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これから始める腹部エコー
プローブ走査と描出のコツ、注目すべき所見をおさえる
筆頭著者 丸山 憲一(編著) 八鍬 恒芳(著者) 工藤 岳秀(著者) 三塚 幸夫 (著者)
メジカルビュー社
電子版ISBN 978-4-7583-7200-8
電子版発売日 2016年12月12日
ページ数 244
判型 A4
印刷版ISBN 978-4-7583-1587-6
印刷版発行年月 2015年10月
書籍・雑誌概要
現在,腹部エコーは腹部領域の検査の第1選択となっており,腹部の診療に欠かすことのできない検査である。「無侵襲検査」であるため,多くの医師,技師が検査を行っているが,実際は正確に画像を描出し,診断に役立てられていない場合も多い。“とりあえずの腹部エコー”,“とりあえずの画像”では診断を下すことができず,重要や所見を見落としてしまうことも少なくなく,検者の技術力の高低により差が出る検査といえる。
本書は腹部エコーを使いこなすために必要な基礎知識,技術をまとめ,どのように考え腹部エコーに取り組めばいいのか,再現性を高めるためにはどのようなテクニック,技術が必要なのかを解説し,若手医師,技師のバイブルとなる書籍である。
類書のなかで最も優しくわかりやすい書籍として,「絵本のような教科書」を目指し,肝臓,胆囊・胆管・胆道系,膵臓,腎臓・副腎,婦人科系にわけて,実臨床で役立つよう構成されている。
目次
◉腹部エコー関連略語集
Ⅰ腹部エコーの基礎の基礎 まずは基礎知識を押さえよう 八鍬恒芳
解剖
腹部エコーの種類と適応疾患
超音波の基礎
超音波機器の設定
プローブ走査の基本
Ⅱ腹部エコーの実践教習—検査法の実際—
1肝臓・脾臓 丸山憲一
①解剖
脈管
肝臓の正常超音波像
脾臓の解剖
脾臓の正常超音波像
②心窩部走査 基本断面
心窩部縦断走査
心窩部横断走査
③心窩部縦断走査
④心窩部横断走査
⑤右肋弓下横断走査
基本断面①
基本断面②
肝の見落としやすい場所
横隔膜直下(ドーム下)の観察法のコツ
プローブの持ち方
⑥体位変換の功罪
⑦右肋弓下縦断走査 基本断面
プローブ走査
⑧肝腎コントラストの観察
⑨右肋間走査 基本断面
⑩右肋間走査 基本断面の検査法
⑪右肋間走査 プローブの位置と持ち方
肋間走査でのプローブ走査のコツ
肋間走査での呼吸調節
肝の計測方法①大藤らによる評価法
肝の計測方法②羽鳥らによる評価法(当院による計測法)
肝の計測方法③左葉計測時の注意点
肝の計測方法④右肋弓下走査での肝右葉計測時の注意点
⑫左肋間走査 基本断面
脾臓における超音波検査の意義
⑬脾臓の計測
疾患説明
びまん性肝疾患における観察のポイント
肝サイズ
肝辺縁の評価
肝表面の評価
実質エコーレベル,エコーパターン評価
肝内脈管の評価
肝外所見
①びまん性肝疾患(脂肪肝)
病態
超音波像
NAFLDとNASH鑑別の試み
異所性還流による脂肪肝の限局性の低エコー域や高エコー域
限局性低脂肪化域(focal spared area)の注意点
②びまん性肝疾患(急性肝炎)
病態
超音波像
急性肝炎における経過観察時の注意点
劇症肝炎
③びまん性肝疾患(慢性肝炎)
病態
超音波像
④びまん性肝疾患(アルコール性肝炎)
病態
アルコール性肝炎の超音波像
⑤びまん性肝疾患(肝硬変)
病態
超音波像
