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“脳と心”からみた
統合失調症の理解
筆頭著者 倉知 正佳 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62552-4
電子版発売日 2016年8月29日
ページ数 304
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-260-02552-2
印刷版発行年月 2016年6月
書籍・雑誌概要
統合失調症診療・研究の第一人者による待望のモノグラフ。疾患概念や病態仮説の歴史的進展から神経生物学的研究の最前線までを平易に詳説。画像研究、認知神経心理学、精神薬理学、神経生理学、遺伝子解析など様々な角度からのアプローチにより、統合失調の本態に迫る内容。統合失調症を予後良好な疾患にすることを目指して長年診療・研究に携わってきた著者畢竟の書き下ろし。
目次
第Ⅰ部 統合失調症とはどのような疾患か
第1章 統合失調症の概念と診断
1.統合失調症概念の成立
2.統合失調症に近縁な精神状態
3.診断
第2章 精神症候学の進歩
1.K. シュナイダーの一級症状
2.自我障害(disturbance of the self)
3.諸症状の出現頻度と認知心理学的アプローチ
4.症候群分類
5.陰性症状と陽性症状の用語の由来
第3章 疫学,遺伝的および環境的要因
1.疫学
2.遺伝的要因
3.環境的要因
4.遺伝と環境の相互作用
第4章 発病仮説と脳の発達過程
1.病前の性格・行動特徴
2.思春期の精神病様体験
3.脆弱性/ストレスモデル
4.神経発達障害仮説
5.脳の発達過程
第5章 経過と転帰
1.判定基準
2.ドイツ語圏での研究
3.日本での研究
4.WHOの統合失調症の国際的共同研究
5.初回エピソード精神病の5年後の転帰
6.統合失調症の範囲
第6章 転帰に関連する生物-心理-社会的要因
1.未治療精神病期間
2.陰性症状
3.認知機能
4.脳形態
5.再発に関連する要因
6.統合失調症の診断基準の妥当性
第Ⅱ部 統合失調症の神経生物学
第7章 精神症状の神経心理学
1.思考形式の障害
2.陽性症状
3.陰性症状
4.症候群
第8章 認知機能障害
1.統合失調症に認知機能障害はあるか
2.認知機能障害の特徴と臨床的意義
3.社会認知障害
4.認知機能障害の神経生物学的背景
5.探索的眼球運動
6.治療による改善可能性
第9章 脳の形態学的変化
1.統合失調症の脳の形態学的変化の概要
2.脳の形態学的変化は進行性か? 疾病時期ごとのまとめ
3.脳画像検査の臨床的意義
第10章 病態形成
1.疾患の病理と脆弱性に関連する変化との区別
2.脳の組織学的変化
3.遺伝子多型と脳形態
第11章 病態生化学的仮説
1.ドーパミン仮説
2.N-methyl-d-aspartate(NMDA)受容体の機能低下仮説
3.GABAergic origin hypothesis
4.酸化ストレス
5.カルボニルストレス
6.遺伝子発現制御の障害
第Ⅲ部 予後良好な疾患にするために
第12章 脳の組織学的変化を改善しうる治療薬の開発
1.抗精神病薬開発のストラテジー
2.現行の向精神薬の神経保護作用
3.脳の組織学的変化を改善しうる治療薬の探索/開発
第13章 早期介入
1.初回エピソード
2.リスク精神状態(at-risk mental state)
3.早期介入の実際
付録 歴史的な補足
1.E. クレペリン(Emil Kraepelin,1899)による「早発性痴呆」病像の記述
2.M. ブロイラー(Manfred Bleuler,1972)の転帰の基準
あとがき
索引