助産雑誌 74巻1号 (2020年1月)

特集 自由な発想で助産ケアを発信しよう 社会に広がる助産師の活動

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現在,日本の約99%のお産が病院で行なわれており,施設で提供されるケアは母子にとって軸であり,基本です。そして,退院してから母子が暮らすのは地域ですが,すぐに,容易に助産師にアクセスできない母子が多いのが現状です。だからといって,地域で働く助産師が増えるのが理想かといえば,それもまた簡単にはいかないようです。

そこで本特集では,病院勤務か,地域に出るか……と,場に縛られることなく,自由な発想で広く社会に情報発信をし,母子と家族の支援を行なっている方々の,助産や医療の視点だけに留まらない活動をご紹介します。病院と,地域や社会がゆるやかに連携し循環することを願っています。

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病院勤務か,地域に出るか,助産院を開業するか……“場”に縛られなくても,助産師の活動の場は拓くことができそうです。もっと自由に,そしてもっと社会とつながり,母子や家族を支えたい,日本の助産師が抱える閉塞感を打開したい—そんな熱い思いを3名の助産師さんが語ってくださいました。

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2年前に日本で最初の「助産師YouTuber」として,動画で妊娠・出産・育児等にまつわる情報発信を始めたアミプラのお二人。自分たちの病院では出会えない多くの視聴者に向けて,きちんと自分たちの配信する核と軸を決め,ぶれないように活動されています。

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助産師として,人工妊娠中絶をした女性の苦悩や,若者が責任ある選択ができるようなスキルを身に付けるために性教育の必要性を痛感していた頃,SUNNYさんはYouTubeの活用を思い付いたそうです。女性のために,開かれた場で情報発信をされている思いをご執筆いただきました。

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海外に住む日本人の母親が妊娠・出産・産後に関する情報を得ようとしても,言葉の壁があり,思うようにはいかないようです。本稿では,オンラインで助産院を開業されている筆者に,立ち上げに至った想いや,相談されることが多い内容,そして今後目指している活動について述べていただきました。

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2019年11月,「女性の健康対策—思春期女子を持つ家族がしておくべき5つのコト」という市民公開講座が行われました。本稿では,その開催に至った経緯をご執筆いただきました。

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埼玉県のさら助産院では母親やその家族のための,地域に根差したさまざまな活動が行われています。本稿では,さら助産院で行われた今までの活動や,活動を通して生まれた母親たちとの関わりを執筆していただきました。

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佐藤さんが病院勤務を辞めたのも,震災後に被災地でサロンを始めたのも,全ては地域で悩む母親を支えるためだったそうです。その際,市民である自分たちで社会を変える手法を学び,青年会議所にも所属しました。その活動の過程をご紹介いただきます。

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助産師の傍ら音楽活動をしている溝野さん。命の誕生と,死に向き合っているからこそ感じることをテーマに,歌を紡いでいるそうです。人が生を受けることは喜びだけではなく,生きるつらさや,悲しみをも背負うことを意識し,少しでも力になりたいと願う音楽活動をご紹介いただきます。

新春特別企画

令和初! 新年に向けての抱負
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元号が令和になり,初めての新年を迎えました。心も新たにして現在の業務に取り組もうとお考えの方も多いのではないでしょうか。本稿では臨床・研究で活躍されている助産師の先生方の「新年に向けての抱負」を集めました。読者の皆さんはどんな「新年の抱負」をお持ちでしょうか?

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はじめに

 2019年7月28日(日),埼玉県八潮市で「大笑い子育て! くわばたりえさん×さら助産院トークライブ」(以下,トークライブ)が行われました。開始前のトークライブの会場では,主催者であるさら助産院代表の直井亜紀さんが,受付の列に並んでいる参加者に声を掛けられていました。参加された方は,ほぼ全員が育児中の女性,中にはご夫婦そろって参加されている方も見受けられました。開催2カ月前には予約で席が埋まったそうで,当日は会場内150席が満席でした。

この本,いかがですか?

