特集 理解を深めよう! ICUでよくみるおもな疾患・病態
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大塚 将秀
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター集中治療部
pp.68-70
発行日 2018年12月25日
Published Date 2018/12/25
DOI https://doi.org/10.15105/CE.0000000353
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血液のpHは,二酸化炭素(CO2)分圧と各種のイオン濃度の比で定まる.CO2は全身の細胞内のミトコンドリアでおもに産生され,肺から体外に排泄される.動脈血CO2分圧(PaCO2)は,呼吸中枢で40±5 Torrの狭い範囲に制御され,呼吸性因子と呼ばれる.血液中のすべてのイオンはpHに影響を与えるが,それぞれのイオン濃度の間には密接な関係がある.炭酸(H2CO3)の濃度はCO2分圧と平衡状態にあるが,炭酸の共役塩基*1である炭酸水素イオン(bicarbonate,HCO3−.重炭酸イオンともいう)を血中イオン全体の代表として扱い,これを代謝性因子と呼ぶ.CO2分圧と共役塩基であるHCO3−濃度がわかれば,質量作用の法則*2から導かれるHenderson-Hasselbalchの式*3で血液のpHが計算できる.
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