社会保険旬報 24巻2947号 (2024年12月発行)

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目次／視点

医師偏在是正プラン財源に診療報酬を検討 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.3

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社会保険旬報の今号の「目次」と、時事の話題に対して意見・解説する「視点」です。

座標

社会保障　総合経済対策で医療機関を支援／日病　医師偏在対策等を福岡厚労相に提言／医療提供　新たな地域医療構想へ提案日医の江澤常任理事が講演／医療保険　マイナ保険証の利用率は15％台 12月２日から現行保険証が廃止 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.4-5

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厚生労働行政の動向を中心とする最新の情報約４点をシンプルに、コンパクトにお伝えする「座標」です。

レコーダ福岡厚労大臣への共同インタビュー

医師偏在対策を年末までに策定人手不足へ処遇改善とＤＸ推進 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.6-10

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11月11日に発足した第二次石破内閣で厚生労働大臣に就任した福岡資麿氏は11月20日、専門誌クラブの共同インタビューに応じた。福岡厚労相は医師の偏在について、偏在によって地域で医療を受けることができない場合があれば改善が必要だとして、経済的なインセンティブ・医師養成過程での取組み・規制的手法等―を組み合わせた総合的な対策パッケージを年内に策定する方針を強調した。また、医療・介護分野で人手不足が深刻化するなか、人材確保に向けた処遇改善とＤＸ推進による効率化の両方を進めていくことが重要との認識を示した。

霞が関と現場の間で(58)

少数与党の政権について中村　秀一 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.11

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「安倍一強」から別世界に　10月27日の総選挙で自民党は過半数どころか与党過半数を維持できず、特別国会での首班指名でも決戦投票になるなど、少数与党での政権運営が迫られている。長らく「安倍一強」と言われていたことを思うと、まさに「異次元」の世界である。

レコーダ医療経済フォーラム・ジャパン第22回公開シンポジウム（上）

災害時の医療のあり方神野　正博 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.12-20

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【講師】神野正博　社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院理事長医療経済フォーラム・ジャパン（会長＝中村洋・慶応義塾大学大学院教授）は10月17日、都内で第22回公開シンポジウムを開催した。メインテーマは「災害時の医療のあり方」。社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院理事長の神野正博氏の基調講演の後、学習院大学長の遠藤久夫氏の座長によるシンポジウムでは中田勝己氏（厚生労働省医政局地域医療計画課長）、茂松茂人氏（日本医師会副会長）、小藤幹恵氏（石川県看護協会会長）、本間正人氏（日本災害医学会代表理事）、中尾浩一氏（社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院院長）の５氏が発言した。　基調講演で神野氏は、同病院のこれまでのヘルスケアシステムの取組みや１月に発災した能登半島地震への対応を説明するとともに、今後の医療提供体制やまちづくりについて提案した。本号では神野氏の講演要旨を紹介。中田氏、茂松氏、小藤氏、本間氏、中尾氏の発言とディスカッションの要旨は12月21日号に掲載する。

論評

変革を続ける国立病院機構について西川　隆久 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.22-27

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はじめに　国立病院・国立療養所は、平成16年に独立行政法人制度を導入し、国立病院機構（ＮＨＯ）に移行した。その後、変革の成功例として紹介されることがあり、自治体関係者から、自治体立病院を地方独立行政法人化するに際して参考にしたいとして相談を受けることは、今もある。　人口減少、高齢化、技術の進歩、医療の専門分化をはじめ、病院経営を取り巻く変化は続いている。

潮流

全国１００か所程度に区域を設定し都道府県が医師偏在是正プラン策定 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.28-29

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厚労省は11月20日、「新たな地域医療構想等に関する検討会」（遠藤久夫座長）で医師偏在対策の具体案を公表した。都道府県が選定する全国１００か所程度の「重点医師偏在対策支援区域（仮称）」を対象に「医師偏在是正プラン（仮称）」を策定。経済的インセンティブにより医師偏在対策を推進する考えなどを提示。財源として診療報酬を活用し、患者負担が増加する部分については、保険者の協力も得たい考えだ。　支援対象とする「重点医師偏在対策支援区域」は、医師偏在指標、可住地面積当たり医師数、住民の医療機関へのアクセス、診療所医師の高齢化率、今後の人口動態などを考慮し、地域医療対策協議会や保険者協議会などの意見も踏まえ、都道府県が決定する。

「特定過剰サービス」で診療報酬減算を財務省が財政審・財政制度分科会で提示 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.30

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財務省は11月13日、政府の令和７年度予算編成に向けた提言書（秋の建議）を議論している財政制度等審議会・財政制度分科会に、医師の偏在対策として新たに診療報酬上のディスインセンティブ措置を提案した（前号既報）。　客観的な基準に基づき、ある地域において特定の診療科の医療サービスが過剰であると判断される場合に「特定過剰サービス」を位置づけ、診療報酬を減算する内容。ただし、「一律の減算は必ずしも適当ではない」との考えから、「特定過剰サービス」を対象にするアウトカム指標を設け、結果が良好であれば付加価値を適正に生んでいるとみなして減算措置の対象からは外すとの案も示した。

財務省の医師偏在対策の提案日医の松本会長が反論 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.31

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日本医師会の松本吉郎会長は11月20日の会見で、財務省が13日の財政制度等審議会財政制度分科会に示した社会保障改革の考え方について見解を表明した。地域別単価の導入など医師偏在対策の提案に反論している。　松本会長は、財務省の考え方のうち、①医療機関の経営情報のさらなる「見える化」②診療所の偏在是正のための地域別単価の導入③セルフケア・セルフメディケーション④研究開発―に言及した。

