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看護学テキストNiCE
看護倫理 改訂第3版
よい看護・よい看護師への道しるべ
筆頭著者 小西 恵美子 (編)
南江堂
電子版ISBN 978-4-524-23064-8
電子版発売日 2021年3月15日
ページ数 292
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-524-22508-8
印刷版発行年月 2023年2月
書籍・雑誌概要
ナースに必要な倫理的素養を育む大好評テキストの改訂版。学生にとって一見難解な倫理問題を学習しやすいよう、身近な事例を多用し、倫理の学びを進められる構成となっている。日本の伝統的価値観「和」「礼」「徳」の顕在化が本書の大きな特徴。今改訂では「ケアの倫理」「共感」など、近年注目が高まっている概念についての項目を新設したほか、好評の「4ステップ事例検討シート」にもケアの倫理の視点を取り入れリニューアルした。
目次
【内容目次】
第I章 看護倫理についての基礎知識
1 倫理の基礎
A.倫理とは
B.価値
C.価値観の形成に影響するもの
D.倫理と道徳
E.倫理と法
F.倫理理論
2 看護倫理の基礎
A.看護倫理とは
B.看護倫理のアイデンティティ
C.倫理綱領code of ethics
D.看護倫理の必要性
E.看護倫理を学ぶ意義
3 看護倫理の歴史的推移
A.徳の倫理オンリーの時代(1970年ごろまで)
B.徳の倫理から原則の倫理へ(1970年代~2000年ごろまで)
C.21世紀の現在
D.倫理綱領の変遷
第II章 看護倫理のアプローチ
はじめに
1 徳の倫理
A.徳の倫理とは
B.徳の倫理の歴史
C.看護にとっての徳の倫理の意味
E.徳の倫理の問題点と今後の課題
2 原則の倫理
A.原則の倫理とは
B.倫理原則
C.倫理原則の意義,および問題点と注意
3 ケアの倫理
A.ケアの倫理とは
B.ケア,ケアリングとは何か
C.看護実践におけるケアの倫理の特徴と限界
第III章 看護倫理に関係する重要な言葉
はじめに
1 和
A.「和」の意味
B.職場の「和」
C.医師たちと話し合う看護師の「和」
D.看護師が自分を大切にするということ
E.国際看護師協会のスローガンとしての「和」
2 共同体,家,親孝行,礼,面子,和-東アジアの文化と倫理
A.比較文化論からみた東アジア文化圏
B.東アジア文化圏の共存共同体
C.家族の中の「役割」と個人の人格形成
D.国際看護の基本は自文化を知ること
3 コンパッション-思いやりの心
A.患者からみた看護師の心
B.コンパッション
C.コンパッションの2つの側面
D.思いやりの心をもち続ける
4 共感
A.看護師がもつ共感
B.看護師の共感についての誤解
C.共感的関係性の要素
5 道徳的感受性と道徳的レジリエンス
A.道徳的感受性
B.道徳的レジリエンス
6 専門職
A.専門職とは
B.看護は専門職か?
