助産雑誌 72巻7号 (2018年7月)

特集1 助産師出向システムの今

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助産師出向とは,現在の勤務先の身分を有しながら,他施設で助産師として働くことです。2013,2014年度,日本看護協会は助産師出向支援モデル事業を実施し,その成果として助産師出向支援導入事業ガイドラインが策定されました。そして2015年に国の施策として「助産師出向支援導入事業」がスタートしました。

特集1では,「助産師出向システム」の基本を改めて解説していただいたうえで,助産師出向コーディネーター,実際に出向を体験した助産師,それぞれの体験を紹介します。動き始めている助産師出向システムの具体的な仕組みや導入によるメリットを共有しましょう。

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近年,助産師の病院偏在やハイリスク妊産婦増加による正常分娩の介助経験を積み重ねることの難しさが問題となっています。行政の立場から,「助産師出向システム」の概要とその現状,成果をまとめました。

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島根県での助産師出向支援導入事業について,そのコーディネートの一連の流れを解説していただきました。調整の難しさやポイント,出向元・出向先施設や県,看護協会の担当者への説明会や交流などの具体的な内容についても触れていただきました。

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公立邑智病院では一時期,常勤助産師の不在で産婦人科医と看護師のみで分娩を取り扱わなくてはならない時期がありました。そのような状況の中で助産師出向事業に参加した助産師の立場から,出向までの流れや,分娩件数の多い病院への出向を経験して得た学びについて,ご執筆いただきました。

特集2 助産師が寄り添う更年期

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助産師は,思春期のいのちの授業や,妊産褥婦と児のケア,分娩介助,育児期の支援,そして更年期の支援と,まさに女性の一生に寄り添う専門職です。このうち更年期については,助産実践能力習熟段階(CLoCMiP®)レベルⅢの中に更年期の指導を含むウィメンズヘルスケア能力を問う項目が設けられたり,日本助産師会が電話相談窓口を設けたりしています。しかし,妊娠期・分娩期とは異なり,更年期を専門とする助産師の数が少ないように見受けられます。また,助産師養成課程でも十分な教育が行なわれているとはいえない状況です。そこで特集2では,更年期の女性を対象にした支援をされているメノポーズカウンセラーでもある助産師の皆さんにその内容を示していただき,長く女性に寄り添うための情報をまとめました。

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閉経後の女性の寿命が40年近くも伸びている現在,いかに健康で長く過ごせるかを考えなくてはなりません。更年期の卵巣機能低下に伴うエストロゲン消退のメカニズムを知り適切な保健指導をすることで,産後から更年期,老年期のケアにつなげることができます。その基礎知識をまとめていただきました。

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静岡県立大学では,更年期をはじめとする女性の健康の相談に応じる無料の相談室を日本で初めて大学内に設置しました。相談室の運営の実際や,把握するべき相談者の健康内容,具体的な相談内容や,大学が相談室を運営するメリットを示していただきました。

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更年期女性の話をじっくり聞きたい,相談に乗りたいという思いから,筆者たちはメノポーズカウンセラーの資格を取得し,更年期相談の看護外来を立ち上げました。総合病院産婦人科での更年期女性へのケアの実践をご紹介いただきます。

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妊娠・出産はホルモンのバランスが乱れるため,女性の心身に影響を与えます。高年出産の場合は,妊娠期を経てすぐ更年期を迎えることも珍しくないため,筆者は乳房ケアなどで女性と話をする機会を活用して,更年期の話をしているそうです。妊娠期から情報提供している支援の実際をご紹介します。

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更年期障害は女性自身の仕事や家族関係にも影響を及ぼします。しかし,相談窓口が少なく,手探りで症状に対処している人が多いようです。そこで,きちんとした情報を女性に提供するために,更年期に関する相談,講座の開催や,講義,ウィメンズヘルスアドバイザー®の養成を行なっている立場から,実践報告をしていただきました。

