特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
良性腫瘍
-内反性乳頭腫
髙井 由希子
1
,
加藤 博基
1
,
松尾 政之
1
1岐阜大学医学部 放射線科
キーワード:
内反性乳頭腫(inverted papilloma)
Keyword:
内反性乳頭腫(inverted papilloma)
pp.280-283
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001197
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・鼻副鼻腔腫瘍の5%以下を占める良性腫瘍である。
・HPV/EBV感染,喫煙などが発生に関連している。
・主訴は鼻閉が多く,鼻漏・鼻出血を生じることもある。
・50〜60歳代に好発し,まれではあるが小児に発生することもある。3:1で男性に多い。
・中鼻道レベルの鼻腔外側壁に好発し,しばしば上顎洞・篩骨洞に進展する。
・ほとんどが片側性であるが,約5%が両側性に発生する。
・組織学的には上皮細胞が間質内へ向かって陥入するように内向性発育を示す。
・治療は完全切除が基本であり,Krouse分類(Table 1)に基づく病変の進展範囲や腫瘍基部の位置に応じて適切な術式が選択される。
・再発率は20%前後の報告が多い。不完全切除が再発の原因となるため,腫瘍基部の骨増殖部の削除も必要となる。
・約10%が同時性もしくは異時性に癌を合併する。癌の組織型は扁平上皮癌が多い。
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