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フリーワード 詳細検索 by 医中誌
結節性痒疹は,瘙痒の強い結節が体幹や四肢に多発し,慢性の経過をとる.外用剤では効果が乏しく,強いかゆみによって患者のquality of life(QOL)が著しく損われてきた疾患である.基礎疾患を伴う場合と伴わない場合があり,前者はアトピー性皮膚炎,糖尿病,腎不全,透析患者に多く,後者は体質としか言いようがない.
結節性痒疹(prurigo nodularis;PN)の発生機序の詳細は未解明であるが,近年,その一端が明らかになりつつあり,治療法の進歩がみられるようになってきた. 病理組織学的には表皮,真皮の変化とともに,肥満細胞,リンパ球や好酸球などの増加がみられる(後詳述).
結節性痒疹(prurigo nodularis;PN)は,強いそう痒を伴う硬い結節を特徴とする難治性の皮膚疾患であり,患者の生活の質(QOL)を著しく損う.PNの病態は,これまで掻破行動に起因する神経系の変化や表皮肥厚,線維化に焦点が当てられてきた.一方で近年,皮疹部における免疫細胞やサイトカインの解析が進み,免疫学的な側面からの病態理解が進んでいる.
結節性痒疹のコアとなる症状は痒みである.痒みは末梢感覚神経で感知される.その「痒み情報」は脊髄へと伝達され,脊髄内の複雑な神経回路で処理されたのち,さらに脊髄内を上行して脳へと至り,痒みとして認識される.痒い所を引っ掻くのはヒトの常であり,引っ掻くことで,痒疹結節が形成されるようになる1)2).
結節性痒疹とは,強い瘙痒を伴う直径1 cm内外の半球状の結節が主として四肢伸側に孤立性に多発する反応性アレルギー性皮膚疾患であり,性差は乏しく中高年以降に好発する1).アトピー素因を背景とすることが多く,アトピー性皮膚炎を有する患者が3割程度いるとされる2).
結節性痒疹(PN)は比較的稀な疾患である.現在の本邦の痒疹ガイドライン2020においては,PNの要因にアトピー素因が記載され,痒疹の原因による分類の中にアトピー性皮膚炎(AD)にみられる痒疹が記載されている.また,国際的には,PNとADは明確に区別すべきであり,ADを合併したPNと考える流れもある.
結節性痒疹(PN)は,慢性的な強いかゆみと,それに伴う掻破行動によってできる硬い結節が特徴の皮膚疾患である.PNは,かゆみを伴う慢性腎臓病(CKD)患者,特に血液透析(HD)を受けている末期腎臓病患者で報告されている1).
結節性痒疹(prurigo nodularis;PN)は,高度に掻痒を伴い慢性的な掻破行動により形成される結節性病変を特徴とする難治性疾患であり,生活の質(quality of life;QOL)を著しく損う.PNはさまざまな疾患に合併してみられ,基礎疾患の検索は診療上きわめて重要である.
結節性痒疹と後天性反応性穿孔性膠原線維症(acquired reactive perforating collagenosis;ARPC)は,一般には異なる疾患と考えられている.しかし,ARPCに特徴的な皮疹と痒疹結節が同一患者に混在することも少なくない.たとえば,臨床的には結節性痒疹と考えて生検を行い,病理組織学的にはARPCに特徴的な所見が認められても,実際にはARPCに典型的な皮疹よりも痒疹結節の占める割合が多く,診断に苦慮する症例も存在する.両疾患の異同については,日本皮膚科学会の痒疹診療ガイドラインにも記載されているように,以前から議論が続いている1).
結節性類天疱瘡は,水疱性類天疱瘡の一亜型と考えられている.臨床的に結節性痒疹と類似し,強い掻痒を伴う結節性病変が頭部や背部,四肢に好発し,病理組織像でも結節性痒疹と同様に角層と表皮の肥厚,真皮浅層へのリンパ球や好酸球の浸潤がみられる.
結節性痒疹は慢性痒疹群の一型であり,全身性あるいは限局性に強い搔痒を伴う丘疹や結節を生じ,治療に難渋する疾患である.強い搔痒による搔破行動が症状の慢性化や皮膚病変を形成,拡大する.アトピー性皮膚炎の合併やアトピー素因を有することが多いが,結節性痒疹はアトピー性皮膚炎にみられるような強い2型炎症を示さず,間質リモデリングと神経や血管の調節異常を特徴とする1)2).
結節性痒疹(prurigo nodularis;以下PN)は,皮膚に強い瘙痒を伴う結節が出現する反応性皮膚疾患である.繰り返し掻破をすることで瘙痒の慢性化と病変の遷延化をひき起こす悪循環に陥る.このような慢性経過,強い瘙痒,外見的な変化は,単なる皮膚症状にとどまらず,患者の精神的ストレス,社会生活の制限,就労困難,睡眠障害による日中の倦怠感や集中力低下など,生活の質(quality of life;QOL)全般に影響を及ぼす1).
好塩基球は末梢血白血球の1%に満たない希少な細胞である.高親和性immunoglobulin(Ig)E受容体を発現し,マスト細胞と類似することから,かつては循環型マスト細胞と見なされていた.2000年以降,特異的遺伝子の同定とノックアウトマウスなどの遺伝子機能解析ツールの樹立により,多様な生命現象(アレルギー炎症,生体防御,組織修復や線維化,がん,自己免疫疾患など)における好塩基球独自の機能が明らかになった1)2).
結節性痒疹(prurigo nodularis;PN)は,強い瘙痒を伴う孤立性丘疹を特徴とし,丘疹は原則として集簇しても融合はしない.PNは皮疹の見た目だけでなく,痒みに起因する精神的ストレスや不眠といった症状も大きな問題となる難治性皮膚疾患である1).
ネモリズマブは,インターロイキン-31(IL-31)の阻害を目的とした抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体製剤である.2022年8月にアトピー性皮膚炎に伴う瘙痒に対して世界に先駆けて本邦で使用可能となり,2024年6月に結節性痒疹に対して適用を拡大した.
デュピルマブやネモリズマブの登場により,結節性痒疹の診療現場は大きく変化しつつある.一方で,結節性痒疹の多様性についてもしだいに明らかになりつつあり,今後はさらなる新規治療薬の登場が期待される1). 本稿では,JAK阻害薬を含む現在開発中の薬剤について紹介する.
バリシチニブの排泄は,尿中75%,糞中20%の腎排泄であり,eGFR 60 mL/min以上の場合に4 mg/日連日内服であり,60 mL/min未満の場合,2 mg/日内服とする1).eGFR 60 mL/min未満ではAUC0〜∞が122%である.他薬剤の添付文書では,eGFRに応じた投与量の調節の指示はない.