胃と腸 28巻13号 (1993年12月)

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的根治切除―適応拡大の可能性と限界を探る

序説

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 従来,胃癌に対する治療法は,可能な限り根治を目指すという立場から拡大手術が進められてきた.しかしわが国における膨大な手術例の治療成績,合併症や後遺症の検討から,少なくとも早期胃癌に対し,その治療成績が同等であればquality of life(QOL)の観点も踏まえ,より侵襲の少ない治療法を選択するべきであるという考え方が台頭してきた.なかでも高齢者社会を迎え,早期胃癌が増加しつつあるのが実情である.しかし高齢者の中には外科的poor risk症例は決して少なくなく,より安全かつQOLを考慮した治療法の確立が急務である.この時代的ニーズに呼応して既に早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除の手技もほぼ確立し,その適応もわが国の膨大な手術例の検討により一定の適応基準が固まりつつある.しかしその適応拡大に関してはいまだ慎重論が多く,十分論じられていないのが実情である.そこで本特集号では適応拡大の可能性に迫るべき企画がなされた.

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要旨 早期胃癌の内視鏡的絶対治癒切除法の条件は,1回の切除術で癌病巣を完全切除することに加え,リンパ節転移のないことが必須である.この条件を考慮して内視鏡的治癒切除法の適応拡大について多施設集計を含め検討した.リンパ節転移の面からみると分化型m癌のうち30mm以内のⅡa+Ⅱc,30mm以内のⅡbおよびⅡc・Ul(-)群,また低分化型m癌でも30mm以内のⅡbおよびⅡc・Ul(-)群ではn(-)であり,将来の技術面での改良によって適応拡大の可能性が示唆される.このためには切除術式の改良に加え,ワイヤー・ループの絞扼時の滑り止めの工夫や,病巣の正面視のために前方斜視型の利用,側視鏡の開発など内視鏡機器の改良も重要な課題である.

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 早期胃癌の内視鏡的根治切除の適応は,最近まで多くの報告では,肉眼型はⅡa,Ⅱc,大きさ2cm以下,組織型は分化型,深達度m,潰瘍病変(-)が挙げられている.これらの適応条件の拡大がどのようになされるべきかが,今後の大きな問題である.この適応の拡大を制限する条件も同時に考慮されるべきである.内視鏡的根治切除の最も重要な制限は,リンパ節転移非危険群であり,次に一括して完全切除の可能な症例である.

 適応拡大の一番の候補は,2cm以上の病変であるが,内視鏡的切除の対象病変が大きくなれば,完全切除の可能性が低くなると同時にリンパ節転移の可能性も増加してくることは,明らかである.2cm以上の病変に対して始めから分割切除を行う試みがあるが,分割切除では分割標本の再構築が容易でなく,完全切除の基準から外れることより,分割切除の導入された将来像はないと考える.

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 早期胃癌に対する内視鏡的治療,特に内視鏡的切除法は,今や1つの治療法として確立されたと言ってよい.しかし,すべての早期胃癌が内視鏡的切除法の対象となるわけではなく,根治を目的とした場合には自ずからその適応が限られる.そこで,内視鏡的切除法で根治可能な早期胃癌の適応と問題点を含め適応拡大の将来像について私見を述べる.

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 早期胃癌の内視鏡的根治切除の適応は,リンパ節転移と治療面での限界との両面から考えなければならない.将来像というより,内視鏡治療の適応拡大について現在の問題点とそれに対する私見を述べてみたい.

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 最近の診断学の著しい進歩によって,微小・小胃癌をはじめ転移を伴わない粘膜内癌が急増しており,早期胃癌に対する内視鏡的切除術(endoscopic resection; ER)の有用性が広く認識されつつある.加えて,腹腔鏡下胃切除もいよいよ臨床の場に登場し,早期胃癌に対する内視鏡的治療の適応拡大は時代的な要求であるようにさえ思われる.しかし,適応拡大を図るためにはいくつかの条件をクリアすることが必要である.以下,その条件について筆者なりの考え方を述べてみたい.

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 近年,早期胃癌に対して内視鏡的粘膜切除,局所的縮小手術,更には腹腔鏡的胃切除と患者のquality of lifeを考慮した,侵襲の少ない治療が盛んに行われるようになってきた.この中で,内視鏡的粘膜切除(EMR)は日常の早期胃癌の治療法の1つとして確立された感がある.その絶対的適応は諸家の報告により,大きさが20mm以内の潰瘍を伴わない粘膜内癌で,組織型が分化型腺癌とされ,現段階では未分化癌と粘膜下浸潤癌はその適応外とされている.内視鏡的粘膜切除が根治的治療となるためにはリンパ節転移がないことが絶対的条件である.したがって,低分化型腺癌あるいは粘膜下浸潤癌でもリンパ節転移がなければその適応となる.そこでその可能性を探るために大きさ20mm以下の早期癌の肉眼型とリンパ節転移の関係を外科的手術された早期胃癌について病理学的に検討してみた.

