臨床画像 37巻4号 (2021年4月)

特別企画 放射線科スーパーセレクション2021 この発表,この着眼点に注目!

序説 江原 茂

髄膜炎の画像診断 飯田 悦史
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髄膜炎は,日常の画像診断で比較的よく遭遇する疾患である。髄膜炎の診断は臨床症状,理学所見と髄液所見よりなされることが原則であるが,放射線科医は画像所見が髄膜炎として矛盾しないかを判断することが求められるとともに,病変の程度や広がり,合併症の有無についてもコメントする必要がある。さらに,髄膜炎と類似した画像所見を呈する他疾患との鑑別においても,放射線科医は重要な役割を担っており,それらの疾患の画像所見について知識を整理しておく必要がある。本稿では,髄膜の解剖,正常像,異常像について解説した後,髄膜炎の画像所見と鑑別診断について解説する。

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脳出血はよく遭遇する疾患であり,単純CTでは病変を指摘することは容易であることが多い。画像診断医としては出血部位を指摘するだけでなく,二次性脳出血の可能性や予後不良因子などを考えて診断することが求められる。脳卒中ではMRIが最初に施行される施設もあり,超急性期脳出血のMRI所見の理解も重要である。今後人工知能を用いた脳出血診断補助ソフトが普及することが期待され,その理解も必要である。本稿の内容は第79回日本医学放射線学会での教育講演の内容に基づいて執筆しており,教育的な内容が中心であることをご了承いただきたい。

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『頭頸部癌取扱い規約(第6版補訂版)』,『AJCC Cancer Staging Manual(改訂第8版)』では,口腔癌のT分類に深達度が追加されたが,画像評価に関しては規定されていない。本稿では新しい規約の変更点や深達度,深達度推定に有用な画像所見などに関して「第79回 日本医学放射線学会総会(2020年5~6月)」での教育講演の内容を中心に解説する。

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新型コロナ肺炎は両側下葉末梢優位にすりガラス影,網状影を主体とした陰影を呈し,比較的特徴的な所見を呈することが多い。一方,新型コロナ肺炎と鑑別に苦慮する画像所見を呈する疾患に遭遇することがある。鑑別に苦慮する疾患について概説をした。

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人工知能は,複雑な問題に対しても解決できるような仕組みになっているが,その診断過程はブラックボックスである。本稿では,肺腺癌の診断に対する人工知能の応用や,その診断過程で人工知能が着眼した部位の視覚化など,研究結果を交えながら紹介する。今後,人工知能の診断過程のホワイトボックス化は,われわれが取り組むべき課題の1つと思われる。

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スクリーニングCTで発見されたGGNは3カ月程度でfollow upされ,変化がない場合はAAH/AIS/MIA疑いとしてマネジメントされる。施設によっては積極的に手術が施行され,術前の画像からは予想しえない病理組織診断に遭遇することがある。本稿では当院で経験されたまれな組織型を示したGGN症例の提示とともに,GGNのマネジメントや最近の動向に関して概説する。

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先天性心疾患患児の多くは,外科治療の発達や内科管理向上により成人を迎えるようになった。また未修復で成人となっているチアノーゼ型心疾患患者も多数存在する。このため通常の診断業務において,思いがけず先天性心疾患の既往がある症例の読影にあたることも少なくないであろう。苦手意識を少しでも克服する手助けとなるような基礎知識を解説する。なお,本稿の内容は第56回日本医学放射線学会秋季大会の教育講演の内容を基に掲載している。

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本特別企画に選出いただいたテーマは,第56回日本医学放射線学会秋季臨床大会で講演した内容である。肝細胞癌診断における造影CTの位置付けとその画像所見の成り立ち,診断能向上における最近の研究についてまとめたものであり,主に放射線科診断専門医資格取得前後の若い先生方を対象とした内容となっている。

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PETは空間分解能に劣ることから物理的に小さな腫瘍を発見するには不向きである。小膵癌の発見にはdynamic CTが不可欠であるが,単純CTや造影単相CTと比較するとFDG–PET/CTが優れている場合があり,特に膵鉤部癌の検出において有用性が高い。膵癌と同様に膵神経内分泌腫瘍でもPETにより偶発的に発見されるものがある。

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多くの教科書の記載とは異なり,上部尿路における生理的狭窄部位は,上部尿管と尿管膀胱移行部の2カ所のみである。また,画像検査で上部尿管にはしばしば高度の屈曲が認識されることがあるが,これもまた教科書の図説には見つけることができない。実はこれらの事項には共通する解剖学的背景が存在し,その成因を正しく知ることは新たな後腹膜の概念を理解するための1つの大切な手がかりとなる。本稿は第105回北米放射線学会(RSNA2019)に投稿した教育展示(UR154–ED–X)および『Japanese Journal of Radiology』掲載のreview1)に基づいた内容である。

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動脈塞栓術に代表される止血術を行う際には,その原因を非外傷性(内因性)と外傷性に分けて考えると治療方針が立てやすい。それぞれの疾患群に対する知識を整理し治療戦略を立てる必要がある。本稿では出血に対する緊急IVRを内因性疾患に対する止血術と外傷診療に分けて解説する。

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ガーゼ,器械・針などの手術器具・用具が体内に遺残した場合,医療者の過失責任を免れない医療過誤であり,十分な予防策を講じる必要がある。術後の体内異物遺残は画像検査で診断されるが,特に頻度の高いガーゼ遺残の画像所見に精通することは重要である。本稿では,ガーゼ遺残の画像所見,予防対策について解説する。

連載 先生, 日本専門医機構認定専門医制度について聞かせてください!

[最終回]

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質問1 今後の必修共通講習,領域講習の実施方法を教えてください  質問2 一般演題について学会としての方向性を教えてください  質問3 自分が今どれくらい単位をもっているのかわからないのですが,どうすればわかりますか?  質問4 救済制度について教えてください  質問5 機構認定のサブスペシャルティ専門医制度について今後の予定など教えてください  質問6 新専門医制度に移行するメリットが個々の会員にはあまりないように感じられます。移行をしなかった場合,何かしらのペナルティはありますでしょうか?

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基本情報

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臨床画像
37巻4号 (2021年4月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0911-1069 メジカルビュー社

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