肝硬変の超音波検査のポイント
⑥門脈側副路
門脈圧亢進所見
⑦肝血管腫
病態
超音波像
血管腫の注意点①
血管腫の注意点②サイズの変化
血管腫の注意点③動脈門脈短絡(A-P shunt)を伴う肝血管腫
⑧肝細胞癌(HCC)
病態
超音波像
腫瘍径による超音波像の違い
肝細胞癌におけるドプラ検査
⑨肝内胆管癌(胆管細胞癌)/ICC(CCC)
病態
超音波像
カラードプラ所見
⑩転移性肝癌(metastatic liver tumor)
病態
超音波像
カラードプラ所見
転移性肝癌を認めたら
急性腹症(憩室炎・虫垂炎)
①大腸(結腸)憩室炎(colonic diverticulitis)
臨床所見
超音波像
②急性虫垂炎(acute appendicitis)
虫垂の描出法
超音波像
報告書の書き方 ①急性肝炎[よい例]
報告書の書き方 ①急性肝炎[悪い例]
報告書の書き方 ②肝細胞癌[よい例]
報告書の書き方 ②肝細胞癌[悪い例]
2 胆嚢・胆管(胆道系) 工藤岳秀
①解剖
胆嚢の構造
胆管の構造
胆嚢・胆管の正常超音波像
②基本走査
右肋弓下縦断走査 基本断面
右肋間走査・右肋弓下横断走査 基本断面
心窩部横断走査 基本断面
右肋弓下縦断走査 基本断面
③疾患説明
急性胆嚢炎
慢性胆嚢炎
胆嚢ポリープ
胆嚢癌
胆嚢腺筋腫症
閉塞性黄疸(総胆管結石)
閉塞性黄疸(下部胆管癌)
④救急時の腹部エコー
急性胆嚢炎
閉塞性黄疸(総胆管結石)
報告書の書き方 ①急性胆嚢炎[よい例]
報告書の書き方 ①急性胆嚢炎[悪い例]
3 膵臓 工藤岳秀
①解剖
膵臓
②基本走査
心窩部横断走査 基本断面
心窩部縦断走査 基本断面
左肋弓下横断走査・左肋間走査 基本断面
③疾患説明
急性膵炎
慢性膵炎
自己免疫性膵炎
膵癌
膵嚢胞性腫瘍(IPMN・MCN・SCN)
膵嚢胞性腫瘍(仮性嚢胞)
④救急時の腹部エコー
急性膵炎
報告書の書き方 ①閉塞性黄疸(膵頭部癌)[よい例]
報告書の書き方 ①閉塞性黄疸(膵頭部癌)[悪い例]
4 腎・副腎・膀胱・前立腺 八鍬恒芳
①解剖
腎臓(kidney)および副腎(adrenal gland)
尿管(ureter)
膀胱(urinary bladder)
前立腺(prostate)
②基本走査
使用プローブ
背臥位からの観察 縦断・横断(腎の計測)
側腹部走査による腎の観察法
副腎の描出法
下腹部正中縦断・横断走査(膀胱)
下腹部正中縦断・横断走査(前立腺)
③疾患説明
腎血管筋脂肪腫,腎細胞癌
尿路結石
水腎症(hydronephrosis)
腎盂腫瘍⇔尿管腫瘍
膀胱腫瘍⇔肉柱膀胱
前立腺肥大症⇔前立腺腫瘍
報告書の書き方 ①尿路結石[よい例]
報告書の書き方 ①尿路結石[悪い例]
報告書の書き方 ②腎細胞癌[よい例]
報告書の書き方 ②腎細胞癌[悪い例]
5 子宮,卵巣 三塚幸夫
①発生・解剖
発生
子宮
卵巣
卵管
血管・リンパ管系
月経周期
②基本走査
下腹部正中縦断走査
下腹部正中横断走査
上下方向の描出角度による違い
左右方向の描出角度による違い
卵巣描出のコツ
膀胱充満法 貯留尿量による画像の変化
③疾患説明
子宮腺筋症
子宮筋腫
子宮体癌
子宮肉腫
子宮頸癌
卵巣腫瘤
④救急時の腹部エコー
卵巣茎捻転
報告書の書き方 ①子宮体癌[よい例]
報告書の書き方 ①子宮体癌[悪い例]
報告書の書き方 ②卵巣腫瘍[よい例]
報告書の書き方 ②卵巣腫瘍[悪い例]