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こころを診る技術
精神科面接と初診時対応の基本
筆頭著者 宮岡 等 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62020-8
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 232
判型 B6
印刷版ISBN 978-4-260-02020-6
印刷版発行年月 2014年7月
書籍・雑誌概要
「精神科における標準的な面接および初診時対応はどうあるべきか?」についてまとめた実践書。よい患者-医師関係を築く第一歩となる初回面接を中心に、精神科面接の基本的な心構えから話の聞き方・伝え方、特に注意して聞くべきポイントまでを幅広く、具体的に解説。診断基準・ガイドラインの用い方や薬物療法に関する考え方など、長年臨床家として活躍してきた著者ならではの技術や心得なども豊富に盛り込まれている。
目次
第1章 なぜ精神科は面接が大切か
精神科面接と精神医療の質
「治す」よりも「支える」精神療法
「面接がうまい」だけではなく,十分な知識が必要
医療面接を「ハンバーガー屋の店員教育」と侮るなかれ
なぜ多剤大量処方の問題は起こったのか
第2章 知っておきたい医療面接の基本
なぜ医療面接は生まれたか
医療面接の教育
医療面接における評価
精神疾患が対象となる「医療面接上級編」
医療面接と精神科面接の相違
第3章 症例と解説でみる精神科の初診時面接
1 うつ病が疑われる症例
2 心気症が疑われる症例
第4章 診療の基本
患者に不快感を与えない服装を
診察状況に応じて患者と医師の位置関係を考える
相手の目を見つめすぎない
ゆっくり話す
大きめの時計を見やすい場所に
第5章 初診時面接・初期対応
1 診療の枠組み
2 面接の姿勢と方法
3 病歴や精神症状の尋ね方
4 診断の考え方
5 対応の基本
6 治療方針の伝え方
第6章 通常の外来での精神科面接と対応
1 頭に置いておくべき大原則
2 対応のポイント
3 臨床に役立つ精神分析の知識
4 精神療法や面接の副作用
第7章 場面や患者ごとに検討すべき対応
がん患者のうつ状態
身体症状に心気症症状が加わった状態
身体疾患様病名を告知されている場合
発達障害やその合併が疑われる場合
認知症症状を認める場合
家族のみで相談に来た場合
第8章 症状評価・操作的診断基準の考え方
1 症状評価
2 操作的診断基準
3 治療ガイドライン
第9章 薬物療法の大原則
通常の診療には薬物療法の知識が不可欠
単剤投与を心がける
向精神薬療法以外の対応も必ず考える
年齢や身体疾患を考慮して少量から開始する
効果のプロフィールによる抗不安薬の使い分けは不要
ベンゾジアゼピン系薬剤は興奮を強めることがある
ベンゾジアゼピン系薬剤を安全な薬剤と考えない
エチゾラムは他の向精神薬と同様の注意が必要
軽症のうつ状態には抗うつ薬が有効でない可能性がある
抗うつ薬の選択は副作用を指標とすべき
身体疾患治療薬も含めて薬物相互作用を考える
フルニトラゼパムは特に注意すべき薬剤である
適切な情報を選ぶ
向精神薬ではプラセボ効果が大きい
添付文書の記載を十分知って薬物療法を行う
新規向精神薬の印象を安易に古典的薬剤に応用しない
副作用治療薬を加えるよりも原因薬を調整する
第10章 診療録の書き方
診療録記載は重要である
診療録の一般的記載
精神症状全般の評価
身体症状や身体所見
法律や保険診療に関係する記載
医師の説明と同意内容
情報共有の手段であるという理解
面接の連続性
あとがき
索引
Columns
(1)「あなたもうつ病」キャンペーン?
(2)面接と立場
(3)認知行動療法の隆盛に思う
(4)過度の医療化を防ぐ地域医療
(5)disease mongering
(6)治療しないことの効果
(7)「インフォームド・コンセントがあればよい」という誤解
(8)面接の透明性
(9)認知行動療法とdisease mongering
(10)認知症のBPSDにも非薬物的対応が大切
(11)リエゾンはバトルである!
(12)面接ではわからないが自記式質問票ではわかる?
(13)必須薬
(14)睡眠薬をめぐる問題
(15)添付文書を理解する
(16)適切な薬物療法と精神科研修