「精神医学」への手紙
病院神経科精神科外来の診療時間について—厚生省受療行動調査への疑義
山口 成良
1
,
武山 雅志
1
1松原愛育会松原病院
pp.688-689
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902453
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厚生省が1996年1)を初年として3年ごとに行っている,患者の受療行動調査の第2回目2)が2000年9月8日にその概況として発表された。それがマスコミに取り上げられると「“1時間待ち,診療10分”が約6割」と報じられ,表1のごとく相変わらず医師の診察時間は患者の待ち時間に比べて短く,大病院ほどその傾向が強くなっている,と記載されている。しかし,厚生省の受療行動調査では,外来の診療科目別,新患・再来別の検討がなされていないのと,診察時間が「診察室で医師にみてもらった時間」と規定し,医師法の診療(診察と治療)時間を十分に満たしていない。我々が外来で患者を診療する場合には患者を診察室に入れる前に,紹介状,病歴,検査結果を読み,身体的な診察の後に,通院精神療法を行い,投薬が必要な患者には処方内容を十分に吟味してから,パソコンで処方を打ち出し,紹介状に返事を書くという行為で完結する。それでこのような診療行為に実際にどのくらい時間がかかるか,筆者の所属するM病院で,筆者が実際に診療した患者について検討した。
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