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看護学テキストNiCE
看護管理学 改訂第3版
自律し協働する専門職の看護マネジメントスキル
筆頭著者 手島 恵 藤本 幸三 (編)
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-20526-4
電子版発売日 2023年2月27日
ページ数 304
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-20421-2
印刷版発行年月 2023年3月
書籍・雑誌概要
「看護をマネジメントする基礎的能力」を養うための看護管理学のテキスト.すべての看護学生を対象とし,医療チームのメンバーの一員としてより効果的・効率的なケアを実現するための方略の基盤を学ぶ内容となっている.看護管理の実際を扱った事例や,関連する内容のコラムを活用することで,看護管理の実践に結びつけられるよう配慮した.今改訂では,医療法や診療報酬などの法・制度の改正・改定や,情報の取り扱い,ハラスメントなどの働き方に関する動向など,最新の情報を反映した.
目次
【内容目次】
第I章 看護管理の基礎
1. 看護管理を学ぶとは
A .看護管理を学ぶとは
1●看護の提供と看護管理
2●看護基礎教育における看護管理
B .看護管理学とは
C .看護管理学の内容
1●看護管理学の目的とする内容
2●看護管理学が教育・研究の対象とする内容
3●看護をよりよく変えていく能力
4●専門職としての倫理
2. 看護サービス管理
2―1 看護サービスの管理
A .看護サービスとプロフェッション
B .サービスと特徴
C .看護サービスの管理
D .看護サービスは協働して提供する時代
2―2 マネジメント
A .マネジメントの定義
B .マネジメント過程の必要性
◇コラム1 未来の看護マネジメントに視点を当てて
C .近年におけるマネジメント過程とその変遷
1●マネジャー(マネジメントを実践する者)の4つの役割の変遷
2●マネジメント機能のもつ役割
3●マネジメント過程
D .13のマネジメント機能
1●マネジメントの基本的要素
◇コラム2 マネジメント(management)とアドミニストレーション(administration)の違い
2●マネジメントに関係するその他のスキル
E .マネジメントのレベルと職位
F .マネジャーとリーダー
1●マネジャーとは
2●リーダーとは
◇コラム3 未来のリーダーにとってもっとも重要な能力とされる事柄
◇コラム4 フィードフォワード(feedforward)
3. 看護組織と管理
3―1 組織論
A .看護管理の対象としての組織
1●組織には達成すべき目的があること
2●さまざまな機能を分担しながら,構成員各人が能力を発揮し,組織の目的達成に貢献しようとすること
3●構成員同士が組織の機能を発揮するための効果的なコミュニケーションを行っていること
B .組織の成り立ちを決める要素
◇コラム1 組織と集団の違い
1●組織を牽引する役割:リーダー
2●指示を全うする役割:メンバー(フォロワー)
3●職務
4●権限
5●マネジメントの階層と権限
C .組織行動に影響を及ぼす要因と看護管理
1●組織文化・組織風土
2●公式な組織と非公式な組織
D .医療組織の基本的な機能と形態
1●機能部制(職能別)の組織
2●事業部門制の組織
3●マトリックス型の組織
E .看護部門の組織的な運営と形態
1●ライン型組織形態とスタッフ機能
2●委員会,プロジェクトグループ,ワーキンググループ
F .組織の中のコミュニケーション:指示・命令・報告
1●指示・命令
2●報告
3●権限の委譲
3―2 看護提供方式
◇コラム2 最近の看護提供システム
3―3 リーダーシップ・メンバーシップ
A .リーダーシップとは何か
B .リーダーシップとマネジメント
◇コラム3 ナイチンゲールと可視化
C .変革に必要なリーダーシップスタイル
D .リーダーシップとイメージ
◇コラム4 マグネット・ホスピタル
3―4 意思決定
A .意思決定とは何か
B .意思決定のアプローチ
1●演繹的合理主義的アプローチ(規範的意思決定論)
2●経験主義的アプローチ(帰納的な意思決定論)
C .組織の意思決定
◇コラム5 代替案とは
D .優れた意思決定を行うための方策とツール
E .演習
演習1 組織における意思決定
3―5 組織変革
A .変革とは何か
◇コラム6 組織理念,組織構造,権限
B .変革に対する人々の反応
C .変革モデルと変革のプロセス
1●レビンの変革モデル
2●リピットらの変革の過程
3●ロジャースらの変革の普及の過程