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 愛知県岡崎市にある吉村医院の前院長,吉村正先生は,その生涯を通じて自然分娩の素晴らしさと大切さを日本の助産師および女性たちに訴えてきた産科医です。先生は2017年11月7日に85歳で逝去されました。私は先生に公私ともにたいへんお世話になりました。先生がお元気でいる間に感謝の気持ちを表したかったのですが,突然の訃報を受け,この場を借りて,お礼と感謝の言葉を述べたいと思います。

 私と先生の思い出は後述するとして,3月に開催した吉村先生を追悼するシンポジウムの内容をご紹介します。

連載 続・いのちをつなぐひとたち・4

青野慶久さん
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社会のためには商売より子育てが大事だと気づいたんです

東証一部上場企業の社長として,育児休暇を3回取得した青野慶久さん。社内では働き方改革を行ない,離職率を大きく改善しました。育児経験から得たもの,子育てしやすい社会への提言,個人で取り組む「選択的夫婦別姓制度」への思いについてうかがいました。

連載 宝物,教えてください・30

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 私の宝物は,学生と卒業生,そして助産師教育に協力してくれたすべての仲間たちです。

 まず,左上の写真は,本校第1期生から前年(第18期生)の卒業生までが年1回,一堂に会して学生時代を懐かしむ同窓会の様子です。年々,彼女たちの子どもの数も増え,旧交をあたため,懐かしい話に花が咲きます。

連載 ワタナベダイチが行く! 全国・両親学級レポート・7

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はじめに

 千葉県浦安市には,妊婦体験や沐浴指導,妊婦体操などを行なう両親学級(母子保健担当課が実施,3回1コース)がありますが,それとは別に,育児期のさまざまな課題を妊娠期から知っておくことを目的とした「プレパパママ講座」を,浦安市こども家庭支援センターが開催しています。この講座は2016年度から始まった事業で,1回完結型,年4回開催されています。比較的新しい事業ですが,すでに導入の効果が出始めているとのこと。どのような講座なのか,早速うかがってみました。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・39

北海道立旭川高等看護学院 助産学科
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母子に寄り添い,地域社会に貢献できる実践者の育成

 北海道立旭川高等看護学院(以下,当学院)は,北海道のほぼ中央に位置した旭川市にあり,雄大な大雪山連峰に抱かれ,肥沃な盆地が広がっています。行動展示で注目を集めている「旭山動物園」は最北の動物園として有名です。

 当学院は,北海道の保健医療を担い,社会に貢献できる有能な看護実践者を育成することを目的とした学院です。1973年に看護婦科(現・看護学科)を設置し,1983年助産婦科(現・助産学科),1987年保健婦科(現・地域看護学科)を増設し,北海道唯一の3学科を有する看護職養成施設です。

連載 りれー随筆・402

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思いがけない妊娠,葛藤する女性

 「風俗の仕事で妊娠しちゃって。こんなこと誰にも言えなくて……」「結婚している男性との間で妊娠してしまって……」「もうすぐ産まれる頃だとは思うんですけど病院とか行けてなくて……」。私が仲間たちと活動する一般社団法人ベアホープ*1では,妊娠して悩んでいる女性たちからの相談を日々メールや電話で受けています。ときには病院の医療ソーシャルワーカーや児童相談所から紹介されてくることもあります。ベアホープでは,その女性の複雑な背景を聞き取り,社会資源を利用しながら自分で育てる道,養育里親や乳児院という方法,そして特別養子縁組という方法についてなど,福祉的な情報提供をしながら,その女性と子どもにとって最善の道を一緒に考え,必要である場合は特別養子縁組の仲介をしています。

 予期せぬ妊娠に葛藤し,ようやく相談してくる女性たちの中には,貧困,家族関係の崩壊,被虐待,DV,依存症,若年,発達障害,性風俗など,重い課題をいくつも抱えている方をよく見ます。「こうすれば一発解決!」というような結論の出ない,その人の背負ってきた苦しい人生を垣間見ると,この妊娠がきっかけで支援につながることができてよかったと思える時も多々あります。一方,そういった女性たちは,医療・福祉・保健分野の支援にはつながりにくく,また支援から切れやすい方でもあるのが現実です。

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助産雑誌
72巻7号 (2018年7月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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