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こころの回復を支える

精神障害リハビリテーション

精神障害リハビリテーション
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筆頭著者 池淵 恵美 (著)

帝京大主任教授・精神神経科学

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-63879-1

電子版発売日 2019年4月8日

ページ数 286

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-260-03879-9

印刷版発行年月 2019年3月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260638791

書籍・雑誌概要

「精神障害リハビリテーションってなんだろう?」統合失調症のこころの回復を支えて40年の著者がそんな疑問にわかりやすく答えます。精神障害リハビリテーションの基本的な概念や理論の解説にはじまり、実際にリハビリテーションを進めていく手順、ひとりひとりの人生に寄り添うことの重要さ、支援者に必要な技術や心構えまで、この1冊でわかります!

目次

第1章 精神の「障害 disability」とは何か
 1 統合失調症の人の生きづらさから障害 disability を考える
 2 障害・生きづらさはどの程度改善するのか
 3 障害 disability をもたらす基盤としての脳機能
 4 障害の構造──機能・活動・社会参加
 5 環境(文化・社会制度・人とのつながり)は障害を変える
 6 ノーマライゼーションと障害 disability の克服

第2章 リハビリテーションとはどういうものか
 1 リハビリテーションという言葉が示すもの
 2 リカバリー概念の発展
 3 エビデンスに基づく実践とパーソナルリカバリー
 4 精神障害リハビリテーションの基本的な考え方
 5 精神障害リハビリテーションの技術
 6 地域におけるリハビリテーション
 7 希望を育むこと・成長していくこと

第3章 精神障害リハビリテーションのプロセス
 1 精神医学の治療とリハビリテーションの違いを考える
 2 初診のときからリハビリテーションは始まる
 3 苦しい症状に対して,まずは本人が楽になることを見つける
 4 家族や周囲の人たちに,疾患や障害の特徴を知ってもらい,
     どうつきあっていくかを学んでもらう
 5 「楽しいこと」「興味の持てること」を見つけ,
     自信や体力や気力を取り戻していく
 6 本来の自分の力が少しずつ戻ってきたら,社会参加の目標を見つけていく
 7 リアルワールドにチャレンジする
 8 なかなかよくならない症状・障害とつきあっていくやり方を探していく
 9 リハビリテーションから次の一歩が踏み出せない場合がある
 10 再発・再入院への対応
 11 長い目で見て,回復を信じていくことが大切である
 12 人それぞれのリカバリー
 13 早期介入・こころの健康

第4章 精神障害リハビリテーションを計画する
 1 治療・リハビリテーションの計画を立てるときの基本的な考え方
 2 初診察(面接)時の治療・リハビリテーション計画
 3 急性期を乗り切るための計画
 4 うまく急性期が乗り切れないときの治療・リハビリテーション計画の修正
 5 日常生活の再開や退院を準備していくための計画
 6 社会参加に向けた計画
 7 外来中断・引きこもりなどへの計画
 8 社会参加の継続を支援する

第5章 人生を支援するリハビリテーション
 1 ライフステージと精神障害
 2 就労支援
 3 恋愛・結婚・子育て支援
 4 ひとり暮らしや身体的健康の支援

第6章 回復を支える支援者の役割
 1 Personal support specialist
 2 リハビリテーションに携わる personal support specialist の視点
 3 定期的な個人面接
 4 リハビリテーションの専門家として知っておきたい技術
 5 精神障害リハビリテーションについて深く学ぶ
 6 多職種協働チーム

第7章 精神障害リハビリテーションをゆたかにする研究
 1 障害 disability の解明
 2 障害 disability を改善するためのリハビリテーションの開発と効果検証
 3 「主体」の意欲を育て,パーソナルリカバリーを支援するための研究
 4 有用なリハビリテーションの実装・普及研究とサービスの効果研究
 5 どのような社会のあり方が,障害を持つ人の社会参加を促し,
     ノーマライゼーションにつながるか

