビュー社

電子版ISBN

電子版発売日 2021年3月22日

ページ数 316

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7583-1782-5

印刷版発行年月 2021年3月

DOI https://doi.org/10.18885/9784758317825

書籍・雑誌概要

「読みやすさ」「理解しやすさ」にさらにこだわった充実の第3版!
①研修医と指導医の会話からシチュエーションをイメージし,
 その後の解説でぐんと理解が深まるという構成はそのままに,
 つまづきやすいところはさらに噛み砕いて解説しました。
②「実際にはどう投与するの?」の声にもお応えし,症例とともに具体的な処方例を追加。
③最新の文献・知見に合わせて改訂し,「グリコカリックス」「SGLT2阻害薬」など輸液にまつわる話題も豊富に盛り込みました。
④「Advance」(専門医試験に対応)の項目を追加。基本からのステップアップもサポートします。
⑤津川先生の最新コラムも載っています。
「輸液は苦手」が「ひとりでできる・もっとできる」に変わる,実践的な一冊です!

目次

プレテスト あなたの輸液の実力は?

第1章 輸液の基本・輸液の実際
・輸液の基本
 総体液量は体重の60%, 血液量は体重の約7.5%
 輸液の目的はNaと水の補充
 輸液製剤の代表選手は生理食塩液と自由水(5%ブドウ糖液)
 1Lの生理食塩液を投与すると250mLが血管内に残る。5%ブドウ糖液なら83mLしか血管内に残らない
 1Lの自由水を投与してもわずか83mLしか血管内に残らない!
 低張液(ソリタ®-T3)1L投与後の体内分布を考えよう
 1価のイオン1mmolは1mEq(メック),2価のイオン1mmolは2mEqになることを覚えておこう

・輸液の実際
 高ナトリウム血症があれば脱水,なければ細胞外液量欠乏とよぶ
 「脱水」(細胞外液量欠乏)状態かをみたければ患者さんの脇,舌,爪など身体をくまなく診察する!
 輸液療法の基本は,初期アセスメントとモニタリング
 輸液の投与量と投与速度を決めるには?−1日当たりの投与量をイメージしよう
Advance
 有効循環血液量減少,有効動脈血液容量,細胞外液量欠乏,脱水について
 生理食塩液の浸透圧は308でなく286mOsm/kg・H2Oなのはなぜ?

第2章 電解質,酸塩基平衡
・Na・水バランス
 腎臓でのNaと水調節メカニズムを理解する
 浮腫の原因は,①静水圧上昇,②膠質浸透圧低下,③血管透過性亢進,④リンパ灌流不全
 全身性浮腫の治療では,まず食塩を制限する
 利尿薬は尿細管でのNa再吸収を阻害し,Naと水の排泄を促進する
 ループ利尿薬はヘンレループ太い上行脚で作用する最強の利尿薬
 サイアザイド系は遠位曲尿細管で作用するマイルドな降圧利尿薬
 鉱質コルチコイド受容体拮抗薬(K保持性利尿薬)はループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬との併用で効果が増強する
 急性重症低ナトリウム血症は致死的な病態! 慢性低ナトリウム血症はQOL低下を生じる!
 低ナトリウム血症をみたら,まずは本物か偽物かを見極める!
 低浸透圧性低ナトリウム血症であれば,まずは水中毒を除外!
 水中毒を除外したら,細胞外液量に注目する!
 術後患者にみられる低ナトリウム血症は医原性ともいえる−漫然と維持輸液を処方し続けてはならない
 下痢にみられる低ナトリウム血症 −原因はNa喪失といってよいのだろうか
 SIADHの診断をマスターしよう
 低ナトリウム血症の治療にあたっての考え方
 重篤な神経症状がある高度低ナトリウム血症に対する緊急補正
 症状が軽微な慢性低ナトリウム血症に対する治療の進め方−細胞外液量欠乏を伴う低ナトリウム血症
 SIADHの低ナトリウム血症をどのように治療するか(正攻法)
 高ナトリウム血症の原因は口渇中枢の異常,尿濃縮力障害,水分摂取量低下である
 高ナトリウム血症の診断
 高ナトリウム血症の治療法をマスターしよう
  考えよう!
Advance
 トルバプタンは集合管に作用する「水利尿薬」
 SGLT2阻害薬は近位尿細管に作用し利尿作用を伴う新規経口血糖降下薬!
 グリコカリックスと改訂Starlingの法則
 脱塩現象(desalination)生食を投与すればするほど低Na血症が進行する!?
・Kバランス
 血漿K濃度は①食事や輸液からのK摂取(intake),②細胞内外のK移動,③腎臓からのK排泄(output)のバランスによって調整されている
 腎臓のK排泄量は,Naの摂取量に影響される
 利尿薬を服用中の患者さんでは低カリウム血症に注意
 低カリウム血症の鑑別診断の進め方
 K補充は経口投与が原則。点滴補充は適応を十分に検討すること
 高カリウム血症は,① K摂取過剰,② K排泄障害,③細胞外へのK移動のどれかで起こっている
 高カリウム血症をみたら,①K再検査,②心電図モニター,③治療の緊急性を判断
 高カリウム血症の治療法
Advance
 腎臓のK調節機序
 RAA系阻害薬服用患者にみられる高カリウム血症の管理
・酸塩基平衡
 酸塩基平衡を理解する
 Henderson-Hasselbalchの式を理解しよう
 動脈血ガスはステップワイズ法で読む! 練習あるのみ!
 動脈血ガスの代償性変化を予測する
 3つのSTEPで血液ガスを解釈する
 AGの増加は代謝性アシドーシスの存在を示している。高AGアシドーシスの鑑別はKUSSMAL-P
 補正HCO3−を計算して隠れた代謝性アルカローシスをみつける(ステップワイズの3)
 代謝性アシドーシスの原因を理解しよう
 代謝性アシドーシスの治療法 −安易にメイロン®を使用してはいけない
Advance
 酸塩基平衡異常の解釈法:Boston学派,Copenhagen学派,Stewart法
 静脈血液ガス,静脈血[HCO3−],総CO2含量
 尿アニオンギャップ
・そのほか(Ca,P,Mg)のバランス
 Caは生体にかかすことのできない重要なミネラルである
 低リン血症は,心不全,呼吸不全の原因になる!
 意外に見落とすMg欠乏−Mgはルーチンに測定するべき必須元素! 微量元素ではない!
Case Review
 電解質異常の初期治療
  低ナトリウム血症
  高ナトリウム血症
  低カリウム血症
  高カリウム血症
  高カルシウム血症

第3章 特殊な病態のマネジメント
・心不全の輸液
 体液過剰のある心不全患者に輸液をしてもよいのでしょうか?
 左室駆出率が保たれている心不全(HFpEF)に気をつける
・腎不全の輸液
 腎不全患者では尿量に応じて輸液処方を調整する
 腎不全患者では過剰投与にならないよう注意する
Advance
 急性心不全の初期輸液−病態評価を通じて治療(輸液)の方針を考えよう
 造影剤腎症予防
 終末期患者に対する輸液
 輸液スチュワードシップ:適正な輸液療法をめざす質改善活動
 医療の質と安全

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