C.看護師の職業意識と倫理
D.看護師個人の信条と専門職としての義務
E.専門職の義務とケアに伴うリスク
7 対象者を中心とした看護
A.対象者を中心とした看護と生活モデル
B.対象者を中心とした看護の働き
C.看護教育
D.日常の実践での対象者中心の看護の点検
8 患者の尊厳
A.看護・ケアにおける尊厳
B.患者の尊厳を構成する要素
C.尊厳の評価尺度
9 看護アドボカシー
A.アドボカシーとは
B.看護アドボカシーの必要性
C.看護アドボカシーを理解するモデル
D.看護アドボカシーの実践に向け
10 協力と協働
A.協力と協働の意味
B.医療現場における協働
C.地域における協働
11 パターナリズム
A.パターナリズムとは
B.医療におけるパターナリズム
C.弱いパターナリズムと看護
D.医療状況の変化におけるパターナリズムの新たな課題と医療者の役割
12 個人の権利
A.権利の意味と意義
B.権利と義務の関係
C.権利の性格
D.医療・看護における権利の意義
13 看護職の責任-倫理的責任と法的責任
A.責任とは
B.レスポンシビリティとアカウンタビリティ
C.倫理的責任と法的責任
D.看護教育の高度化と倫理的な責任
E.医療事故と法的責任
14 インフォームド・コンセント
A.インフォームド・コンセントの生まれた背景
B.インフォームド・コンセントの構成要件
C.日本におけるインフォームド・コンセント
D.インフォームド・コンセントにおける看護師の役割
15 情報プライバシーと守秘義務
A.守秘義務
B.プライバシー
C.個人情報保護法
16 災害におけるトリアージ
A.災害
B.トリアージの倫理
C.対象者を「ふるい分ける」という難しい課題
D.COVID-19の世界的流行
第IV章 倫理的意思決定のステップと事例検討
A.看護師の立場と倫理的な気がかり
B.看護師のつらい体験や問題状況を表す言葉
C.意思決定のための4ステップモデル
D.演習
E.事例検討の意義と注意
第V章 さまざまな看護活動と倫理
1 人生の最後を生きる人々への看護と倫理
A.ケア提供の場
B.死にゆく患者に対する「治療」とは
C.「苦痛を和らげよ」と「死を早めるな」-医療者の2つの使命と倫理
D.安楽死,事前指示,アドバンス・ケア・プランニング,DNR
E.終末期医療にかかわる法令,指針
F.事例検討
2 地域看護と倫理
A.地域看護の特徴
B.地域看護の倫理的問題
C.地域の看護職自身の倫理的問題
D.倫理的問題に対応するために-4ステップモデルやナラティヴ・アプローチの活用
3 小児看護と倫理
A.子どもの権利と親の養育責任
B.小児看護の倫理に関する条約・勧告等
C.臓器移植を必要とする子どもの生きる権利
D.医療的ケアを必要とする子どもの教育を受ける権利
E.日常のケア場面で生じる倫理的問題
4 精神科看護と倫理
A.基本的人権と尊厳
B.地域で暮らす権利
C.自己決定を支援される権利
5 性と生殖をめぐる看護と倫理
A.性に関する言葉
B.性と生殖をめぐる健康問題の特徴
C.性と生殖をめぐる健康問題を抱えた人のために
6 遺伝看護と倫理
A.遺伝看護とは
B.遺伝看護を必要としている人々と出会う場は?
C.遺伝看護を必要としている人々の状況とは
D.遺伝にかかわる問題に対する看護師の倫理的葛藤とは
E.ケアのプロとして
7 異文化間の看護と倫理
A.文化と倫理
B.在日外国人の看護と倫理
C.途上国における看護支援と倫理
D.文化背景の異なる看護師との協働
第VI章 社会的要配慮者の看護と倫理
はじめに
1 認知症
A.意思決定への支援
B.認知症高齢者の行動抑制に関する問題
C.家族介護者をめぐる課題と支援
2 難病-筋萎縮性側索硬化症(ALS)を中心に
A.筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは
B.倫理的意思決定を行う支援に向けて
3 貧困
A.貧困とは
B.貧困状態にある対象の看護
4 家庭内で起こる虐待
A.虐待とはどういうことか
B.虐待問題と看護
5 受刑者
A.受刑者を知るために
B.受刑者に対する医療と看護
C.受刑者の看護と倫理
6 障害者
A.障害者とは
B.障害者への配慮
第VII章 その他の看護活動と倫理
1 看護管理者の役割と倫理
A.看護管理者の役割
B.看護管理者が経験する倫理的課題
C.管理者の倫理的意思決定
2 看護部倫理委員会
A.倫理の制度化と看護部倫理委員会
B.看護部倫理委員会の実践-水戸赤十字病院の試み
第VIII章 看護研究における倫理
A.看護と研究
B.看護研究にかかわる主な指針等
C.看護研究における倫理的配慮
付録
付録1 ICN看護師の倫理綱領(2021年版)[抜粋]
付録2 看護職の倫理綱領(2021年)
付録3 障害者の権利に関する条約[抜粋]
索引