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特集 ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点と適正使用
ベンゾジアゼピン受容体作動薬依存の薬理学的機序
Pharmacological Mechanism of the Development of Dependence on Benzodiazepine-receptor Agonists
芝﨑 真裕
1
,
森 友久
1
,
成田 年
1
Masahiro Shibasaki
1
,
Tomohisa Mori
1
,
Minoru Narita
1
1星薬科大学薬理学研究室
1Department of Pharmacology, Hoshi University School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences, Tokyo, Japan
キーワード:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
GABAA受容体α1サブユニット
,
GABAA receptor α1 subunit
,
ゾルピデム
,
zolpidem
,
薬物依存症
,
drug addiction
Keyword:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
GABAA受容体α1サブユニット
,
GABAA receptor α1 subunit
,
ゾルピデム
,
zolpidem
,
薬物依存症
,
drug addiction
pp.387-394
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206040
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抄録 ベンゾジアゼピンは,その安全性から容易に処方され,現代の臨床現場で広く用いられている。しかしながら,長期にわたる連続的な服用により依存症を引き起こすことが知られている。ベンゾジアゼピン系薬物は,α1,α2,α3,およびα5のいずれのサブユニットから構成されるGABAA受容体に結合し,薬理作用を発現する。その機序解明にはさまざまなGABAA受容体の点変異マウスが用いられてきたが,現在ではベンゾジアゼピンの依存症発現にはα1サブユニットを含有するGABAA受容体が重要であることが分かってきた。本稿ではベンゾジアゼピン依存に関し,GABAA受容体を中心としたベンゾジアゼピンの作用機序と薬理学的役割ならびにベンゾジアゼピン依存形成機序について,基礎研究による知見を基盤にして概説する。
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