Clinical Engineering 30巻1号 (2018年12月)

特集 理解を深めよう! ICUでよくみるおもな疾患・病態

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意識障害は救急現場だけでなく病院内においても頻出する症候であり,臨床工学技士として意識障害の発症に気付き,その程度を正確に評価できることが重要である.他の医療スタッフとともに治療介入の適切なタイミングを図るために,意識障害の機序・評価法・初期対応・分類を理解する必要がある.

ショック 政所 祐太郎 , 垣花 泰之
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ショックは,単に収縮期血圧が低下する状態であると認識されている場合が多いが,その定義・病態を確認すると,循環不全により細胞機能や代謝異常をきたした状態と理解すべきである.血圧低下以外にもさまざまなパラメータや身体所見などからショックを早期認知する必要があり,ショックの各病態を理解し,病態ごとの治療を知ることが重要である.

急性冠症候群(ACS) 山科 章
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急性冠症候群(ACS)で大切なことは,迅速に診断を確定し,緊急血行再建を含む治療・処置を同時進行で手際よく進めることである.そのためには病歴,身体診察,血液検査,心電図検査,心エコー図,胸部X線検査などの検査と並行して,静脈ライン確保,酸素吸入,心電図モニタリングなどの処置を進め,一方で心臓カテーテル室での緊急冠動脈造影,カテーテル治療をスタンバイ状態にしなければならない.臨床工学技士を含むチーム医療体制の確立および成熟が必要である.

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急性呼吸窮迫症候群(ARDS)には特異的な治療法がなく,重症度に応じた人工呼吸戦略や補助療法の組み合わせで集中治療が行われているが,いまだに40%近い死亡率の難治性の病態である.この病態をよく知り,状況に応じて各種医療機器を適切に使用することで,救命の可能性を上げることができる.

急性腎障害 山下 徹志 , 土井 研人
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急激に進行する腎機能低下を呈する病態は,細胞・組織レベルでの早期の腎臓障害を含む急性腎障害(AKI)として新たに認識されるようになり,2016年にわが国でもガイドラインが作成された.AKI全般に対する確立した治療薬が存在しない現状において,腎代替療法は治療の主体となっている.

敗血症(sepsis) 島居 傑 , 織田 成人
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敗血症(sepsis)は,「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされる状態」と定義される.その救命には迅速な治療開始と臓器障害への適切な対応が必要であり,なかでも循環障害に対しては,動的指標などを用いた輸液反応性の適切な評価が重要である.敗血症の治療では,病原微生物由来の物質(PAMPs)や体内で産生される免疫活性化物質(DAMPs),および,これらの刺激で産生されるhumoral mediatorの制御が救命に寄与する可能性がある.血液浄化療法はその制御への有用性が期待される治療法である.

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血小板減少症で重篤な病態として,播種性血管内凝固症候群,血栓性微小血管症およびヘパリン起因性血小板減少症がある.急性血液浄化施行に伴い,前者では出血傾向が,後者の2疾患ではヘモフィルタや回路が閉塞することがあり,病態把握と注意が必要である.

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ICUでの血糖管理では,正確な血糖測定が重要である.血糖値が180 mg/dLを超えるまではインスリン投与を行わず,インスリン投与中は,144~180 mg/dLを目標としてコントロールする.高血糖と同等あるいはそれ以上に低血糖の発生に注意する.

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心臓外科術後の多くの患者は特段の介入なく良好な経過をたどることが多いが,ひとたび循環破綻に陥ると,PCPSやIABPなどの循環補助装置をはじめとした多くのデバイスが必要となる.臨床工学技士も,良好な術後経過や基本的な術後の心臓生理について理解しておく必要がある.

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血液のpHは,二酸化炭素(CO2)分圧と各種のイオン濃度の比で定まる.CO2は全身の細胞内のミトコンドリアでおもに産生され,肺から体外に排泄される.動脈血CO2分圧(PaCO2)は,呼吸中枢で40±5 Torrの狭い範囲に制御され,呼吸性因子と呼ばれる.血液中のすべてのイオンはpHに影響を与えるが,それぞれのイオン濃度の間には密接な関係がある.炭酸(H2CO3)の濃度はCO2分圧と平衡状態にあるが,炭酸の共役塩基*1である炭酸水素イオン(bicarbonate,HCO3.重炭酸イオンともいう)を血中イオン全体の代表として扱い,これを代謝性因子と呼ぶ.CO2分圧と共役塩基であるHCO3濃度がわかれば,質量作用の法則*2から導かれるHenderson-Hasselbalchの式*3で血液のpHが計算できる.

【特集関連記事】せん妄 鶴田 良介
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J-PADガイドライン1)と北米のPADISガイドライン2)を参考に,ICU患者のせん妄を概説する.ICU患者におけるせん妄は,ほかの臓器障害と同様に急性発症する脳の機能障害,すなわち,多臓器障害の一分症である.

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Clinical Engineering
30巻1号 (2018年12月)
電子版ISSN:2432-1265 印刷版ISSN:0916-460X 学研メディカル秀潤社

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