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小児感染症の微生物検査の進め方

小児感染症の微生物検査の進め方
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筆頭著者 堀越 裕歩 (編)

東京都立小児総合医療センター 総合診療部感染症科・免疫科 医長

南山堂

電子版ISBN 978-4-525-98498-4

電子版発売日 2023年4月17日

ページ数 315

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-525-28921-8

印刷版発行年月 2023年4月

DOI https://doi.org/10.15104/9784525289218

書籍・雑誌概要

小児感染症診療で必要な微生物検査について,各検査の原理や検体採取・保存方法などの基礎知識をわかりやすく説明し,さらに疾患別に,原因微生物や診断の絞り込みに必要な検査を選び,検査結果をいかに解釈して鑑別診断や治療選択へつなげていくのか,その思考プロセスまで,小児感染症科医が実践的に解説した.“感染症診療のKey”となる微生物検査の知識を凝縮した1冊!

目次

Part I 微生物検査の基礎知識
1 小児感染症診療の手順と微生物検査の位置づけ
2 迅速抗原検査
3 塗抹検査
4 血液培養検査(細菌,真菌)
5 細菌の培養同定検査
6 細菌の薬剤感受性検査
 1)薬剤感受性検査
 2)アンチバイオグラム
7 抗酸菌の培養同定検査,薬剤感受性検査
 1)結核菌および非結核性抗酸菌の培養同定検査
 2)抗酸菌の薬剤感受性検査,耐性遺伝子検査
8 真菌の検査
 1)真菌の培養同定検査,薬剤感受性検査
 2)真菌のバイオマーカー検査
  ①β-D-グルカン
  ②ガラクトマンナン抗原
  ③クリプトコックス抗原
9 核酸増幅検査
10 血清抗体検査
11 毒素検査
 1)Clostridioides difficileの毒素
 2)ベロ毒素
 3)黄色ブドウ球菌の毒素(PVL, SE, ET, TSST-1)
12 小児感染症診療におけるTDM
 1)バンコマイシン
 2)テイコプラニン
 3)ゲンタマイシン,トブラマイシン,アミカシン
 4)ボリコナゾール

Part II 実践!疾患別の微生物検査の進め方
1 血流感染症
 1)菌血症
 2)真菌血症
 3)3か月未満乳児のウイルス血症
2 神経系感染症
3 呼吸器系感染症
 1)A群溶連菌咽頭炎
 2)百日咳
 3)ウイルス性上気道炎
 4)細気管支炎
 5)肺炎
 6)膿胸
4 頭頸部系感染症
 1)化膿性中耳炎
 2)化膿性副鼻腔炎
 3)眼周囲・眼窩蜂窩織炎
 4)感染性結膜炎
 5)ウイルス性唾液腺炎
5 循環器系感染症
 1)感染性心内膜炎
 2)心筋炎・心外膜炎
 3)感染性血管炎(Lemierre症候群)
6 消化器系感染症
 1)感染性胃腸炎
 2)腹腔内膿瘍・腹膜炎
 3)抗菌薬関連下痢症─Clostridioides difficile infection(CDI)
7 肝胆道系感染症
 1)肝炎
 2)胆嚢炎・胆管炎
8 尿路系感染症
9 皮膚・軟部組織感染症
 1)伝染性膿痂疹(とびひ)
 2)水痘・帯状疱疹
 3)麻疹
 4)風疹
 5)カポジ水痘様発疹症
 6)皮膚カンジダ症
 7)皮下膿瘍
 8)化膿性筋炎
 9)表在リンパ節炎(頸部,鼠径部,腋窩)
10 骨・関節感染症
 1)骨髄炎
 2)関節炎
11 生殖器感染症
 1)精巣炎
 2)精巣上体炎
 3)尿道炎
 4)外陰部炎
 5)子宮頸管炎
 6)骨盤内炎症性疾患
12 特殊な状況での感染症
 1)新生児の先天性感染症
  ①先天性トキソプラズマ感染症
  ②先天性サイトメガロウイルス感染症
  ③風疹(先天性風疹症候群)
  ④先天梅毒
  ⑤新生児単純ヘルペスウイルス感染症
  ⑥水痘(先天性水痘症候群)
  ⑦新生児HIV感染症
  ⑧HTLV-1母子感染
  ⑨新生児結核
  ⑩先天性ジカウイルス感染症
 2)免疫不全者の肺炎
 3)免疫不全者の消化管感染症
  ①カンジダ食道炎
  ②サイトメガロウイルス腸炎
 4)術後創部感染症
 5)医療機器関連感染症
  ①カテーテル関連血流感染(CRBSI)
  ②カテーテル関連尿路感染(CAUTI)
  ③人工呼吸器関連肺炎(VAP)
 6)好中球減少性発熱,造血幹細胞移植後の感染症
 7)動物による咬傷
 8)国内における小児の寄生虫症・人獣共通感染症
  ①日本海裂頭条虫症,蟯虫症
  ②ダニ媒介感染症─リケッチア科細菌感染症(ツツガムシ病,日本紅斑熱)など
  ③淡水曝露によるレプトスピラ症
  ④クリプトスポリジウムによる消化管感染症
 9)開発途上国などの渡航後発熱
 10)被性的虐待児

Column
・せっかく採取した検体,その保存方法で大丈夫?
・MICが低い薬剤のほうがよいと勘違いしていませんか?
・耐性遺伝子(耐性機序を制御する遺伝子)の存在する場所が,プラスミド型か,染色体型かに注意
・真菌のバイオマーカーが上がっていたら,本当に真菌感染?
・血清抗体検査の半定量と定量・定性の結果判定,解釈の違い
・炎症性マーカーの上昇は,細菌感染が原因といえるのか?
・なぜ薬物血中濃度を測る必要があるのか?─PK/PD, TDMの必要性
・濃度依存性,時間依存性の薬剤とは?
・微生物が検出されたら,感染で悪さをしているといえるのか?それとも,ただそこにいるのを見つけただけ?
・検査で大事なのは“事前確率”
・診断や治療のための検査と,サーベイランスのための検査の“目的”の違い