精神医学 43巻6号 (2001年6月)

巻頭言

精神医学つかず離れず 山鳥 重
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 神経心理学という領域に足を踏み入れてずいぶんになる。

 遠い昔になってしまったが,神戸の医大を卒業してインターンをやっていた頃は頭の中は支離滅裂で,公衆衛生をやろうと思ったり,精神科をやろうと思ったり,生理学をやろうと思ったり,まったくフラフラしていた。内科をやろうと思ったことが一度もないのが不思議と言えば不思議である。内科はなんでも屋と誤解しており,専門性の高そうなところを探していたのかもしれない。

特集 社会構造の変化と高齢者問題

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はじめに

 2000年4月から介護保険が施行され,本年3月31日で1年が経過した。1997年12月に介護保険法が成立し,その後モデル事業と,その結果を踏まえた各種修正作業を経て,およそ2年半後の開始であった。全体的には施行前に予想されていたほどの混乱は来さず,おおむね順調に推移しているように見えるが,モデル事業の段階でも指摘されていた痴呆患者の要介護認定の問題をはじめ,今後改善されるべき問題が残されている。

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はじめに

 1999(平成11)年12月1日,「民法の一部を改正する法律」,「任意後見契約に関する法律」,「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律等の整備等に関する法律」,「後見登記等に関する法律」の4法が成立し,これらの法律に基づいて,2000(平成12)年4月から,新しい成年後見制度がスタートした。いうまでもなく,新しい成年後見制度の成立を促したのは,わが国社会の急速な高齢化である。2000年のわが国の65歳以上人口は17.2%,75歳以上の後期高齢者だけでも7%を占めると推定されている5)。65歳以上の高齢者のいる一般世帯の状況を,1985年と1995年の10年間で比較すると,夫婦のみの世帯が17.8%から23.8%に,単身世帯が12.7%から17.2%に増加している。高齢者数の増加を勘案すると,1985年から1995年までの10年間に,老夫婦のみの世帯,高齢者の単身世帯がそれぞれほぼ倍増した計算になる13,14)。高齢者の増加,特に高齢者のみの世帯に住む高齢者の激増は,従来は家族の中に埋没していた高齢者の財産の管理や運用の問題を顕在化させた。斎藤12)の調査によれば,痴呆症の高齢者を抱える家族の多くは,不動産の売買のような重要な財産行為であっても,特別の法的手続きなく家族が行えばよいと考えているが,こうした考え方は,高齢者のみの世帯では通用しにくい。高齢社会,高齢者世帯において,高齢者は,自らの意思で自らの財産を管理し,自らの生活を守っていかなければならない。成年後見制度は,こうした社会の変化に,財産管理の側面から対応しようというものである。

 成年後見制度と時を同じくしてスタートした介護保険制度も,同じ社会の構造変化に,別の角度から対応したものだと言える。介護保険制度は,従来,行政措置として提供されてきた高齢者福祉サービスを,契約に基づいて購入されるサービスへと変換させた。行政措置によるサービスの提供は,家族内で介護力を確保できない社会的弱者を救済するという古い福祉の概念の中の制度であったが,介護保険を使って購入されるサービスは,すべての国民が必要に応じて購入するものであるから,もはや弱者救済の制度とは言えない。しかしながら,現実問題として,介護を必要とする高齢者は,身体または精神の機能に障害を持ち,脆弱な存在であることには違いがないから,こうした人たちを制度的に支援する枠組みがないと,介護サービス提供者と,サービス利用者が対等な関係に立つことはできない。介護保険制度と相前後して創設された地域福祉権利擁護事業15)は,必要な援助を提供することによって,高齢者や障害者の生活の上での自律をできるかぎり拡大しようという趣旨の制度である。

