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医師の視点で読み解く
医療事故ケースファイル
筆頭著者 福山 正紀 (著)
ふくやまクリニック 院長
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98029-0
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 234
判型 B6
印刷版ISBN 978-4-525-00231-2
印刷版発行年月 2011年5月
書籍・雑誌概要
月刊誌「治療」の好評連載を待望の書籍化!連載時に大好評だった臨場感あふれる事例紹介と,医師の視点による考察を解説します.コラム「ひとくちMEMO」では,普段は聞き慣れない関連用語や,世間で話題となった有名判例などを幅広く紹介.普段の診療では気付きにくい,医療過誤に陥らないための教訓を得られる一冊です.
目次
File. 1 循環器疾患事故
Case 1 2度の救急受診にもかかわらず,自宅で突然死をきたしたケース
Case 2 致死的となり得る心電図所見に対処が必要なケース
File. 2 内視鏡事故
Case 3 大腸ファイバー中,疼痛を訴えるにもかかわらず再度敢行したことが問題となったケース
Case 4 検査のリスクを含めた説明も同意なく,説明義務違反が問われたケース
Case 5 ポリペクトミー後に腹痛発作をきたしたことより,損害賠償を請求してきたケース
Case 6 検査のリスクに関しての説明が口頭のみで,カルテへの記載がなかったケース
Case 7 検査に伴う穿孔などの危険性に関して言及されておらず,無責主張は困難となったケース
Case 8 大腸ファイバー検査の事前説明が皆無に等しかったケース
Case 9 担当医のマーキングの誤りから,数度にわたる内視鏡検査を余儀なくされたケース
Case 10 事前説明は同意書を含め記録として残っておらず,患者側の勝訴判決となったケース
Case 11 医療機関側の有責とは考えにくいが,手技上の若干の過誤を認める形で解決したケース
File. 3 健康診断での事故
Case 12 乳児健診での聴診中「泣いていた」ため心雑音を聞き逃したケース
Case 13 乳がん検診において,見落としが判明したケース
Case 14 胃がん発見後フィルムをさかのぼって検証した結果,見落としと認定されたケース
File. 4 外傷救急での事故
Case 15 約5 年間の経過後にガラスの残存を指摘されたケース
Case 16 救急処置後に破傷風を発症し,身体障害の後遺症が残存したケース
File. 5 施設事故
Case 17 CT室に入室の際,ドアの戻りが早く指を挟まれたケース
Case 18 調理師が操作していた電動式配膳車に接触し,骨折し入院するに至ったケース
Case 19 リハビリ室でパイプ椅子から転倒し,大腿骨頸部骨折を生じたケース
Case 20 入院患者が入浴中に,心肺停止状態にて発見されたケース
Case 21 通所リハビリ中に靴を履き替える際,転倒し骨折したケース
Case 22 夜間せん妄状態の患者が,車椅子より転倒し大腿骨骨折を生じたケース
Case 23 精神科デイケアの一環として花見に出かけた際,行方不明となったケース
File. 6 異状死事故
Case 24 ハートモニターのアラームに気付くのが遅れたため,意識障害を生じたケース
Case 25 術後夜間に喀痰の喀出困難となり,窒息状態で死亡したケース
Case 26 手術操作ミスと直接の死因に因果関係が否定的ななかで訴訟に至ったケース
File. 7 感染対策事故
Case 27 縫合不全からMRSA感染が明らかとなったケース
Case 28 顎関節ワイヤー固定術後に断裂をきたし,呼吸不全を呈して死亡したケース
Case 29 MRSAに感染し入院期間が延長したと主張してきたケース
Case 30 知的障害の患者が術後の回復過程で,術部位を掻爬したため感染が生じたケース
Case 31 術者自身がMRSA保因者である可能性を否定できなかったケー
File. 8 内服薬処方事故
Case 32 「 プレドニンR」が「プルセニドR」と誤記載されたケース
Case 33 薬局において「アルマールR」が「アマリールR」と取り違えられたケース
Case 34 患者からのクレームを受けるまで誤投薬に気付いた後も放置していたケース
Case 35 「 禁忌」とのカルテ記載にもかかわらず同一禁忌薬剤が処方されたケース
Case 36 呼吸器症状で受診したにもかかわらず降圧薬が処方されていたケース
File. 9 注射薬事故
Case 37 看護師が微量注入キットを取り外したため点滴が急速に注入されたケース
Case 38 注射器の間違いにより10倍量のインスリンが投与されたケース
Case 39 点滴調剤の間違いにより副作用が出現したケース
Case 40 経皮的酢酸注入療法に使用した薬剤の間違いにより死亡したケース
Case 41 薬剤の取り違えという単純なミスが招いた結果,医師・看護師ともに実刑処分となったケース
Case 42 看護師の思い込みにより異なる患者に点滴したケース
File. 10 針・注射事故
Case 43 手技上の問題はないものの,採取時に神経損傷をきたしたと考えられるケース
Case 44 会社健診の採血3 日後に手指の痺れを訴えたケース
Case 45 採血針の刺入時に痛みを訴えるも直ぐに抜針しなかったケース
Case 46 採血を実施した担当看護師が不明であったケース
Case 47 穿刺部位での疼痛を強く訴えるものの客観的所見は不明であったケース
Case 48 看護師個人の技術的問題点に起因したと考えられるケース
Case 49 化学療法剤の血管外への漏れによる組織障害が認められたケース
