原著
術前に再発低リスクと予想される子宮体がん症例におけるリンパ節郭清術の省略に関する検討
江口 聡子
1
,
山口 広平
1
,
石坂 彩
1
,
神野 雄一
1
,
竹内 真
1
,
早田 季美恵
1
,
永井 美和子
1
,
後藤 美希
1
,
横尾 郁子
1
,
東梅 久子
1
,
有本 貴英
1
1虎の門病院産婦人科
pp.1177-1181
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210190
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▶要約
子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術の治療的意義は明確でなく,術前にリンパ節転移リスクが低いと予測される症例においてはリンパ節郭清術の省略が考慮される.リンパ節転移低リスク群の抽出システムはいまだ標準化されていないが,当院では術前評価で類内膜がんGrade 1かつ筋層浸潤1/2未満と予測される症例において,リンパ節郭清術を省略している.これらの53症例におけるclinical outcomeを解析し,子宮体がん手術におけるリンパ節郭清術省略の可否について検討した.組織型,筋層浸潤の術前評価の正診率はそれぞれ100%,94.3%と高かった.術前評価(組織型,筋層浸潤)に加えて,術中所見(肉眼での筋層浸潤,迅速腹腔細胞診)によってリンパ節郭清術の省略を決定することが妥当と考えられた.
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