 本来,財産と生活のマネジメントは切り離して考えることのできないものである。したがって,成年後見制度,介護保険制度,地域福祉権利擁護事業は,互いに深く関連し合った制度であるべきである。成年後見制度では身上監護義務が強調され,地域福祉権利擁護事業では,成年後見制度との連携が強調されているが,両制度の連携は,抽象的なうたい文句のみで,具体的な連携の方法に配慮した構造にはなっていない。地域福祉権利擁護事業と成年後見制度の関連については,別の機会に論じているので,ここでは成年後見制度に的を絞って,精神医学的な観点から考察を行う。

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はじめに

 老年期の精神障害では,うつ病は痴呆とともに重要な疾患で,高齢化社会での大きな問題となっている。また,加齢とともにうつ病の頻度は増加し1,15),うつ病の前状態とされる抑うつ状態の頻度は,痴呆の頻度をはるかに上回っていると考えられる。老年期うつ病の症状,経過,予後は多様で,老年期うつ病の複雑な臨床特徴を整理することは困難な作業とされる。老年期うつ病を1つの疾患とするには,大きな問題があることは多くの研究者が認めるところである。わが国の経済の低迷から高齢者の経済生活,健康問題は,日々の話題となり不安をかきたてるかのようにある。毎年発表される自殺白書でも自殺者の総数は減少しつつあるものの全自殺者の中で高齢者が占める割合は相変わらず高い。かつては高率を示していた青年期の自殺は減少したが,高齢者の自殺率は依然として高く,高齢になるほど高率となっている。高齢者の自殺の背景に,孤独老人の問題が指摘される。老年期のうつ病に自殺が多いことは広く知られており,社会の変化によって高齢者の自殺率は大きく変動する。高齢者にみられる柔軟性の低下や精神活動の硬直は,生活環境の変化に不適応を生じやすくなり,社会からも孤立化しやすくなる。老年期うつ病の有病率の差異には,地域的・文化的・社会的背景が大きく関与する。老年期では,反応性の要素や身体因性要素(外因)を持っている例が多く,狭義の内因性うつ病の概念では説明できないことが多い。うつ病は基本的には回復可能であるが,老人を取り巻く身体・心理・社会的要因が予後に大きく影響を与える。

 加齢に伴う精神老化と軽症痴呆の主症状は,前頭葉症候群(自発性行動の障害と自発性の調整障害,運動の調整障害,無関心,物忘れ,無欲,抑制低下)で老年期うつ病の症状に共通する。ここでは老年期になって発症するうつ病を抑うつ状態も含めた広義の老年期うつ病とし,高齢社会となった現代社会の構造と老年期うつ病の発症について,身体・心理・環境の観点から,いくつかの代表的要因を挙げて,それらとの関連を述べる。

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はじめに

 痴呆などについては早くから各種の取り組みが始まったが,高齢者の心の健康をいかに保つかという意味でのメンタルヘルスに関しては十分な関心が払われてこなかったというのが実状である。特に高齢者の自殺に関しては,非常に深刻な問題であるにもかかわらず,積極的な介入を進めてきたのはごくわずかの例しかない。本論では,近い将来にわが国に到来する超高齢化社会において,さらに深刻な問題となることが予想される高齢者の自殺に焦点を当てていく。

時代の変化と痴呆性疾患 小阪 憲司
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はじめに

 筆者のテーマは「時代の変化と痴呆性疾患」であり,ギリシャ時代にまで遡って時代とともに痴呆性疾患がどのように変化してきたかを総説することが期待されるかもしれないが,それをするには文献を検討する時間的余裕がないので,ここではせいぜい19世紀前半以降,痴呆概念がどのように変遷し,時代とともにどのような痴呆性疾患が話題になり,その研究がどのように発展してきたかを見ることにする。

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はじめに

 これといった明るい希望が持てないまま新世紀を迎えた人が多い世情背景の一つに,児童虐待の急増ぶりも見逃すことができないであろう。一方,高齢者虐待は,それだけ影が薄くなっているようにも見えるが,実態はこれまでどおり早急の対応が求められていることに変わりない。

