臨床婦人科産科 74巻11号 (2020年11月)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

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●投稿したい雑誌の先行論文を数多く読むことで,定型の記述法や論理展開を学ぶ.

●FigureやTableはResultをアピールする最大のツールであり,正確かつ統一感をもって作成をする.

●読者の側に立った丁寧な論文作成を目指す.

いまさら聞けない論文作成のキホン

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●TitleおよびIntroductionは,論文の印象を決める重要パートである.

●Titleは“concise and informative”を原則とする.

●Introductionには,その研究を行う根拠,仮説,解析方法を簡潔に示す.

適切な統計解析の使い方 濱野 鉄太郎
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●事前に解析を計画すると,論文の信頼性が向上する.

●主解析を1つに絞ると,偽陽性のリスクが低減する.

●現代臨床統計学は非常に複雑で,できる限りコンサルトを受けて欲しい.

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●投稿先の投稿規定を熟読し,規定に沿った図表を作成する.

●図表作成には投稿規定に載っていない“一般常識”がある.

●ファイル形式や解像度など,馴染みの少ない部分にも注意して作成する.

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●論点考察の段落は以下の3つのパートから構成される.①本研究では何を見つけたか? ②それにはどのような意義があるのか? ③今後,どのように展開し,発展させていくのか?

●どんなにすぐれた医学研究にもlimitationはある.書くべきlimitationが書かれていないと,かえってreviewerの心証が悪くなる.

●考察執筆のような“クリエイティブ”な文章を作成するのは,頭が澄み切っている朝に限る.

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●まず論文で報告したい要旨を簡潔にまとめ,その研究内容の重要度,インパクトを客観的に評価し,どのような層の読者に伝えたいか明確にする.

●impact factor(IF)はジャーナルの平均的な論文の被引用回数に過ぎないが,ジャーナルの影響力の一つの指標である.投稿先ジャーナルの選定の際の参考資料となる.

●研究内容によってはオープンアクセス誌への投稿はやむを得ない.その際に悪徳雑誌(ハゲタカジャーナル)にひっかからないように気をつける.

査読意見に対する回答の仕方 小林 陽一
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●査読してくれたことに対して敬意を示しましょう.

●修正論文を再投稿する前に,投稿規定をもう一度確認し,上級医のチェックを受けてから再投稿しましょう.

●質問・指摘に対して1つずつ丁寧に回答し,本文中にもマーカーや赤字などで示して修正部分が一目でわかるようにしましょう.

論文のまとめ方 : 実践編

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●症例報告を書き続けることで,人生が変わる.

●症例報告は「臨床的に有用である」から書くという気持ちを忘れない.

●可能であれば国際雑誌(英文)に挑戦する.impact factor(IF)がつく雑誌が望ましいが,IFがつかなくても,PubMedに掲載される雑誌を目指す.

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●研究者共通のclinical questionを明確にし,それを明らかにすることで患者,医療者双方に有益な質の高いエビデンスが得られる臨床研究を行う.

●試験計画時点での状況を詳細に調査して整理し,計画時の標準治療が何か,試験治療として何が最も有望であるのかを明確にする.

●試験を遂行するにあたって問題となる点をクリアにしたうえで試験計画を策定すること,必要症例数や試験期間についても可及的正確に見積もる必要があることに留意する.

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●研究は地道な積み重ねであり,既知のことをよく理解することが第一歩である.

●日ごろからプレゼンテーションの機会をもち,自分のデータを表現する習慣をつける.

●予想に反する結果が出たときの考察など,研究者としての力量を身につけることが,論文を書くうえでも血肉となる.

英文論文にチャレンジしよう!

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●症例報告から英文論文にチャレンジしよう.

●投稿前にはSI値のチェックを行おう.

●個人情報保護に気を付けよう.

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●ジャーナルの投稿規程をしっかり読んで必要な記載事項を確認することが重要.

●Cover letterはEditorとのファーストコンタクトになるので第一印象が大事.

