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クロストークから読み解く周産期メンタルヘルス
筆頭著者 岡野 禎治 (編)
三重大学保健管理センター 教授
その他の著者等 鈴木利人 編
杉山 隆 編
新井陽子 編
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98212-6
電子版発売日 2016年10月3日
ページ数 206
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-525-38061-8
印刷版発行年月 2016年8月
書籍・雑誌概要
周産期における精神的な課題に対しては,産科医や精神科医のみならず,助産師や保健師などさまざまな職種による支援が求められる.本書は,これらの課題に対する多職種連携の様子を対話形式で示した.周産期メンタルヘルスに関わるすべての医療・保健関係者に贈る,現場での臨場感あふれる連携の醍醐味が描かれた1冊!
目次
第1章 周産期メンタルヘルス概論
1 産科領域
・出生前診断とハイリスク妊娠
2 精神科領域
・産褥精神病
・統合失調症と周産期 −リスクの捉え方と多職種連携協働を中心に−
・気分障害と妊娠
・妊娠中の向精神薬による薬物療法
3 助産領域
・医療機関における妊娠期のケア−助産師外来における支援−
・産後ケア
・医療的にハイリスクな母親の心理的問題
・特定妊婦・虐待
4 妊娠期からのスクリーニングと早期介入
・周産期における介入が必要な背景
・妊娠前期の精神疾患の予測リスクとその対策
・予防と早期介入
・おわりに
第2章 事例で読み解く周産期メンタルヘルス<妊娠期編>
1 妊娠を契機に再燃した統合失調症
・アリピプラゾールの妊娠への影響
・服薬を拒否する患者への対応
・持効性注射剤の妊婦への使用
・医療と地域が連携した育児サポート
2 向精神薬を慎重に選択した統合失調症
・妊娠初期の向精神薬の選択
・妊娠糖尿病のリスク
・妊娠後期から出産前の向精神薬の選択
・向精神薬の投与と授乳の是非
3 妊娠期における中等症のパニック障害
・妊娠初期における中等症のパニック障害への対応
・妊娠初期の薬物療法
・妊娠中期〜後期の薬物療法が与える影響
・妊娠後期の薬物療法が与える影響
4 妊娠中の重症の強迫性障害
・妊娠期の強迫性障害への対応
・強迫性障害が母体に与える影響と妊娠期の薬物療法
・医療ソーシャルワーカーと保健師による家庭訪問の活用
・分娩前後の薬物療法
5 妊娠期からの摂食障害
・摂食障害とは
・妊娠期の摂食障害
・心理面での援助・子育ての援助
6 妊娠・出産を経験したパーソナリティ障害
・妊娠期の境界性パーソナリティ障害への対応
・妊娠中・産後の薬物療法
・患者情報の共有と今後の対策の検討
・育児中の衝動行為への対応
7 周産期に受けた身体的・性的・心理的暴力
・医療者が妊産婦の暴力被害に気付いたときの初期対応
・妊婦に対するIPVのスクリーニング
・IPV被害女性,パートナーの臨床像
・IPV被害女性の家庭・社会的背景を考慮した対応
・医療機関と地域支援機関との連携
8 不妊治療中に発症したうつ病
・不妊治療とうつ病
・不妊治療の終結と精神症状
第3章 事例で読み解く周産期メンタルヘルス<産後編>
1 緊急入院を要する産褥精神病
・産褥精神病への対応
・保健師と連携した地域支援
・産後の薬物療法の説明と処方薬の決定
2 地域で支える産後うつ病−多職種ミーティングの活用−
・初期介入の検討
・出産後の支援の方向性を共有する
・おわりに
3 産褥期に再発して入院に至った双極性障害
・双極性障害とは診断のために注意すべき症状・再発リスクが高い時期
・双極性障害の薬物療法
・薬物療法と授乳
・双極性障害における心理的変化
・安心して妊娠・出産・育児ができるように
4 双極性障害へ診断変更された産後うつ病
・産科から精神科への紹介
・精神障害合併妊婦の妊娠・分娩管理
・躁症状の疑い
・双極性障害の薬物療法
・切迫早産と躁症状の悪化,産科病棟への入院
・産後うつ病と双極性障害
5 ボンディング障害
・ボンディング障害とは
・ボンディング障害と産後うつ病との関連
・サポートの実践
・おわりに
6 死産経験から発症した悲哀
・悲哀反応の診断・評価と対応
・悲哀反応と対処行動の性差
・悲哀過程と対人関係の変化
・死別体験からのposttraumatic growth
索引