4●コッターの組織変革を導く8段階
D .変革における変化媒体の役割
E .組織変革とリーダーシップの関係
◇コラム7 可視化(見える化)
4. 看護管理プロセス
A .看護管理情報
1●情報収集とアセスメント
B .プロセス管理
1●看護管理目標の設定
2●看護管理計画の立案
3●看護管理活動におけるクリティカルシンキング
4●看護管理計画の進行管理
5●評価
6●PDCAサイクル
C .問題解決プロセス
1●問題解決プロセスの段階
D .演習
演習2 問題把握のための情報収集
第II章 看護管理のスキル
1. 資源の獲得と配分
1―1 看護収支管理
A .看護管理における収支管理の必要性
1●なぜ収支管理が必要なのか
2●計数管理と観察
◇コラム1 病院と看護部の収支管理とは
B .看護にかかわる収入と支出
1●看護がかかわる直接的な収入・支出項目の管理
◇コラム2 収入・支出と収益・費用
2●看護がかかわる間接的な収入・支出項目の管理
3●固定費と変動費─医業収益に直接に影響するコスト
◇コラム3 損益一致の状態が損益分岐点
C .資源の効果的・効率的活用の方法
D .これからの看護経営管理と計数管理
1―2 医療経費と看護
A .病院会計準則
B .財務諸表のしくみ
1●貸借対照表
2●損益計算書
3●キャッシュフロー計算書
4●附属明細表
C .経営分析
1●収益性の経営指標
2●安全性の経営指標
3●機能性の経営指標
D .看護と医療経費
E .看護配置と医業費用
2. 人的資源管理
2―1 人的資源とは
A .看護における人的資源の特徴と活動
B .人員配置と看護の質
C .人員配置と法的根拠
D .人的資源管理における今後の方向性
2―2 キャリアマネジメント
A .キャリアとは
B .キャリア発達
1●キャリア発達の段階
◇コラム1 年齢階級別労働力にみる女性のキャリア発達の社会的状況
2●キャリアアンカー
◇コラム2 キャリアサバイバル
◇コラム3 キャリア発達に重要なメンタリング
3●組織のキャリア開発
◇コラム4 新人看護職員研修ガイドライン
◇コラム5 キャリアの方向性
C .コンピテンシー
◇コラム6 ハイパフォーマーの特徴
2―3 組織文化と人的資源のかかわり
2―4 ワーク・ライフ・バランス
A .海外の状況
B .わが国の現状
C .キャリア発達とワーク・ライフ・バランス
D .労働安全衛生とワーク・ライフ・バランス
3. 情報の管理
3―1 情報の取り扱い
A .看護と情報
B .医療情報システム
1●医事会計システム
2●オーダーエントリーシステム
3●電子カルテシステム
4●看護支援システム
5●部門システム
6●地域医療連携システム
C .看護管理と医療情報システム
D .電子カルテの運用に求められる要件
1●診療録の電子保存のための通知の背景
2●電子保存の三基準
3●電子保存の三基準と看護師の責務
3―2 情報の管理
A .電子情報のリスク
1●マルウェア感染
2●不適切な情報の取り扱いによる流出
3●無償ソフトウェアや不正ソフトウェアの利用
B .電子情報の適切な管理のための対策と教育
1●コンピュータウイルス対策
2●ファイルの暗号化
◇コラム SNS利用と教育
C .医療と個人情報の保護
4. 管理行動
A .コミュニケーション
1●コミュニケーションとは
2●コミュニケーションの機能
3●コミュニケーションのプロセス
4●効果的なコミュニケーションの要素
B .アサーション
1●アサーションとは
2●DESC法
C .指示
1●看護管理システムにおける指示
2●対象に合わせたリーダーシップ支援の側面での指示
3●指示を行使する際の注意
D .交渉
1●交渉とは
2●交渉の基本的な考え方
3●交渉に関する感情
4●看護管理者としての交渉の注意点
E .葛藤の解決
1●コンフリクトとは
2●コンフリクトのプロセス
5. 自己管理
5―1 ストレス管理
A .自己コントロールとバーンアウト
B .ストレスへの対処
C .演習
演習3 ストレス出来事とストレス管理
5―2 時間管理
1●時間管理の必要性
2●業務の進め方
3●時間管理に重要となるポイント
6. 連携と協働
6―1 医療連携
A .医療連携とは何か
B .医療連携を促進する方法
C .効果的医療連携のための看護のポイント
D .医療連携から地域包括ケアへ
6―2 他職種との連携
A .専門職連携教育/学習および専門職連携実践
1●専門職連携教育および専門職連携実践の定義・目的
2●専門職連携教育および専門職連携実践が発展した社会背景と必要性
3●専門職連携教育と専門職連携実践のフレームワーク
B .専門職連携実践能力およびさまざまな連携活動の理解
1●専門職の実践能力
2●専門職連携実践能力の獲得を目指した学習目標