●論文の新規性や価値を簡潔にわかりやすくまとめているか,投稿規程を遵守しているかは特に重要な項目となる.

英文校正に求めるもの 太田 剛
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●英文校正は言語面のチェックに加え,フォーマット調整や論理の流れ,構成などに踏み込んだ校正サービスもある.

●剽窃(plagiarism)チェックサービスでの修正は英文校正では行われない.

●英文校正者は研究内容,文章の論理構成を理解し,英文論文のレベルを向上させる建設的な提案ができる校正者が理想である.

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はじめに

 遺伝子改変技術は新たな実験動物の作製に不可欠な手法である.その手法の主たるものは胚や配偶子へのマイクロマニピュレーションであり,遺伝子改変のほか,繁殖・経代および遺伝子検査などにも応用されている.そして,マイクロマニピュレーションはマイクロマニピュレーター(MM)を用いて,受精卵へのDNA注入,胚への胚幹細胞の導入や胚の一部の採取などを行う技術である.

 われわれは従来マニュアルで行われてきたマイクロマニピュレーションの半自動化に成功し,遺伝子改変動物の作製や繁殖の困難な実験動物の再現について新たな開発に成功したので,その概略を解説する.さらに,本手法の生殖補助医療(ART)への応用についても考察する.

連載 Obstetric News

骨粗鬆症(Ⅱ)―骨の生理学 武久 徹
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 骨は動的組織である.小児期と青年期に起こる骨の獲得は成人の骨量の90%を占める.女性の年少期の骨量のピークは主に遺伝的因子(60〜80%)に影響されるが,環境,健康,および生活様式などの各因子に妨害される可能性がある.骨の生育と骨のミネラル含有のほとんどは,身長がピークになる前後の2〜4年で達成される.身長がピークになる平均年齢は女性で11.8歳(±1.0年),男性で13.5歳(±1.0年)と報告されている.

 中流の白人男女を対象とした最近の研究では,骨量の最終ピークは女性で19歳,男性で20.5歳ごろに起こったと報告している.その時点以降は,骨ミネラル含有量に著しい増加は見られなかった.他の複数の研究でも,青年期後期に骨量のピークが起こったことが報告されている.

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▶要約

 子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術の治療的意義は明確でなく,術前にリンパ節転移リスクが低いと予測される症例においてはリンパ節郭清術の省略が考慮される.リンパ節転移低リスク群の抽出システムはいまだ標準化されていないが,当院では術前評価で類内膜がんGrade 1かつ筋層浸潤1/2未満と予測される症例において,リンパ節郭清術を省略している.これらの53症例におけるclinical outcomeを解析し,子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術省略の可否について検討した.組織型,筋層浸潤の術前評価の正診率はそれぞれ100%,94.3%と高かった.術前評価(組織型,筋層浸潤)に加えて,術中所見(肉眼での筋層浸潤,迅速腹腔細胞診)によってリンパ節郭清術の省略を決定することが妥当と考えられた.

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▶要旨

 若年妊娠は社会的にも医学的にもハイリスクといわれている.今回は当院での若年分娩について検討した.

 2013年4月から2018年3月までに当院で分娩した総分娩数3,768症例のうち,妊娠時年齢が20歳未満の単胎70症例をY群とした.Y群と同日,前日,翌日に分娩した妊娠時年齢20〜35歳未満の単胎242症例をC群とした.2群間の母体の臨床的背景,母体の社会的背景,母体の周産期予後,児の周産期予後について後方視的に検討した.

 Y群において妊娠前喫煙や家庭内暴力,特定妊婦がC群と比して有意に多くみられた.就労,パートナーあり,分娩時入籍,パートナー就労はY群で有意に少なく,パートナー年齢はY群で有意に低かった.Y群で妊娠中貧血,妊娠中性感染症,切迫早産,吸引分娩が有意に多かった.

 若年妊娠は,社会的ハイリスクであることが再確認された.

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基本情報

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臨床婦人科産科
74巻11号 (2020年11月)
電子版ISSN:1882-1294 印刷版ISSN:0386-9865 医学書院

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