 現在に比べたら在宅高齢者の実態がほとんどわかっていなかった19年ほど前,横浜市が行った痴呆性高齢者の実態調査に参加し,対象となった家庭の奥まで入る機会があった。そこで,診察しながら見た光景の一部はかつて聞いたことも予想したこともない高齢者虐待そのものであった。この時の体験をもとに,息子の暴力や嫁のいじめに耐え兼ね,逃げ込んでくる高齢者のための宿泊施設(ハマノ愛生会・高齢者よろず相談所「柏の家」,横浜市西区)で調査した34例(1984〜1985年)に,横浜市内全15保健所にアンケート形式の調査を行い,その中で報告された27例(1985年)を加え,比較検討したものが,極めて小規模ながら,図らずもわが国における最初の高齢者虐待に関する実態調査となった3)。当時,多くの協力者を得た一方,高齢者虐待の存在自体を否定する人,信じようとしない人,調査そのものを快く思わない人にも遭遇した。こうした状況の中で,根拠は極めて不十分であるが,わが国全体での被虐待高齢者数は,どんなに少なく見積もっても15〜20万人以上であろうと推測した3)

 その後,全国的な規模の調査研究が,田中ら11),高崎ら10),大國ら9)によってなされ,わが国における高齢者虐待を概観することができるようになったが,その実態の解明や対策への研究は正にこれからと言わざるをえないのが実状である。

 高齢者虐待は,欧米においてもわが国においても,歴史的には児童虐待の後を追う形となっており,その遅れは研究面ばかりでなく,世間一般の認識,関心度の低さから法整備,施策などに基づく社会的対応策に至るまであらゆる面にわたっている。

 高齢者虐待の理解をより一層深めるにあたって,一歩先を行く児童虐待を参考にするとともに,人の一生のうち身体的対極にある「成長期」との比較の意味も込め,高齢者虐待と児童虐待および児童との関係について触れてみることにした。

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 最近,わが国でも改めて高齢者の身体拘束が問われるようになり,厚生省は「身体拘束ゼロ作戦」を打ち出し,身体拘束ゼロ作戦推進会議を設置した。これに先立って,いくつかの病院や施設が抑制廃止宣言を行い,抑制廃止相談ネットワークを立ち上げた地域もある。また,2,3の雑誌が特集を組み(例えば,「看護」1999. 11. 臨時増刊号),この問題だけを扱った書籍6)も出版されている。

 このような動向は,身体拘束が適法手続きを欠いたままで,時には無反省に行われてきた現状を改善するものとして期待される。本稿は,このような状況を踏まえた上で,身体拘束をめぐる原則的な考え方を示し,なお検討すべきいくつかの課題について述べる。

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はじめに

 精神科病院における臨床現場では,患者の隔離,拘束を主とする行動制限の告知やそのカルテ記載などに十分な人権的配慮を行っている。また精神保健福祉法においても精神医学的知識や経験とともに精神科医への高い職業倫理を要求している。しかしながら痴呆を有する高齢者を精神科病棟に入院させることについて,マスコミで問題として取り上げられたり,善意の精神科医の痴呆症への積極的な取組みが必ずしも社会の評価を十分に得られているとも言い難い。このことの理由の1つとして,精神科医療における行動制限のあり方や患者の同意能力判定についてのあいまいさも考えられる。痴呆老人を入院させる場合に人権に配慮しなければならないことは当然であるが,その際には患者の同意能力についても判定しなければならない。痴呆患者に対する同意能力の判断基準は,精神科医の中でも必ずしも一定ではなく,入院形態をどのように判断するか迷うこともしばしばである。このことは同意能力に関するリーガル・モデルの厳格さと臨床面の現実との差異が大きいことも一因である。

