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今月の主題 早期胃癌の内視鏡的根治切除―適応拡大の可能性と限界を探る
主題
早期胃癌内視鏡的根治切除の適応拡大の将来像―私はこう考える
Curative Endoscopic Resection of Early Gastric Cancer: The Prospect of Extending Its Indications
髙木 國夫
1
Kunio Takagi
1
1林外科病院
pp.1452
発行日 1993年12月25日
Published Date 1993/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106342
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- Abstract 文献概要
早期胃癌の内視鏡的根治切除の適応は,最近まで多くの報告では,肉眼型はⅡa,Ⅱc,大きさ2cm以下,組織型は分化型,深達度m,潰瘍病変(-)が挙げられている.これらの適応条件の拡大がどのようになされるべきかが,今後の大きな問題である.この適応の拡大を制限する条件も同時に考慮されるべきである.内視鏡的根治切除の最も重要な制限は,リンパ節転移非危険群であり,次に一括して完全切除の可能な症例である.
適応拡大の一番の候補は,2cm以上の病変であるが,内視鏡的切除の対象病変が大きくなれば,完全切除の可能性が低くなると同時にリンパ節転移の可能性も増加してくることは,明らかである.2cm以上の病変に対して始めから分割切除を行う試みがあるが,分割切除では分割標本の再構築が容易でなく,完全切除の基準から外れることより,分割切除の導入された将来像はないと考える.
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