3●専門職連携活動の分類
C .専門職連携実践のマネジメントの理解
1●自部署においてどのような専門職連携実践が必要なのかアセスメントする
2●専門職連携をマネジメントする
7. アウトカムマネジメント
7―1 看護の質マネジメント
A .質マネジメントとは
B .質マネジメントの歴史
C .質評価の枠組み
D .質評価のための指標
E .質保証から質改善へ
F .看護業務基準
7―2 安全管理
A .リスク管理とは
B .医療事故の定義
C .医療事故・インシデントレポートの分析と活用
D .米国におけるリスク管理
E .日本におけるリスク管理
F .看護師の多重課題の特徴と対応
G .演習
演習4 安全管理
7―3 働きやすい職場環境づくり
A .看護管理者の職場環境づくりに関する役割
B .看護サービスのアウトカム,および職務満足と顧客満足の関係
C .職務満足と患者満足の理論的基盤
1●職務満足
2●患者満足
D .職務満足の向上の方策
1●動機づけ
2●働きやすさ
3●職場の活性化
E .多様な価値観をまとめ,目標を共有化していく
第III章 看護サービス管理の周辺
1. 医療政策と看護管理
1―1 医療制度
A .医療制度のしくみ
B .医療制度の背景となるデータ
1●高齢化の推移と将来推計
2●社会保障費の動向
3●医療費の動向
C .医療保険
1●健康保険
2●国民健康保険
3●後期高齢者医療制度
D .診療報酬制度
1●法的位置づけ
2●診療報酬のしくみ
3●診療報酬の改定
4●算定方法
5●看護における診療報酬の評価
E .介護保険制度のしくみ
1●介護保険制度の目的
2●介護保険の内容
3●要介護認定・要支援認定
4●事業・サービス
5●介護報酬
F .医療提供体制
1―2 医療政策の変遷
A .医療政策の経緯
1●医療政策決定過程
2●看護行政の組織と役割
3●予算編成過程
B .医療制度改革
1●医療制度改革の経緯
2●医療制度改革における看護関連事項と法改正の内容
3●新人看護職員研修制度
C .地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築
1●地域包括ケアシステム
2●医療と介護の一体的な改革
3●病床機能報告制度
4●特定行為に係る看護師の研修制度
5●看護師等の復職支援と定着・離職防止
2. 現代法制度と看護管理─医療提供関連法規
A .憲法
B .医療提供体制の動向と医療法(昭和23年法律第205号)
1●医療法とは
2●医療法の目的
3●医療の基本理念
4●地域保健医療の連携
5●医療の選択にかかわる適切な情報提供
6●医療安全の確保
7●医療提供体制の確保を図るための基本方針と医療計画
C .医療介護総合確保推進法
D .医療提供を担う人材に関する法律
1●保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)
2●看護師等の人材確保の促進に関する法律(平成4年法律第86号)
3●医師法(昭和23年法律第201号)
4●薬剤師法(昭和35年法律第146号)
E .医療保険制度
1●わが国の医療保険制度
2●高齢者の医療
3. 看護管理と倫理
3―1 看護管理と倫理
A .看護実践における倫理とは
B .看護実践の場で生じる倫理的課題と看護管理の関係
1●事例で考える看護管理と倫理的な実践の関係
2●看護管理の機能
C .看護管理の視点からとらえた倫理的課題
1●看護の組織としてよりよい看護実践を行うこと
2●職員のキャリア開発と安全な職場環境にかかわること
3●組織の社会的責任に関すること
D .組織の社会的使命を果たすための看護管理
1●ガバナンス
2●倫理的組織文化の醸成
3●経営における人間重視
3―2 看護職能団体子
A .職能団体と看護職能団体
B .看護職は専門職か
C .日本看護協会設立の背景と経緯
D .「公益社団法人日本看護協会」の発足
E .日本看護協会の目的と理念
F .日本看護協会の事業内容と業務執行体制
第IV章 看護管理の展望
1. これからの時代の看護管理
A .バック・トゥ・ザ・フューチャー ―これからの時代の看護管理
1●これからの時代
2●持続可能な開発目標
3●日本における現在の取り組み
4●キャリアに対する責任
特別寄稿:これからの看護管理に求められるリーダーシップ Carol Keehan
1●リーダーシップとは
2●リーダーの資質
3●リーダーの育成
4●よいリーダーをめざして
5●リーダーになったあなたへ
◇コラム リーダーとしてのSr. Carol Keehan
付録
付録1 参考になるウェブサイトのURL集
付録2 看護業務基準2021年改訂版(日本看護協会)
演 習 解答と視点
索引