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感染症ケースファイル
ここまで活かせるグラム染色・血液培養
筆頭著者 喜舎場 朝和 (他監)
その他の著者等 遠藤 和郎/谷口 智宏
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-61101-5
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 272
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-01101-3
印刷版発行年月 2011年3月
書籍・雑誌概要
本書は以下の5点の特徴がある。①著者自身の経験症例の詳細な情報と豊富な写真、②case conference 方式により、知らぬ間にプレゼン法が身につく、③リアリティのある塗抹標本、④どんな施設でも活用できる「適正使用の5原則」を遵守した抗菌薬の選択、⑤市中病院での抗菌薬の感受性表と、適正使用のDOs & DON'Ts の提示。本書は専門医のいない市中病院で、感染性疾患を当たり前にかつ楽しく診療することを伝えている。
目次
監修の序
序
本書の利用法と注意事項
総論
I 感染症診療の流れ
II グラム染色
III 抗菌薬
各論
I 呼吸器感染症
CASE-01 「市中肺炎と最多の起因菌」
グラム染色の所見から狭域抗菌薬で攻める
CASE-02 「市中肺炎と2番目に多い起因菌」
耐性機序により抗菌薬の感受性パターンが異なる細菌
CASE-03 「尿路感染症を合併した高齢者の市中肺炎」
グラム染色に基づき呼吸器と尿路を同時にカバーする
CASE-04 「嚥下機能が低下した発熱患者」
培養だけでは起因菌をとらえきれない
CASE-05 「入院不要の呼吸器感染症」
経口抗菌薬の選択にもグラム染色を活用する
CASE-06 「重症肺炎」
重症感染症でもグラム染色を駆使し,抗菌薬の種類と量を決定する
CASE-07 「頻回の入院歴がある発熱患者」
過去の培養結果も参考にして抗菌薬を選択する
CASE-08 「咽頭痛がある発熱患者」
咽頭の膿もグラム染色を行い起因菌を明らかにする
CASE-09 「COPDと直近の入院歴がある発熱患者」
起因菌の情報を少しでも早く得るには,細菌検査室に足を運ぶ
CASE-10 「胸水が貯留した発熱患者」
臭う検体はグラム染色を行い,好気培養だけでなく嫌気培養も行う
CASE-11 「慢性咳嗽がある発熱患者」
グラム染色では染まらない細菌
CASE-12 「急性の呼吸苦で来院した患者」
グラム染色で細菌が見つからないことも重要な所見
II 皮膚軟部組織感染症
CASE-13 「視診で診断する感染症」
まず2種類の菌をカバーしておく
III 尿路感染症
CASE-14 「腎盂腎炎と最多の起因菌」
CRPが低値でも悪寒戦慄があれば,速やかに血液培養を採取する
CASE-15 「腎盂腎炎と2番目に多い起因菌」
忙しくてもトイレは我慢しないように
CASE-16 「中高年男性の尿路感染症」
抗菌薬の臓器移行性が重要となる疾患
CASE-17 「糖尿病患者の尿路感染症」
熱がなくとも感染症は否定しない
CASE-18 「既に広域抗菌薬が開始された尿路感染症」
抗菌薬開始後のグラム染色でも,隅々まで探せば起因菌が見つかることも
CASE-19 「尿路結石を伴う尿路感染症」
この腎臓を見たら画像評価を
CASE-20 「若い男性の尿路感染症」
思い当たるふしがあるはず
IV 消化器感染症
CASE-21 「急性腸炎と便グラム染色」
便グラム染色ではカモメを探せ
CASE-22 「黄疸を伴う腹腔内感染症」
腹痛と肝機能障害があれば画像評価を
CASE-23 「抗菌薬曝露歴のある腸炎」
便培養よりもC. difficile によるトキシンを調べる
V 血管内感染症
CASE-24 「全身倦怠感以外の症状に乏しい発熱患者」
血液培養を採らなければ診断できない
CASE-25 「悪寒戦慄を繰り返す発熱患者」
血管内カテーテルが留置されていれば,血液培養が必須
CASE-26 「人工物への感染症」
持続的菌血症を呈するときは,まず血管内感染症を疑う
VI 骨関節感染症
CASE-27 「腰を痛がる発熱患者」
発熱の原因がわからないときこそ血液培養を採取する
CASE-28 「臀部を痛がる発熱患者」
起因菌不明のまま治療を始めるときは,血液培養は3セット以上採取しておく
CASE-29 「膝を痛がる発熱患者」
関節液のグラム染色が非感染症の診断に寄与することもある
VII 手術部位感染症
CASE-30 「手術後の発熱患者」 創部の膿もグラム染色する
VIII 中枢神経系感染症
CASE-31 「意識レベルが悪い発熱患者」
中枢神経系へ移行する抗菌薬を大量に投与する
CASE-32 「神経症状のある発熱患者」
抗菌薬で小さくならない膿瘍は外科的ドレナージを
IX 補足
その他の重要なグラム染色写真
参考文献
索引(事項,細菌・ウイルス・真菌・原虫・寄生虫別,抗菌薬・薬剤別)