 精神科において臨床現場と倫理性との折り合いを図り,どのように整合性を保つかは重要な課題である。今回本稿では,その前提となるインフォームド・コンセントの法理,同意能力の概念,特に痴呆患者の同意能力について論述したい。

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【抄録】 小学校高学年の児童期に,意欲の低下と引きこもり,奇異な行動などの症状を呈し破瓜型分裂病と診断され,神経遮断薬の投与により病状が悪化した双極性感情障害の2児童例を経験した。児童期に発症する双極性障害は,うつ病相から始まることが多く,言語能力の稚拙さや奇異な行動が目立つなどの理由で超早期発症分裂病や分裂病の前駆症状と誤診されやすい。そのため,神経遮断薬の投与により長期にわたって鎮静化され病状の遷延化を招くことはまれではない。今回の経験から,児童期発症の精神障害の診断や治療,家族へのインフォームド・コンセントには成人とは異なる配慮が必要であることが示唆された。

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【抄録】 ともに摂食障害を合併する女性覚せい剤乱用者(MAP群)21例と女性アルコール乱用者(AL群)16例を比較検討した。MAP群はAL群に比べ,低学歴者や補導逮捕経験者が多く,覚せい剤乱用者独特の生活背景を持っていた。また,摂食障害先行型のMAP群,後発したMAP群,AL群の比較では,摂食障害先行型のMAP群とAL群は摂食障害の症状・病型が共通して多彩であり,後発型のMAP群とは異なる特徴を呈した。AL群の大半が摂食障害を先行発症し,罹病期間が長いことによるといえた。しかし,先行型のMAP群はAL群より窃盗・盗食と手首自傷が多く,AL群は先行型のMAP群より不食が多く,MAP群の衝動的傾向が推測された。

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【抄録】 痴呆症状を呈する初老期から老年期の患者120名(アルツハイマー病61名,脳血管性痴呆59名;男性38名,女性82名;平均年齢79.8±9.7歳)について,音楽療法と作業療法とを同日に行い,活動中の状態を痴呆用愛媛式音楽療法評価表(D-EMS)を用いて検討した。D-EMSの項目のうち「認知」「発言」「表情」「社会性」では,両療法中の状態に有意差が認められたが,「集中力」「参加意欲」については認められなかった。

 よって,音楽療法中は作業療法中に比べ,集中力や参加意欲は変わらないが,活動性が向上し,情動が安定し,他の参加者とのコミュニケーションが促進されていることが明らかになった。さらに,「認知」の項目の差は,音楽療法の手法により指示の理解が改善したことによると考えられたが,実際の認知機能そのものの向上との直接的な因果関係の有無については,今後の検討が必要であると思われた。

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はじめに

 アセチルコリンエステラーゼ阻害薬塩酸donepezilは,1996年に米国食品医薬局(FDA)で認可されたのを最初に,現在約50か国で発売され,わが国では1999年10月にアルツハイマー型痴呆治療剤として認可された。発売以来,その有効性や副作用について数多くの報告がなされ,臨床的検討が重ねられている。

 筆者は,donepezilの投与中にせん妄が再現したアルツハイマー型痴呆の1例を経験した。経過から,donepezilがその原因である可能性が高いと考えられたため,若干の文献的考察を加えて報告する。

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 頭痛を伴った反復性うつ病性障害により頻回の入院歴がある患者に対して星状神経節ブロック(以下SGB)を施行したところ,頭痛の劇的な改善を認め,その結果として意欲減退,集中力低下,不眠などの抑うつ症状も改善したと考えられた症例を経験したので報告する。