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 早期胃癌に対する内視鏡的胃粘膜根治切除法(根治的EMR)は,外科手術に比べて侵襲が少ない(minimal invasive surgery)という大きい利点があるが,その切除範囲にも自ずから限界があり,この方法で満足すべき根治的治療効果が得られないときには,いつでも外科手術に切り替えられるべきものである.したがって,その適応は極めて流動的であり,いたずらに本法に固執して,手術の時期を失することがないように注意しなければならない.

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要旨 粘膜切除術の追加治療としてレーザー照射を施行した30例中,評価可能22例のうち遺残率は4.5%(1/22)で,再発率は14.3%(3/21)であった.適応別にみると,遺残率は絶対的適応群0%(0/11),相対的適応群9.1%(1/11),また再発率は絶対群で9.1%(1/ll),相対群で20.0%(2/10)であった.肉眼型別では遺残率は隆起,陥凹ともなく,混合50.0%(2/4)で,再発率は隆起13.3%(2/15),陥凹20.0%(1/5),混合0%(0/1)であった.深達度別では遺残率はmO%,sm20%,再発率はm5.9%,sm50.0%,組織型では遺残率,再発率は分化型5.6%,5.9%,未分化型0%,50.0%であった.今後の長期にわたる詳細な経過観察と,より多数の症例の集積が必要である.

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要旨 早期胃癌に対して内視鏡的切除(ER)を施行した113例を対象として,術後経過における遺残・再発の問題と不完全切除例に対する追加治療について検討した.完全切除71例には遺残・再発は認めなかった.不完全切除42例のうち,遺残・再発が確認されたのは28例(67%)で,ほとんどが3か月以内に判明したが,切除断端(+)および(±)であった2例は,それぞれ6か月後と18か月後に局所再発を認めた.遺残・再発例に対する追加治療として3例に再ER,23例にレーザー照射,3例にヒートプローブの併用を行った結果,レーザー追加照射例に局所再発2例と遺残4例を認めたが,そのほかは最長8年間にわたって癌陰性化が得られている.局所再発例に対しては,再ERおよびレーザー再照射で全例に癌陰性化が得られており,またER後に外科手術を追加した3例には遺残は認めなかった.以上の結果に基づき,再発の早期発見のための術後サーベイランスの方法について若干の考察を加えた.

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要旨 現在までに321症例の早期胃癌に対して根治目的に内視鏡的治療を行い,経過観察を行ってきた.そのうち,40例(12.5%)に多発胃癌症例を経験している.多発胃癌症例は高齢者の男性に多く,主病変は隆起型,A領域に発生するものが多く認められた.また,副病変のほとんど(45病変中44病変)は分化型胃癌であった.内視鏡治療における単発胃癌症例と多発胃癌症例の5年生存率は96.0%,93.8%であり,両者の生存率に差はなかった.更に,経過観察中に8例において,新たな早期胃癌9病変が発見された.すべて内視鏡的治療の適応範囲内の分化型胃癌であり,8例中7例には内視鏡的治療が施行され,良好な経過を認めている.以上の成績から,内視鏡的治療適応内の病変が多発している症例では,各々の病変を内視鏡的治療することによって根治効果が得られることが明らかになった.更に,術後の経過観察中に発見される多発早期胃癌病巣は,1年に1度の内視鏡観察により,内視鏡的治療の適応内の病変で診断され,追加の内視鏡的治療で根治できた.

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要旨 われわれは,リンパ節転移がないと判断した胃m癌4例に対して,すべての手技を腹腔鏡下に行った胃局所切除術を施行し良好な成績を得た.われわれの考案したlesion lifting法による自動縫合器を用いた腹腔鏡下胃局所切除術では,病変部をほぼ中央にした径60mm前後の切除標本が全層標本として得られ,十分な組織学的検索が可能であった.切離縁から病変部までの距離も十分に確保することができ,確実な根治術が施行できた.更に,術後の疼痛は軽微であり,早期退院も可能であった.本法は,リンパ節転移がないと考えられる胃m癌に対して,根治性,低侵襲性,臓器温存性を併せ持つ優れた治療法となりうると考える.

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要旨 これまでの早期胃癌に対する内視鏡的治療の適応の妥当性をみるために,Ul(-)m癌にリンパ節転移がどのくらいみられるか,その特徴は何か,を調べた.Ul(-)m癌リンパ節転移例は6例で,全早期胃癌(1,906例)の031%,m癌の0.6%にあたる.形態は隆起型2例,平坦型(Ⅱb)1例,陥凹型3例,組織型は分化型4例,未分化型2例で,これらに共通と言える特徴はなかった.ただ病巣の長径は全例が2.Ocm以上で,これが唯一の共通の特徴と言える.以上の結果から,現在の早期胃癌に対する内視鏡的治療の適応とされるものに,大きな矛盾はみられなかった.

