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リハビリテーションのためのニューロサイエンス

脳科学からみる機能回復

リハビリテーションのためのニューロサイエンス
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筆頭著者 西条 寿夫 (監修)

その他の著者等 伊佐正 監修/浦川将 編集

メジカルビュー社

電子版ISBN 978-4-7583-7103-2

電子版発売日 2016年12月12日

ページ数 296

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7583-1684-2

印刷版発行年月 2015年9月

DOI https://doi.org/10.18885/9784758316842

書籍・雑誌概要

近年,脳科学・脳神経学に関する研究は目覚しい進歩を遂げており,臨床現場でも根拠ある治療法として広く活用されはじめている。本書は,脳の損傷により脳内でどのような変化が起きているか,リハビリテーションの一環として動作等を実施している際に何が起きているか,これまでにないリハビリテーションの戦略としてどのようなことが研究されているか,といったテーマを中心に,基礎から一歩踏み込んだ,最新の脳科学研究をイラストや動画を交えて解説。最新機器によるリハビリテーションの様子や,リハビリテーション時の患者の変化を視覚的に理解することができる。また,側注の用語解説で専門用語もわかりやすく解説。リハビリテーションスタッフが知っておくべき脳科学研究をまとめた,脳神経科学の入門書としても最適な一冊。

目次

1章 脳の機能と損傷による変化
  1 脳神経科学の基礎理論
   リハビリテーションと神経科学の研究領域
   神経細胞とその周辺システム
   リハビリテーションにかかわる神経システム(神経制御機構)
   中枢神経障害後の経時的変化(損傷によって何が起こるか)
   機能的変化をさぐる(短期的変化・長期的変化)
   リハビリテーションによる機能回復(神経機構)の概念
  2 運動機能・感覚機能〜運動にかかわる大脳皮質と皮質下脳領域の役割〜
   運動の出力系
   脳幹を介する出力系
   感覚入力系
   制御系
   運動の動機づけ(覚醒,記憶,情動,本能,自律神経,内分泌系)
   運動の熟達
  3 運動にかかわる大脳皮質各領域の役割
   運動制御における7つの問題
   運動関連領野の役割
   前頭前野群
   頭頂葉群
   まとめ
  4 神経損傷後の神経回路再編成
   脳梗塞巣近傍領域における神経回路再編成
   グリオ細胞における変化
   健常半球における神経回路再編成と機能代償
   おわりに
  5 記憶のダイナミクスとそのメカニズム
   恐怖条件付け学習
   記憶の固定化(短期記憶から長期記憶へ)
   記憶の再固定化(想起による記憶の強化・更新)
   記憶の消去学習
   記憶のアップデート機構(過去の記憶をもとにした新たな記憶の形成)
   記憶のシステムレベルの固定化と海馬の神経新生
   おわりに

2章 リハビリテーションによる脳の変化
  1 生体外部からの刺激がもたらす効果:動物実験による基礎研究
   豊かな飼育環境がもたらす大脳皮質の形態変化
   脳における神経細胞の新生(脳損傷のない場合)
   脳損傷後の神経細胞の新生
   外界からの環境刺激がもたらす脳損傷後の神経細胞新生への影響
  2 サル脳損傷からの回復過程にみる脳内変化
   脳損傷モデル動物としてのサル
   脳損傷後の運動トレーニングがもたらす把握動作の回復
   どのようなリハビリテーション課題がより回復を促進するか
   機能回復を生み出す脳活動の変化
   機能回復を生み出す神経回路の変化
   機能回復を生み出す遺伝子発現の変化
  3 手指の機能回復を可能にする神経回路の解明
   脊髄部分損傷後の機能回復モデル
   機能回復に対する上位中枢の関与
   神経経路の機能同定における分子遺伝学的手法の有効性
   ウイルス2重感染法によるサル脊髄固有ニューロンの手指巧緻性における機能の解明
   サル脊髄固有ニューロンが脊髄損傷後の手指の巧緻運動の回復において果たす役割
  4 ミラーセラピー:鏡を使ったリハビリテーション
   ミラーセラピーの背景と効果発現機序
   鏡による錯覚を利用したリハビリテーションによって脳内で起こっていること
   ミラーセラピー研究の今後について
  5 手指の拘縮に対するリハビリテーション〜手からの刺激が如何に重要か〜
   手指の拘縮では何が起こっているか?
   拘縮に対する取り組み
   高反発力クッショングリップは拘縮治療の新兵器
   手に自然な心地よい刺激が入ることの重要性

3章 リハビリテーションの新たな戦略
  1 BMI(brain-machine interface)によるリハビリテーション
   中枢神経損傷後の回復
   頭皮脳波の分析技術
   運動出力型BMIの臨床研究
   運動機能の回復と脳の可塑性
   BMIによる神経リハビリテーションの試み
   BMIによる機能回復のメカニズム(仮説)
   これからの展望
  2 ニューロフィードバックを用いたリハビリテーション介入
   脳機能からみた脳損傷後のリハビリテーション
   運動想像を用いたリハビリテーション
   ニューロモジュレーションによる機能回復
   ニューロフィードバック
   ニューロフィードバックに用いられる脳機能測定技術
   脳機能測定技術としての近赤外分光法(NIRS)
   NIRSを用いたニューロフィードバック
   NIRSを用いたニューロフィードバックの脳卒中後片麻痺への応用
   脳卒中後片麻痺患者以外への応用
  3 ロボットによる歩行リハビリテーション
   通常歩行に関与する神経制御機構
   歩行のリハビリテーション再考
   ロボットを活用した歩行へのリハビリテーションアプローチ
   歩行のリハビリテーションにおける上位中枢
   おわりに
  4 人工神経接続によるリハビリテーション
   脳神経損傷後に残存している神経回路網
   機能的電気刺激
   神経活動依存的電気刺激
   人工神経接続による機能再建
   人工皮質脊髄路による皮質脊髄路のシナプス結合の強化
   おわりに

4章 リハビリテーションの実践と脳科学
  臨床での実践で,脳に何が起こっているのか
   臨床での取り組みを脳科学者と相互ディスカッションする意義
   症例A:歩行障害
   症例B:上肢機能障害
   症例C:認知(高次脳)機能障害,高齢者

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