書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
各領域専門医にきく 乳癌薬物療法ケースファイル
筆頭著者 佐伯 俊昭 (編)
埼玉医科大学教授
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-28569-3
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 278
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-26698-2
印刷版発行年月 2014年12月
書籍・雑誌概要
乳癌の薬物療法(ホルモン療法,化学療法,分子標的治療)では,サブタイプや患者背景を踏まえた治療方針の立案が求められる.さまざまな背景や合併症を有する患者に対し,第一線の専門医がどのような判断で薬物療法を行っているかを解説.多様な症例を取り上げ,注意すべき問題点とその対策に必要な判断・思考過程を産婦人科や内分泌,精神科など,乳腺以外のさまざまな領域の専門医とのケースカンファランス形式で読み解く.
目次
【内容目次】
I 初期乳癌の薬物療法
A 初期乳癌に対する薬物療法の基本
B 患者背景別の乳癌薬物療法
1 閉経前/後/閉経期
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:閉経前乳癌症例
Q1 LVEFが低下したらトラスツズマブは中止すべき?
Q2 タモキシフェン投与中の注意点は?
CASEFILE 症例2:閉経後乳癌症例
Q1 タキサン系抗癌薬による末梢神経障害への漢方薬予防投与以外の対策は?
Q2 アロマターゼ阻害薬による骨粗鬆症のスクリーニングは骨密度測定で十分?
CASEFILE 症例3:閉経期乳癌症例
Q1 閉経の判断基準は?
Q2 アロマターゼ阻害薬による関節痛や関節のこわばりに対して有効な薬物療法は?
Q3 アロマターゼ阻害薬による婦人科系の副作用の注意点は?
2 非高齢者/高齢者/超高齢者
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:非高齢者初期乳癌症例
CASEFILE 症例2:高齢者初期乳癌症例
Q1 高齢者の臓器予備能はどの程度?
CASEFILE 症例3:超高齢者初期乳癌症例
Q1 超高齢者の臓器予備能はどの程度?
3 挙児希望その他の患者ニーズ
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:挙児希望のある乳癌症例
Q1 温存乳房局所への放射線照射が卵子に影響を及ぼす可能性は?
Q2 卵子・受精卵凍結保存療法,卵巣凍結保存療法の特徴は?
CASEFILE 症例2:その他の患者ニーズ(脱毛拒否)のある乳癌症例
Q1 化学療法の副作用で生じる脱毛に対する有効な治療法,対処法は?
4 妊娠期
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:妊娠前期に診断された乳癌症例
CASEFILE 症例2:妊娠中期に診断された局所進行乳癌症例
Q1 化学療法施行時の胎児のモニタリングの方法や観察時期は?
Q2 妊娠中の化学療法施行時の注意点は?
Q3 化学療法を中止すべき胎児の状態は?
Q4 出産後の化学療法およびホルモン療法の開始時期は?
Q5 化学療法・ホルモン療法が母乳や新生児に及ぼす影響は?
C 合併症を有する患者に対する乳癌薬物療法
1 循環器疾患
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:HER2陽性転移性乳癌症例
Q1 化学療法中の心機能検査の間隔やフォローアップ期間の基準は?
Q2 ワルファリン投与中の抗癌薬治療における他科連携の注意点は?
Q3 本症例へのコメントをお願いします
2 呼吸器疾患
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:術後補助化学療法(CEF)による間質性肺炎発症例
Q1 薬剤性間質性肺炎治療後の胸壁照射の肺炎リスクは?
3 糖尿病
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:糖尿病合併乳癌症例(インスリン使用中)
Q1 治療中に注意しなければならない糖尿病の病態は?
Q2 内分泌代謝専門医とのコミュニケーションは?
CASEFILE 症例2:糖尿病合併乳癌症例(高浸透圧高血糖症候群)
Q1 高浸透圧高血糖症候群治療での注意点は?
Q2 糖尿病患者への高浸透圧高血糖症候群治療における注意点は?
4 肝炎
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:B型肝炎既感染乳癌症例
CASEFILE 症例2:HBV キャリアに発生した乳癌症例
Q1 HBV キャリア患者への化学療法ではいつ肝臓内科にコンサルトする?
Q2 化学療法中のHBV再活性化時の対応は?
Q3 B型肝炎既感染患者への化学療法での適切なHBV DNA モニタリング間隔は?
Q4 本症例へのコメントをお願いします
5 腎機能低下
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:中等度腎機能低下(非透析)のある乳癌症例
Q1 腎機能低下が高度な場合の薬剤投与量の考え方は?
Q2 腎機能障害患者では補助化学療法と再発乳癌に対する化学療法は異なる?
CASEFILE 症例2:慢性透析施行中の乳癌症例
Q1 慢性透析患者の病態の特徴は?
Q2 慢性透析患者の化学療法の適応は?