終章 時代の精神を越えて

初出一覧
索引

CASE
 1-1 生きづらさがだんだん大きくなって発症したSさん
 1-2 前節で紹介したSさんのその後
      ――時間がかかったけれど,自分の生きる方向を見つけました
 1-3 Kさんは仕事をきちんとこなしていますが,
      神経認知機能障害の影響を受けています
 1-4 ご主人のサポートを受けて主婦業をこなしているYさん
 1-5 Mさんは社会的認知の偏りが見られることがあり,時々周りの人と
      うまくいかなくなります
 1-6 障害の認識がうまくできないため混乱しているKCさん
 1-7 なぜ自分の調子が悪くなるのか,うまくつかめていなかったUさん
 1-8 Vさんは自分の障害について自覚していなかったのですが,いろいろな体験を
      積み,仲間の話を聞いたり心理教育を受けたりするうちに,少しずつ
      自分がどうしてつまずいてしまうのか,気づくようになりました。
 1-9 Aさんは仕事熱心で生真面目な会社員ですが,その認知パターンと
      ストレスとがからみあって時々調子を崩すことがあります
 1-10 職場が変わったら,無口なことが評価されるようになったNさん
 2-1 リハビリテーションを経験し,リカバリーのプロセスも順調で,
      今は仕事に生きがいを感じているTさん
 2-2 なかなか就労支援がうまくいかなかったXさん
 2-3 家でのお母さんとのやり取りからいらいらして壁を蹴ってしまったUAさん。
      e-SST で症状への対処,自分の認知のゆがみ,お母さんとの
      コミュニケーションを練習しました。
 2-4 自分がやりたいと思っていることを進めていく過程で,
      リカバリーしていったAIさん
 2-5 Bさんのよいところが見えてきたら,支援もうまくいくようになりました
 2-6 現実とつながらない願望から,実際の希望へと1歩踏み出したRさん
 2-7 あきらめと絶望のなかで,仲間の力によって希望が生まれてきたJさん
 3-1 リカバリーしていく過程のなかで少しずつ自分の生き方が変わったPさん,
      支援者との二人三脚でした
 3-2 ずいぶん試行錯誤しましたが,やっとHさんは自分なりの生き方を見つけました
 3-3 長い入院の後のひとり暮らしで,英会話が生きがいになったJBさん
 3-4 50代に入ってパートナーとめぐりあい,あたたかい家庭を築いたDさん
 4-1 苦しい急性期を乗り切ることに難渋したFEさん
 4-2 単一家族心理教育のなかで,退院後の生活について自分の考えを
      周りに伝えられたVさん
 4-3 母親に頼って自宅で生活し,外に出ようとしないWさん
 4-4 デイケアでのリハビリテーションからはじまり,学校生活,仕事経験,
      恋愛などを通して成長していったMさん
 4-5 Zさんは「服薬中断実験」などを経験しながら社会での生き方を
      自分のものにしていきました
 5-1 やりたい仕事が見つかるまで長い道程を重ねたYCさん
 5-2 職場のちょっとした出来事で幻聴がはじまり,
      いつも解雇させられると心配していたEさん
 5-3 病気になったあと,給料は安くなったがゆったり仕事できる職場が見つかり,
      納得して仕事しているCさん
 5-4 恋愛をするたびに大混乱するYKさん
 5-5 周囲の反対にもかかわらず結婚したJMさん
 5-6 Lさんは病気になって周囲に過敏になり悩みましたが,
      パートナーと出会って病気のことも話して結婚し,その後2人の子育てを
      通してふつうのお母さんの苦労をしています
 5-7 グループホームでの生活を通してひとり暮らしの技術と自信をつけたOさん
 5-8 けんかが絶えない家庭から飛び出して,グループホームの世話人の支えで
      仕事もしているNさん
 5-9 親が亡くなってLCさんは急にひとり暮らしになりましたが,母方の叔父さんや
      デイケアの支えを受けて,趣味を楽しみ,さみしさともつきあって
      生活しています
 5-10 Yさんは20年の長期入院のあと,グループホームで生活をはじめましたが,
      いろいろ苦戦しています
 5-11 いらいらから食べ過ぎてしまうことを乗り越える練習をしているGさん
 6-1 REさんは自分で試行錯誤しながらリカバリーの道をたどってきました
 6-2 病院に来たくない,自分は病気と違う,と言い続けていたAGさん
 6-3 病気や薬の説明なんかちゃんと受けていないと,治療中断してしまうZCさん
 6-4 しばしば妄想を訴えるLSさん
 6-5 LFさんのお母さんは娘の妄想に悩んでいましたが,ほかのお母さんから
      素晴らしいヒントをもらいました
 6-6 支援者として力量をつけてきたSKさん

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