今月の症例

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〔患者〕 70歳,男性.2か月間に6kgの体重減少を認め,胃部不快感もあったので近医を受診した.胃X線検査で幽門前庭部に伸展不良が認められ,内視鏡検査を受けたが,生検で癌の診断が得られず当科に紹介された.入院時の身体所見,および一般検査所見に異常は認められなかった.

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〔患者〕 60歳,男性.1990年11月初旬から心窩部痛が出現し当院を受診した.

用語の使い方・使われ方

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 Barrett食道,Barrett上皮は食道腺癌の発生母地として注目されている病巣である.1950年にBarrettが“Chronic peptic ulcer of the esophagus and esophagitis”を報告してから,3年後AllisonとJohnstoneがBarrett ulcerの言葉を使って以来,“Barrett”の言葉が使用されるようになった.

 Barrett食道は本来の食道胃粘膜接合部より3cm以上の長さ,あるいはLESを越えて全周性の食道の円柱上皮化と強調する学派もあるが,病理切除標本で粘膜下層の固有食道腺の存在範囲内にみられる食道腺癌は,本来の食道胃粘膜接合部より1~2cmの距離でもBarrett食道癌と呼ぶ傾向がある.Barrett上皮とは全周性ではなく局所的に食道粘膜の円柱上皮化がみられる場合を指す.

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 胃癌,特に陥凹型早期癌では,しばしば癌巣に向かってひだ(皺襞)が集中する例がみられる.この集中するひだの先端は,癌浸潤の程度などにより様々な形態を呈する.ひだの中断あるいは断裂とはその1つで,ひだの先端が陥凹の辺縁で急に凹凸不整に途切れることを示す.すなわち,ひだの中断は中断した部位まで癌浸潤が及んでいるために生じ,この位置が粘膜層における癌浸潤の境界である.

 また,癌浸潤の程度や組織型によってひだの先端の形態は異なることが明らかにされている.ひだの中断は癌浸潤が粘膜層内にとどまる例に多く認められ,組織型では未分化型癌に多く認められる所見である.

Coffee Break

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 本年5月新潟で行われた第45回日本消化器内視鏡学会総会(小越和栄会長)に出席して,内視鏡による粘膜切除法の名称の大変混乱しているのが気になった.これについては筆者も多少責任を感じていることなので,評議員会の席上,学会として名称を統一すべきではないかと質問してみた.すると小越会長から,一時中断していた用語委員会を再開し御自身が委員長となって検討することになっているというお答えがあったのでいちおうは安心したが,いずれにしてもかつてERCPを掲げる外国勢に寄り切られた逆行性膵胆管造影法の二の舞いにならぬよう,十分に検討して世界に通用するいい名称を選定してもらいたいと願うのは筆者ばかりではあるまい.

早期胃癌研究会

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 1993年9月の早期胃癌研究会は祭日の関係で一週間繰り上がり,9月8日(水),小越(県立がんセンター新潟病院内科)と斉藤(東京医大第4内科)の司会で開催された.

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要旨 A型胃炎を伴わない多発性胃カルチノイドの1例を報告した.患者は42歳,男性.胃集団検診で発見され,手術目的で当科に紹介された.胃X線検査,胃内視鏡検査では胃角部小彎に線状潰瘍瘢痕を認めるが,カルチノイドとしての描出は困難であった.摘出標本の組織学的検索では胃中部の線状潰瘍瘢痕の口側に,腺境界に沿って最大2mm径のカルチノイドが24個多発していた.胃底腺の萎縮は軽度で,いわゆるA型胃炎ではなかった.従来報告されているA型胃炎合併多発性胃カルチノイドでは高ガストリン血症のtrophic actionがカルチノイド発生に関与していることが示唆されている.しかし本例は多発性胃カルチノイドでありながらA型胃炎を伴わず,カルチノイドの配列にも特徴が認められ,貴重な症例と考えられた.

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要旨 患者は58歳,男性.1992年6月13日当院ドックで大腸内視鏡検査を行い,横行結腸の陥凹性病変を指摘された.注腸X線検査では,同部にひだ集中を伴う不整形陥凹を認め,その周囲に広範な地図状不整形の透亮像を認めた.大腸内視鏡検査では,横行結腸に約1/2周にわたり,中央にひだ集中を伴う明瞭な陥凹を有し,周囲にわずかに陥凹したⅡc様部分,ほぼ平坦なⅡb様部分,わずかに隆起したⅡa様部分からなる広範な発赤した病変を認めた.生検で高分化型腺癌との診断を得て9月7日手術を行った.切除標本の病理学的検索の結果,病変は腫瘍腺管の側方進展(全層性ないし一部表層性)の著明な大きさ46×43mm,深達度smの高分化型腺癌でⅡc,Ⅱb,Ⅱa様部分からなる表層拡大型様の形態を示す病変であった.

