この本、いかがですか?
産む・産まない・産めない―女性のからだと生きかた読本
松岡 恵
1
1東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科リプロダクティブヘルス看護学分野専攻
pp.450
発行日 2007年5月25日
Published Date 2007/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101012
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「少子化」が社会の関心事となって久しい。現在「少子化問題」は,「女性が子どもを産まなくなった」ことが原因である,という意識が定着している。そのためマスコミなどでは,女性の生き方や価値観にからめた「女性の産む,産まない」が論じられている。
この本は,そのようなジャーナリスティックな書籍とは,一線を画したものである。少々乱暴な言い方をすれば,この本は,「産む・産まない・産めない」にかかわる健康問題に直面した,個人や家族と向き合う臨床家・研究者の,日常的な学術的活動のドキュメンタリーに近い。一般書であるため,産科臨床の現場や研究活動に従事する医療専門家にとっては,専門領域の内容は必ずしも最先端の情報とは感じないだろう。しかし,「産む・産まない・産めない」に関連する諸問題の論点を整理するために,非常に有益な本である。
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