Case 50 記録が不十分で,報告の信憑性に問題が認められたケース
File. 11 看護業務にまつわる事故
Case 51 気切部位からの酸素投与の変更の際,気切孔を塞いだため窒息したケース
Case 52 薬剤確認の不備から,患者が精神的に不安定となったケース
Case 53 医師の指示を受けないまま看護師の判断で頭痛薬が投与されたケース
Case 54 浣腸処置において直腸損傷をきたしたケース
Case 55 薬剤が調剤・受け取り・処置のため使用の各段階で確認されなかったケース
Case 56 注入食を胃瘻チューブより入れる際,誤ってIVHラインに接続したケース
File. 12 インフォームド・コンセントに伴うケース
Case 57 外来主治医と入院担当医の意思疎通の欠如などから,トラブルとなったケース
Case 58 悪性である確率を文献的事実とは異なる数字で説明のうえ手術されたケース
File. 13 鑑定書・意見書を伴うケース
Case 59 MRSAに対する医療機関側の対応が問題であるとして,訴訟が申し立てられたケース
Case 60 家族側よりがんの見落としであるとして,訴訟が申し立てられたケース
Case 61 下垂体腺腫摘出術の手術ミスを指摘し,訴訟が申し立てられたケース
File. 14 高額賠償金に至ったケース
Case 62 診断の遅れを主張され,裁判所の調停により高額の賠償金を支払ったケース
Case 63 診断の遅れと共に高次病院への転院が遅れたとして,訴訟を申し立てたケース
Case 64 術後合併症の認識が不十分であったうえ,急変時の対応が遅れたケース
Case 65 検査後合併症に対する説明の不足と,その後の対処に過誤が認められたケース
Case 66 静脈路確保の際,血管を切断したため下肢の懐死に陥ったと訴えられたケース
Case 67 ガイドラインに沿った処置が実施されなかったことから管理不十分とされたケース
Case 68 交通事故の際,頭部CT の所見が軽微であったため処置が遅れたケース
Case 69 帝王切開に至る時間に遅れがあったと主張されたケース
Case 70 転倒後,頭部CT が直ちに実施されず対応が遅れたケース
Case 71 担当耳鼻科医師が局所所見のみに注目し,全身管理を怠り医療過誤となったケース
File. 15 説明・説得が奏効し解決に至ったケース
Case 72 患者の急死を気管切開部の閉塞による窒息ではないかと主張されたケース
Case 73 冠動脈インターベンション中,冠動脈解離からショックに陥ったケース
Case 74 十二指腸潰瘍の穿孔後,ショック状態となったケース
Case 75 入院中,進行がんが発見され治療中に死亡するも過誤を問われたケース
Case 76 医学的には過誤となる問題点はなく,むしろ院内体制に改善すべき点が認められたケース
Case 77 手術の適応やインフォームド・コンセントに,過誤があったと賠償金を要求してきたケース
Case 78 死亡したことに納得できないとして,患者の妻が毎年命日に説明を求めてきたケース
File. 16 救急受診後の勝訴ケース
Case 79 悪性腫瘍の診断の遅れに過失ありと主張してきたケース
Case 80 患者家族から医師・看護師への脅迫行為が認められたケース
Case 81 セカンドオピニオンをもとめられた後医の言動により過誤が疑われたケース
Case 82 小脳梗塞の診断治療に遅れがあったと主張されたケース
Case 83 宗教上の理由で輸血を拒否され,高次病院へ転院するも死亡したケース
File. 17 司法判断との乖離(1)
─医療機関側敗訴のケース─
Case 84 急性虫垂炎の診断に遅れがあったと認定されたケース
Case 85 点滴の際の神経損傷により損害賠償をもとめられたケース
Case 86 多量の向精神薬服用中,転落事故による救急受診後に急変したケース
Case 87 交通事故による脳挫傷の患者の言動を予見可能と判断されたケース
Case 88 盲腸がんの診断が遅れたとして賠償を要求されたケース
Case 89 アルコール・薬物依存症患者の救急での処置が不十分であったと認定されたケース
File. 18 司法判断との乖離(2)
─調停による解決のケース─
Case 90 乳腺細胞診のclassVの結果に基づき手術したが良性腫瘍であったため訴訟となったケース
Case 91 MRSA感染が院内経路によることが「明らか」であると主張してきたケース
Case 92 褥瘡から敗血症に陥ったため訴訟が申し立てられたケース
Case 93 骨髄移植のドナーが白血病を発症したことが説明義務違反にあたると訴えられたケース
Case 94 中手骨骨折への対処が不十分であったため職業上の支障を訴えられたケース
Case 95 転倒により「植物」状態になったのは,医療機関側の全面的管理ミスと主張してきたケース
Case 96 点滴処置後の上肢神経損傷に対して事実とは異なる患者の訴えを裁判所が認定したケース
Case 97 ブロック注射後の神経損傷を訴えられ十分な検討なしに謝罪したケース
File. 19 医療に精通した弁護士の必要性を実感したケース
Case 98 食道がん術後合併症の対処に問題ありと訴えられ和解に至ったケース
Case 99 白内障の術後感染合併症が不可避であったと認定されたケース
Case 100 腰椎横突起骨折に対して標準的治療が施されたことから訴えが棄却されたケース
Case 101 肺動脈血栓塞栓症に対する疾患の理解ができず訴訟に至ったケース
Case 102 低酸素状態であったにもかかわらず酸素投与が中断され死亡に至ったケース
Case 103 ショートステイ入所中の転倒事故への対応に問題を認めたケース
Case 104 人口透析中経口不良となるも血糖降下剤を減量されなかったケース
Case 105 患者側の事実誤認に基づく部分が多いため,医療機関側の抗弁が認められたケース