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要旨 患者は61歳,男性.1992年2月胃精密検査のため紹介された.胃内視鏡検査および胃X線検査で,胃前庭部前壁に表面に不整な多発びらんを伴う軽度の隆起性病変を認めた.腫瘍の辺縁は粘膜下腫瘍の形態を示していた.前庭部のびらん部からの生検で膠様腺癌の所見が得られた.1992年4月16日,胃亜全摘術が施行された.病理組織学的には胃膠様腺癌で癌細胞は粘膜下層までに限局していた.腫瘍は粘膜下層に主座を持ち,同部に多量に浸潤していた.本症例においては7か月前に内視鏡検査が行われており,胃前庭部にびらん性胃炎の所見が認められた.胃膠様腺癌は深部に浸潤した場合,粘液産生能を獲得すると言われている.早期胃膠様腺癌はまれな胃癌で,ときに特異な形態を示すことがあり,貴重な症例と考え報告した.

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要旨 患者は44歳,男性.下腹部痛を主訴に来院した.注腸X線検査では横行結腸に有茎性の分葉状隆起性病変を認め,大腸内視鏡検査では腫瘍表面は正常粘膜で覆われていたが,一部に浅い地図状の不整形潰瘍を認めた.生検で神経鞘腫を疑い,横行結腸切除術を施行した.切除標本は病理組織学的に紡錘型細胞の柵状配列と好酸球,肥満細胞の浸潤を認め,免疫組織染色ではS-100蛋白が陽性を示した.以上から神経鞘腫と診断した.大腸神経鞘腫は比較的少なく,なかでも,結腸に発生した症例はまれである.また,形態的に有茎性の分葉状隆起を示した報告は本邦では自験例が初めてであり,貴重な症例と考え,報告した.

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要旨 患者は61歳,男性.食欲不振,下痢を主訴として来院.入院時に頸部,腋窩,鼠径部に小指頭大のリンパ節を触知した.消化管X線・内視鏡検査で,食道,胃,十二指腸,小腸に顆粒状から結節状の隆起性病変を認め,回腸末端では粗大結節状を呈していた.また,大腸には1か所の粘膜下腫瘍様病変と中心陥凹を伴うアフタ様病変が多発していた.食道,胃,回腸末端,大腸の各々からの生検病理組織標本で,非Hodgkin悪性リンパ腫,びまん性中細胞型,B細胞型と診断された.また末梢血に異型リンパ球を認め白血化した全身性悪性リンパ腫の消化管病変と考えられた.化学療法で隆起性病変はいったん軽快した.本症例の消化管病変はmultiple lymphomatous polyposis(MLP) of the gastrointestinal tractの形態を呈していた.食道病変を生前に診断しえた報告はまれであった.

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欧文目次

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 著者は私の最も敬愛する,しっかりした癌外科医の1人である.難治癌に挑戦し世界に誇るべきすばらしい成績をあげている理由が,この本を読めばよくわかる.外科医にとって,手術材料の観察,記載,撮影,固定,切り出しが重要なことは言うまでもない.

 物ありて形,心の

  生まるなり形のなくば

   物,心なし

 肉眼形態学はすべての基準であり,最近の画像診断の進歩によりますます重要で面白いものになった.この本はその重要さ,面白さをよく教えてくれる,一見,面白おかしく書いてあるが,その核心を突く洞察力は抜群である.

編集後記 中村 恭一
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 小さな病変であるにもかかわらず胃の半分以上を取り除いてしまう胃部分切除術.そのようにしなければならない理由はともかく,切除胃病理検査の切り出しのときにはいつも胃がもったいないような気がしていいました.ところが現在では,ある小さな病変に対して,本号の特集となっている胃内視鏡的根治切除が行われるようになり,それは患者にとっては朗報となっています.QOLを求め,更には患者に癌であることを気楽に告げて治療法を選択させるようになったこと(informed consent),胃癌治療が到達すべき理想点に一歩近づいた感があります.

 本号の特集では,内視鏡的切除法についての適応,術後の経過など周辺のことが論じられ,その治療法の全貌を読み取ることができます.今よりは,この治療症例がますます増加することは疑いのないことでしょう.そのようなことから,次のようなことを愚考してみました.御修正のほどをよろしく…….

基本情報

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胃と腸
28巻13号 (1993年12月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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