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健康格差対策の進め方
効果をもたらす5つの視点
筆頭著者 近藤 尚己 (著)
医学書院
電子版ISBN 978-4-260-62501-2
電子版発売日 2017年5月1日
ページ数 192
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-260-02501-0
印刷版発行年月 2016年10月
書籍・雑誌概要
健康日本21(第二次)の基本姿勢に加わった「健康格差の縮小」。本書は、その健康格差対策に役立つ理論や重要な5つの視点を押さえ、実践に活かせる事例を紹介・解説した実用書。自治体独自のデータの扱い方や健康に無関心な層への働きかけ方など、健康格差に関わる医療機関や行政機関の方々に、ヘルスプロモーションを効果的に進める知恵と工夫を伝授する。
目次
はじめに
I 健康格差を知る
1.健康格差の何が問題か
健康格差とは
貧困とは
日本の健康格差の現状-これまでにわかったこと
その格差,是正すべき? まず「見て」「考え」よう
優先順位づけ:対策すべき健康格差か否かを判断する基準
2.公衆衛生の動向と健康格差対策
公衆衛生活動の変遷における健康格差対策
ヘルスプロモーションへの批判と対応
3.健康格差対策の進め方 5つの視点の概略
健康格差対策特有の課題とは?
視点1:健康格差対策のための新しいポピュレーション・アプローチ
視点2:「見える化」による課題共有とPDCA
視点3:横断的・縦断的な組織連携
視点4:健康に無関心な人にも効果的な戦略
視点5:ライフコースにわたる対策
まとめ:健康格差対策の課題を克服するために
II 健康格差対策の進め方 5つの視点
視点1 健康格差対策のための新しいポピュレーション・アプローチ
ハイリスク・アプローチの限界-「予防のパラドクス」
ポピュレーション・アプローチが健康格差を拡大させる?
-「格差のパラドクス」
健康格差を縮める「改訂版」ポピュレーション・アプローチ
視点2 「見える化」による課題共有とPDCA
「見える化」はなぜ必要?
優先順位づけの方法
健康格差是正の目標設定法
健康格差の見える化に使うデータの入手法
「わかりやすい」データの見せ方
視点3 横断的・縦断的な組織連携
健康格差対策のための「連携」
ソーシャル・キャピタルと健康格差対策
「連携づくり」「まちづくり」は誰が進める?
連携に便利なツールを活用しよう
会話を加速させる会議運営の技術
視点4 健康に無関心な人にも効果的な戦略
私たちはいつも“正しい”選択をしているか?
従来の行動変容モデルの成功と限界
私たちの行動を深掘りしよう:認知の2つのシステム
健康に無関心な集団への対策とは?
認知バイアスを活用して「思わず健康に」
マーケティング:「モノを売る」理論
ブランド戦略の応用:「カッコイイ」と売れる
ゲーミフィケーション:健康づくりを「ゲーム」に
行動科学・マーケティング手法を応用した新たな戦略:さらなる事例
ユニークなアイデアで勝負!
視点5 ライフコースにわたる対策
健康は胎児期からの環境曝露の蓄積で決まる
それぞれのライフステージ特有の健康の社会的決定要因
小さいときに介入するほうが安上がり
III 健康格差の評価法
1.健康指標の選び方
健康格差対策は「地域」と「個人」の2段階で評価する
「数」ではなく「割合」が大事:分母を意識しよう
よい指標の選び方
2.健康格差指標の算出
健康格差の指標とは,集団間のばらつきの指標
まず集団別に指標を算出
指標化の際の視点
実際の格差指標
実際の使い方
社会経済状況に関する主な指標
健康格差の評価のその他の注意点
健康格差経年変化を観察する際の注意点
資料編 役立つ情報紹介
WHO健康の社会的決定要因に関する特別委員会最終報告書(2008)の
「3つの行動原則」(著者訳)
公益財団法人医療科学研究所「健康格差対策の7原則」
健康格差の評価・個人や地域の社会関係の評価のための調査項目例
健康格差指標の計算ソフトウェア:HD*CalCについて
厚労科研「健康の社会的決定要因に関する研究班」ウェブサイト
相対的剥奪指標の項目一覧の比較
部署間連携のためのアクションチェックリスト(第1版)
謝辞
索引