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はじめに

 従来,老年期の興奮状態や妄想状態には抗精神病薬や鎮静系の抗うつ薬を,妄想型うつ病にはamoxapineなどの抗うつ薬ないし抗うつ薬と抗精神病薬の併用療法が一般的である。しかし,抗うつ薬や抗精神病薬は抗コリン作用や錐体外路系の副作用のため,高齢者に使用が制限される場合がある。選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)であるfluvoxamineは抗コリン作用がなく,欧米では1983年以降導入され,fluvoxarnine単独で妄想型うつ病に対して,従来の三環系抗うつ薬プラス抗精神病薬ないし電気けいれん療法と同等の効果があるとの報告1)もある。今回我々は,軽度の脳器質病変を有し,せん妄による精神運動興奮を伴った老年期の妄想状態に,一部sulpirideを併用したが,主としてfluvoxamineが著効した2症例を経験したので報告する。

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はじめに

 抜毛症(trichotillomania)は1889年,フランスの皮膚科医Hallopeauによって初めて報告された疾患3)であり,現在のICD-10分類では「習慣および衝動の障害(F-63)」に含まれる。臨床的には“髪の毛を抜くという衝動に抵抗することに失敗して生じる,顕著な毛髪欠損によって特徴づけられる障害”と定義されている。治療については以前より精神療法や行動療法,また,抗うつ薬,抗精神病薬,抗不安薬などの薬物療法が試みられてきたが,その方法が確立されたとはいえない。その中で選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors:SSRIs)が有効であるという興味深い報告がなされるようになった1,2,5)。本邦では,clomipramineを用いた著効例の報告6)があるが,SSRIsによる有効例の報告はまだみられない。今回,我々はSSRIsであるfluvoxamineの投与により,10年の経過を持つ抜毛症および抑うつ症状や過食行動が速やかに改善した症例を経験したので,若干の考察を加え報告する。

精神医学における日本の業績

井村恒郎の業績 野上 芳美
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はじめに

 井村恒郎(1906〜1981)は昭和初期の社会不安のなかで悩み多い学生生活を送った。高校は理系だったのに,西田幾多郎教授を慕って京大哲学科に入り,カント哲学を専攻した。カントの生物哲学は後年に井村の脳病理学への関心に影響を与えることになったが,最終的には哲学に失望し,医学を通じての『人間研究』のため,将来精神医学を専攻する心算で,改めて医学部に入った。東大医学部卒業後は母校の精神科教室に入り,第二次大戦前には脳病理学(神経心理学)で優れた業績を挙げた。戦後には新フロイト派の文献に触れ,力動的精神医学の啓蒙を行い,やがて精神分裂病の心因論から家族研究へと発展し,輝かしい業績を残した。すなわち,井村恒郎には脳病理学と精神病理学との二つの主要関心領域があった。この二つの領域を代表する尊敬すべき先人として,日大の教授室にJohn Hughlings JacksonとHarry Stack Sullivanの肖像を掲げていた。井村の学問上の特質は鋭い先見性,深い思索,実証を重んじようとする態度だった。

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 厚生省が1996年1)を初年として3年ごとに行っている,患者の受療行動調査の第2回目2)が2000年9月8日にその概況として発表された。それがマスコミに取り上げられると「“1時間待ち,診療10分”が約6割」と報じられ,表1のごとく相変わらず医師の診察時間は患者の待ち時間に比べて短く,大病院ほどその傾向が強くなっている,と記載されている。しかし,厚生省の受療行動調査では,外来の診療科目別,新患・再来別の検討がなされていないのと,診察時間が「診察室で医師にみてもらった時間」と規定し,医師法の診療(診察と治療)時間を十分に満たしていない。我々が外来で患者を診療する場合には患者を診察室に入れる前に,紹介状,病歴,検査結果を読み,身体的な診察の後に,通院精神療法を行い,投薬が必要な患者には処方内容を十分に吟味してから,パソコンで処方を打ち出し,紹介状に返事を書くという行為で完結する。それでこのような診療行為に実際にどのくらい時間がかかるか,筆者の所属するM病院で,筆者が実際に診療した患者について検討した。

基本情報

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精神医学
43巻6号 (2001年6月)
電子版ISSN:1882-126X 印刷版ISSN:0488-1281 医学書院

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