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 本書を手にし,そのタイトルから健診のノウハウを伝えるマニュアル本だろうと思いながら読み進めると,最初の「健診の心構え」で,私の思い込みは簡単に覆された。著者のお一人である故松本壽通先生(松本小児科医院)は「健診は医療の延長ではありません」,また「子どもの心の問題や育児支援なども考慮に入れた健診が求められています」と冒頭で述べており,乳幼児健診は子育て支援の一環であると改めて捉え直すこととなった。

 今や子育て支援は,社会全体で取り組むべき課題であり,国は2001年から取り組んできた「健やか親子21」の最終評価を経て,2015年度から第2次計画をスタートさせている。「健やか親子21(第2次)」の三つの基盤課題の一つは,従来から続く「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」であり,それらを下支えする新たな課題として「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」を掲げている。本書は「健やか親子21」が策定される以前から,乳幼児保健と子育て支援の必要性を見据えて,小児科医師のみならず保健や医療に関わるスタッフを視野にその重要性を説いている。

連載 続・いのちをつなぐひとたち・14

島田真理恵さん&井本寛子さん
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年号も令和と改まって初めての新年,少子化が進むわが国の助産師は,今,何に悩み,社会から何を期待されているのでしょうか。日本助産師会,日本看護協会の両組織からお二人のリーダーにお越しいただき,助産師が今こそ取り組むべき課題についてお話を伺いました。

連載 地域助産師&施設助産師&保健師がつながれば笑顔が広がる 「助助っぽ連携」を始めよう!・10

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助産師会と自治体の災害協定

 この原稿を書いている時に,台風19号が各地で猛威を奮いました。東京都助産師会は東京都と災害協定を結んでいます。何かあったらすぐ動けるようにとテレビにかじりつき,ツイッターや各地の自治体の公式サイトなどを確認し,情報を集めました。しかし,遠くの情報は入るのに,自分の地域の情報が全く入りませんでした。結果的には助産師として直接動くことは無かったのですが,これでは助産師会の連絡網も役に立たないと感じました。現在の被害状況を知ることができる方法を,何か考えなくてはいけません。

 まだどうしたらいいか分かりませんが,「助助っぽ連携が役に立つのではないか」とおぼろげながら感じています。災害時の地域の情報は行政(自治体)が一番把握していると思います。助産師が行政と直接つながると物事がスムーズに進むことは,産後ケア事業が実証しています。このつながりを災害時に活用するにはどうしたらいいのでしょうか。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・57

昭和大学 助産学専攻科
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本学の沿革・教育理念

 昭和大学助産学専攻科(以下,本学専攻科)は,2008年から開講された昭和大学保健医療学部看護学科助産師課程と重なるように2012年に設立し,今年(2020年)で9年目を迎えます。入学定員は15名で,これまで66名の修了生を輩出し,看護学科助産師課程を含めると約90名が昭和大学で助産学を学び,周産期の医療現場へと羽ばたいていきました。

 本学専攻科の特徴は,昭和大学の理念である「至誠一貫」,まごころを持って対象に尽くすことを第一に,「女性の全生涯を対象に,家族・乳幼児・地域社会も視野に入れ,女性の主体性を尊重したウィメンズヘルスを支援できる豊かな人格と教養を兼ね備えた人物を育成する。さらに,安全で質の高い助産ケアを提供し,医療・保健・看護・福祉の向上に寄与し,国内外に発信できる助産師を育成する」です。周産期医療の重要な担い手となる高度で最先端な知識と専門的助産実践能力(知識・技術・人間性)を身に付けた助産師の育成を目指しています。2019年度は,入学生の約半数が昭和大学保健医療学部看護学科の卒業生ですが,内部進学者枠はなく,例年,他大学からの進学者は全国各地の大学から進学してくださっています。

連載 りれー随筆・420

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生まれてきてくれてありがとう

 私は高校3年生の時に姉の出産に立ち会い,「命の誕生」に心から感動しました。女性が命懸けで命を産むこと,産めること,そして何より赤ちゃんが生きる力を持って生まれてくることに「すごすぎる,すごすぎる」と感動しました。その後,姉も無事であり,赤ちゃんも無事に生まれてくれたことに安堵して涙が止まらなくなり,「良かった,うれしい」と,姉の労を心からねぎらい,喜びを共有しました。

 この時が助産師になりたいと思った瞬間で,これこそ助産師の仕事の本質だと考えています。産む人を全人的に丸ごと受け止めて尊重し,寄り添い,支えて,見守り,共に考え,時には導いていく。赤ちゃんは,生きるための力を持って必死でおなかから生まれてきてくれます。なのでどういう状況であっても,「生きる力を持って,生まれてきてくれてありがとう」と喜び,その生命力に感動する。この生命力こそ私の助産師としての仕事の原動力,パワーの源であり,醍醐味,やりがい,達成感,継続の力にもなっています。

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助産雑誌
74巻1号 (2020年1月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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