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子どもの「痛み」がわかる本

はじめて学ぶ慢性痛診療

子どもの「痛み」がわかる本
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筆頭著者 加藤 実 (著)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-65008-3

電子版発売日 2022年12月26日

ページ数 160

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-260-05008-1

印刷版発行年月 2022年12月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260650083

書籍・雑誌概要

誰も教えてくれなかった、子どもならではの「痛み」の診かた・考えかた

子どもは大人より痛みを感じやすい? 子どもの頃の痛みの体験がその後も影響する? 予防接種の時に痛みを減らす方法があるの? 集学的痛みセンターで長いあいだ慢性痛診療に取り組んできた著者が伝える、子どもならではの「痛み」の診かた・考えかた。同じ「痛み」でも急性痛と慢性痛のメカニズムのちがいを、診療のコツや豊富な症例を交えながら、わかりやすく解説している。巻末付録には日常臨床の疑問に答えるQ&Aもあり。

目次

はじめに──子どもの「痛み」を「そうだったのか」と理解することから始めてみませんか

I.子どもの「痛み」を理解する
 ① なぜ「痛み」を感じるのか?
   「痛み=警告」とは限らない
   脳で痛みが作られるまでの仕組みと,伝わりにくくさせる仕組み
   急性痛と慢性痛の違い
   機序からみた痛みの分類
   痛みの定義と子どもの特性
 ② 子どもは大人より「痛み」を感じやすい?
 ③ 強い「痛み」の体験はその時だけでは終わらない?──痛み予防の意義
 ④ ワクチン注射時の痛みの軽減法──笑顔につながる子どもの痛み予防
   5Pアプローチによる痛みの軽減法
   新型コロナワクチンの接種研修でのポイント

II.子どもの「痛み」を診る
 ① 痛みを尋ねる際に知っておきたい5つのポイント
 ② 急性痛と慢性痛の見きわめ方──その原因,随伴症状と特徴
 ③ 慢性痛を評価する
   痛みの基本情報と時系列変化の情報収集
   身体診察
   子どもの慢性痛の診断と病態の総合評価
 ④ 慢性痛に対するアプローチ
   治療の目標設定
   痛み基本対応の3Pアプローチ
   小児慢性痛対応のWHOガイドラインの誕生
 ⑤ 代表的な痛みの部位と慢性痛をきたす疾患
   頭・口腔・顔面の痛み
   四肢の痛み
   複数の部位にわたる痛み
   腹部の痛み
   背部・腰部・肩部などの体幹の痛み
 ⑥ 症例紹介
   症例1 スマホゲームが原因で不登校になった,難治性頭痛を抱える中学生
   症例2 骨折後ギプスを外した後に新たに手の痛みが生じた子ども
   症例3 腰痛と子宮頸がん予防ワクチン接種との関連に不安を抱いて来院した子ども
   症例4 痛み治療に難渋し来院した多関節痛の子ども
   症例5 保護者の行動変化を契機に腹痛が消失した幼児
   症例6 薬物療法と運動療法で手術後の指の痛みが改善した子ども
   症例7 小児科・整形外科疾患ではない腫れ,感覚・運動障害を伴う手の痛みを訴える子ども
   症例8 ペインクリニック,作業療法士,臨床心理士の集学的アプローチがうまくいった慢性痛患児
   症例9 集学的アプローチと神経ブロックにより改善に向かった全身の痛みを抱える子ども
   症例10 集学的アプローチを通じて,学童期のトラウマ体験が痛みの増強要因とわかった成人の慢性痛患者
 ⑦ 集学的アプローチによる痛み治療
   集学的痛みセンターのはじまり
   痛みセンターにおける子どもの多面的評価
   集学的アプローチに基づく痛みセンターの特徴と実際
   日常診療における子どもへの問診テスト結果から具体的な集学的アプローチにつなげるアルゴリズム

付録 Q&A
索引

コラム
 1 Nociplastic pain(痛覚変調性疼痛症)
 2 痛みの定義が誕生した背景とその意義
 3 慢性痛の現状──成人と子どもの比較
 4 村上春樹さんの書籍から学ぶ痛みの奥深さ
 5 TRPV1は「末梢侵害刺激受容体」
 6 慢性痛が持続する機序
 7 子どもの適切な痛み対応習得のための教材──痛みについて知り,理解を深めるために
 8 臨床倫理の3原則──人間尊重,与益,社会的適切さ
 9 子どもの慢性痛の管理・対応に関するガイドライン
 10 ICD-11に新たに疾病登録された慢性痛
 11 いたみマネージャー
 12 慢性の痛み政策研究事業