Q3 治療中にとくに気をつけることは?
Q4 本症例へのコメントをお願いします
6 骨粗鬆症
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:術後アロマターゼ阻害薬投与により骨密度低下が進行した症例
Q1 骨粗鬆症の指標がわが国と欧米で異なるのはなぜ?
Q2 骨粗鬆症と骨転移椎体骨折の見分け方は?
Q3 骨粗鬆症治療薬を休止するタイミングは?
Q4 薬剤性に顎骨壊死への対策は投与目的によって異なる?
7 うつ病
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:うつ病を合併した早期乳癌症例
Q1 精神科専門医へうつ病の乳癌患者を紹介するタイミングは?
Q2 精神疾患と乳癌,それぞれの治療開始のタイミングは?
Q3 乳癌手術後のホルモン療法によるうつ病患者への対処は?
Q4 本症例へのコメントをお願いします
8 感染症(易感染性)
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:術前補助化学療法中の発熱性好中球減少症症例
II 進行再発・転移乳癌の薬物療法
A 進行再発・転移乳癌に対する薬物療法の基本
B 随伴症状を有する患者に対する乳癌薬物療法
1 癌性疼痛
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:多様な疼痛,苦痛症状を呈した多発転移性乳癌症例
Q1 骨転移の疼痛緩和に対して放射線照射を行うタイミングや適応は?
Q2 ストロンチウム製剤の適応や副作用は?
2 胸水・心.水・腹水
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:ホルモン受容体陽性,HER2陽性の再発乳癌症例
Q1 その他の苦痛緩和の方法は?
CASEFILE 症例2:再発乳癌治療中に腹水が発生した症例
Q1 癌性腹膜炎に対する抗癌薬腹腔内投与の最近の動向は?
3 感染症:呼吸器系
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:stage IV乳癌治療中の繰り返す肺炎発症例
Q1 本症例へのコメントをお願いします
Q2 抗癌薬投与時の肺炎起炎菌同定に肺胞洗浄などの積極的な検査は必要?
4 感染症:尿路系
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:再発乳癌治療中に後腹膜転移と尿管狭窄を合併した症例
Q1 尿管ステントの長期コンプライアンスは?
Q2 乳癌患者におけるDJとSJ カテーテルの使い分け方は?
Q3 長期導尿患者への化学療法時の感染予防対策は?
Q4 本症例へのコメントをお願いします
5 精神症状(うつ・不眠)
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:乳癌再発・転移の経過中にうつ病を認めた症例
6 膠原病
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:乳癌治療とγグロブリン療法により軽快した皮膚筋炎症例
Q1 化学療法は膠原病の悪化につながる?
Q2 悪性腫瘍合併時の膠原病治療薬の使い方は?
Q3 膠原病患者に分子標的治療薬は投与してもよい?
7 循環器疾患
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:高齢の転移性乳癌に対するアントラサイクリン奏効例
Q1 化学療法が許容できる心機能の下限(検査値あるいはNYHA分類)は?
Q2 化学療法中止,再開の基準についての意見は?
Q3 心不全に対する薬物療法はいつから開始すべき?
Q4 心機能回復後のACE阻害薬,ARB,β遮断薬などの投与期間は?
Q5 本症例へのコメントをお願いします
C 有害事象と乳癌薬物療法
1 末梢神経症状
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:多臓器転移における化学療法と末梢神経障害
Q1 糖尿病患者への化学療法中に発生した末梢神経障害の見分け方は?
2 悪心
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:糖尿病合併の乳癌術後症例
Q1 糖尿病患者へのデキサメタゾン投与量の考え方は?
Q2 糖尿病患者の術後補助化学療法実施において留意すべきことは?
Q3 一般的に糖尿病合併患者の乳癌手術において留意すべきことは?
Q4 本症例へのコメントをお願いします
3 皮膚症状
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例:局所進行乳癌の領域リンパ節転移症例
Q1 難治性の爪囲炎の場合の処置方法は?
Q2 ステロイド軟膏の選択基準は?
Q3 ステロイド内服のタイミングは?
4 下痢症状
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:分子標的治療薬と化学療法薬併用療法中の下痢発症例
Q1 感染性腸炎と薬剤誘発性腸炎とを鑑別する方法は?
Q2 下痢の治療における整腸薬(ミヤBMRやラックビーRなど)の使用方法は?
Q3 治療中とくに気をつけることは?
CASEFILE 症例2:S-1治療中の下痢発症例
5 アレルギー症状
基本的な考え方と問題点
CASEFILE 症例1:ドセタキセル治療中の過敏反応
CASEFILE 症例2:トラスツズマブ治療中のインフュージョン・リアクション
Q1 乳癌患者の薬物アレルギー症状にステロイド投与は即効性がない?
Q2 アレルギー発症後に抗癌薬再投与を検討してもよい場合はある?
索引