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乳幼児健診マニュアル 第6版
濵田 裕子
1
1九州大学大学院・小児看護学
pp.58-59
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201448
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本書を手にし,そのタイトルから健診のノウハウを伝えるマニュアル本だろうと思いながら読み進めると,最初の「健診の心構え」で,私の思い込みは簡単に覆された。著者のお一人である故松本壽通先生(松本小児科医院)は「健診は医療の延長ではありません」,また「子どもの心の問題や育児支援なども考慮に入れた健診が求められています」と冒頭で述べており,乳幼児健診は子育て支援の一環であると改めて捉え直すこととなった。
今や子育て支援は,社会全体で取り組むべき課題であり,国は2001年から取り組んできた「健やか親子21」の最終評価を経て,2015年度から第2次計画をスタートさせている。「健やか親子21(第2次)」の三つの基盤課題の一つは,従来から続く「切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策」であり,それらを下支えする新たな課題として「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」を掲げている。本書は「健やか親子21」が策定される以前から,乳幼児保健と子育て支援の必要性を見据えて,小児科医師のみならず保健や医療に関わるスタッフを視野にその重要性を説いている。
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