賃上げや物価高騰へ財源確保を決議国民医療推進協議会が総決起大会 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.32

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医療・介護関係42団体で構成する国民医療推進協議会（会長＝松本吉郎・日本医師会会長）は11月22日、東京・駒込の日本医師会館で、「国民医療を守るための総決起大会」を開いた。令和６年度補正予算や令和７年度予算編成に向けて、国民の生命と健康を守るため、賃上げ・物価高騰に対応する適切な財源確保を求める決議を採択した。国会議員72名を含む約１０００名の関係者が参加した。　主催者挨拶で松本会長は、令和６年度補正予算や令和７年度予算における賃上げ・物価高騰への対応について石破茂首相をはじめ、福岡資麿厚生労働大臣や加藤勝信財務大臣らに要望してきたことを説明。その上で、「国民の命と健康を守るため、医療・介護分野の適切な財源をしっかりと確保すべく、総決起大会を開くことになった。医療・介護の報酬改定は毎年実施されるものではないため、賃上げと物価高騰に対して、今年度の補正予算や来年度予算でぜひとも対応いただきたい」と訴えた。

中部医師会連合が金沢市で委員総会ベースアップ評価料で日医に要望 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.33

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中部医師会連合（委員長＝安田健二石川県医師会会長）は11月16～17日、石川県金沢市で令和６年度中部医師会連合委員総会を開催した。特別委員会では日本医師会に対し、令和６年度診療報酬改定で新設されたベースアップ評価料について要望が出された。　冒頭挨拶で安田委員長は１月の能登半島地震に対する支援について、「ＪＭＡＴ（日本医師会災害医療支援チーム）のチーム数は３２００を超え、１万２０００人を超える先生方に訪れていただいた。ＪＭＡＴと石川県医師会の役割は、被災地に医療を取り戻すことと、避難所において災害関連死をなくすことだ。みなさまのおかげで能登半島では一つの医療機関も閉院することなく立ち直った。また、ＪＭＡＴが関わった二次避難所では災害関連死はゼロだった」と述べ、出席者に感謝の意を示した。

厚労省が高額療養費の見直しを提案社保審・医療保険部会が議論 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.34-35

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社会保障審議会医療保険部会（田辺国昭部会長）は11月21日、医療保険制度改革について議論した。厚労省が高額療養費制度の見直しを提案。自己負担限度額を引き上げるとともに、所得区分を細分化する考えを示した。委員から反対意見は出なかった。なお、今回の制度見直しでは、政令改正が必要となる。　昨年12月に閣議決定された「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋（改革工程）」では、２０２８年度までに検討すべき取組みとして「高額療養費の自己負担限度額の見直し」が盛り込まれている。

アルツハイマー病治療薬の大型新薬ケサンラを薬価収載 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.36

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厚生労働省は11月20日、新薬17成分19品目を薬価基準に収載した。ピーク時の予想売上高が１００億円を超えたのは５成分で、中でもアルツハイマー病（ＡＤ）治療薬の「ケサンラ」は７９６億円と超大型となる。医療保険財政を圧迫する可能性があり、将来的な患者数の拡大も見据えながら適正使用を進めることになる。

２０２５年度活動方針・計画を決定ヘルスケア産業プラットフォーム 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.37

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医薬品・医療機器関連の労働組合で構成するヘルスケア産業プラットフォーム（篠原正人代表）は11月８日、都内で総会を開催した。２０２５年度活動方針・計画や予算を決定するとともに、役員改選では篠原代表を再選した。　２０２５年度は、「ヘルスケア産業プラットフォームビジョン２０２５」の最終年度として、「ビジョン２０３０」を見据えて活動を展開する。「ビジョン２０２５」では、①広い視野に基づく産業代表機能の発揮②多様性を背景とした変革の推進③働く者の雇用と生活の安定の実現―をあげている。

療養の給付

療養の給付の取扱いについて 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.38-39

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「「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について」（厚生労働省保険局医療課長・同歯科医療管理官通知，令和６年７月12日・保医発0712第１号），「官報正誤」（令和６年10月15日），「「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」等の一部改正について」（厚生労働省保険局医療課長・同歯科医療管理官通知，令和６年10月31日・保医発1031第１号），「検査料の点数の取扱いについて」（厚生労働省保険局医療課長・同歯科医療管理官通知，令和６年10月31日・保医発1031第３号）を整理し，当研究所発行の『医科点数表の解釈（令和６年６月版）』の該当項目を示した。　なお，保医発1031第１号，保医発1031第３号は令和６年11月１日から適用された。

年金制度の動き

11月1日から老齢年金請求書等に添付する戸籍謄本等が省略可能に／11月の「ねんきん月間」と11月30日の「年金の日」を広報／厚労省が年金額分布推計を踏まえた多様な年金水準を提示／離婚時の年金分割の請求期限を現行２年以内から５年以内に延長へ／iDeCoの加入期間を70歳まで引き上げ、要件に「老後の資産形成を継続」／福岡資麿厚生労働大臣が再任―「年収の壁」解消は年金部会で検討／厚労省が調整期間の一致、在職老齢年金、標準報酬月額の上限で改正の方向性示す 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.40-41

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年金制度や労働行政等のニュースをお伝えする「年金の動き」です。

編集室／ワードカプセル

編集室／ワードカプセル：高額療養費制度 24巻2947号 , 2024年12月 , pp.42

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取材中のこぼれ話など編集者の余談を綴った「編集室」と、一つの言葉をピックアップして解説する「ワードカプセル」です。

基本情報

社会保険旬報
24巻2947号
(2024年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1343-5728 社会保険研究所

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